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『多言語主義とは何か』

三浦 信孝 編 19970530 藤原書店,340p. ISBN:4-89434-068-2 2940


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■三浦 信孝 編 19970530 『多言語主義とは何か』,藤原書店,340p. ISBN:4-89434-068-2 2940 [boople][bk1] ※ *m01 多文化主義/多言語主義


ことばの多重化=活性化 川田 順造著 18-33
多言語社会としての台湾 林 正寛著 34-47
アメリカの多言語問題 本名 信行著 48-65
一にして不可分なジャコバン共和国と多言語主義 三浦 信孝著 66-79
フランスの地域言語 原 聖著 80-95
フランスにとっての多言語主義 B・カッセン著 福崎 裕子訳 96-105
EUの多言語主義政策 M・ブレーヌ著 菊地 歌子訳 106-117
クレオール文化の可能性 R・コンフィアン語り手 西谷 修聞き手 118-137
「クレオール化」と複合的なアイデンティティ 姜 尚中著 138-147
言葉の生きる場所 港 千尋著 148-171
亡命者文学と言語の問題 西永 良成著 172-185
マグレブのフランス語文学 沢田 直著 186-201
バイリンガリズムの政治学 今福 竜太著 202-227
多言語主義と多数性 酒井 直樹著 228-245
国民文学の脱構築 西川 長夫著 246-261
〈国際語・日本語〉批判 子安 宣邦著 262-275
情報化社会と多言語主義 西垣 通著 276-290
日本にとっての多言語主義の課題 加藤 周一語り手 三浦 信孝聞き手 291-334


◇国民文学の脱構築 西川 長夫著 246-261

 「もし多文化主義・多言語主義が徹底して追究されれば、現在の国民国家的秩序は根底からつくがえらざるをえないはずである。」(p.258)
 「多文化・多言語主義がこうした旧来のナショナリティ概念にもとづくかぎり、それはいたずらに多数のミニ・ネイションとそれらの諸集団のあいだの紛争を生みだすだけであろう。多文化・多言語主義が国民文学、したがって国民国家に対する真に有効な批判となりうるためには、それが依拠する文化概念、言語概念を根本的に疑い、変革しなければならない。文化にかんしては私はこれま(259)で、文化は交流し変革を続けること、文化はつねに雑種的であり、純粋で孤立的な文化などはありえず、したがって民族が虚構であると同様、国民文化(日本文化、フランス文化、等々)も虚構であることをくりかえし指摘してきた。それは変容し続ける自己の他者性や複数性に通じる議論でもある。
 ここごは同じことを言語について強調したい。言語は交流し変容する。言語は常に雑種的であり、純粋で孤立した言語などはありえず、国語(日本語、フランス語、等々)は虚構である。」(pp.259-260)


UP:20050112
多文化主義/多言語主義  ◇BOOK
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