『社会福祉のパラダイム転換――政策と理論』
古川 孝順 19970405 有斐閣，318p.
last update:20111025
■古川 孝順 19970405 『社会福祉のパラダイム転換――政策と理論』，有斐閣，318p. ISBN-10:464107593X ISBN-13:978-4641075931 \3990 [amazon]／[kinokuniya] ※ wp a06h n07 r08 a02i g03
■内容
内容（「MARC」データベースより）
社会福祉にとっての20世紀は、その必要性を論証し、国家社会に制度を具体化させる運動を展開する時代であった。その社会福祉のありようが今、岐路に立っている。転換期にある社会福祉のありようと今後の方向性を論ずる。
■目次
はしがき
第1章 戦後社会福祉学の展開と課題
はじめに
一 戦後社会福祉研究の系譜
1 政策論の形成
2 技術論と固有論
3 運動論への展開
4 経営論の提起
二 戦後社会福祉研究の評価
1 社会福祉研究の視座
2 社会福祉の主体化
3 社会福祉経営論の効用と限界
4 戦後社会福祉研究の継承
三 社会福祉学の視座と枠組
1 社会福祉学の性格
2 社会福祉学の方法
3 社会福祉学の枠組
4 社会福祉学の構成
四 社会福祉学のこれからの課題
1 多元主義社会の社会福祉
2 社会福祉の多元主義化と地域自治型への転換
3 社会福祉学の政策科学的役割
4 社会福祉像の再構成
第2章 戦後福祉改革――その背景と意義
はじめに
一 課題と方法
二 GHQの対日福祉政策
1 GHQの福祉関連指令
2 SCAPIN七七五「社会救済」
三 GHQ三原則の源流
1 連邦緊急救済法
2 連邦緊急救済法とGHQ三原則
四 対日福祉政策の課題
1 無差別平等の原則
2 公的責任の原則
3 最低生活費保障の原則
4 専門職任用の原則
五 対日福祉政策の変容
1 無差別平等原則の具体化
2 国家責任原則の具体化
3 最低生活費保障原則の具体化
4 公私分離原則の具体化
5 専門職任用原則の具体化
第3章 戦後社会福祉政策・制度のパラダイム転換
はじめに
一 パラダイム転換の基本的方向
1 社会保障制度審議会勧告
2 福祉関係三審議会企画分科会意見具申
3 老人保健福祉審議会中間報告
4 社会福祉事業法第三条改正
二 パラダイム転換の諸相
1 八〇年代福祉改革の諸相
2 堀教授によるパラダイム転換の整理
3 パラダイム転換の意味
三 パラダイム転換の背景
1 パラダイム転換の諸要因
2 新保守主義の興隆
3 冷戦構造の終焉
四 パラダイム転換のダイナミズム
1 八〇年代福祉改革論の整理
2 新藤教授のパラダイム転換論
3 パラダイム転換論の再整理
五 自治型社会福祉のパラダイム
1 自治型社会福祉のアウトライン
2 国家責任と生存権保障
3 分権と自治
4 公的責任の再定義
5 利用者主体の視点
6 新しい利用決定方式
7 原点に立つ構想
第4章 社会福祉の公民関係再考――一九世紀末・二十世紀初頭のアメリカを素材に
はじめに
一 問題の所在と構造
1 公民関係の発展――定説的理解
2 福祉多元主義
3 供給体制の再編成
4 公と民――用語の限定
二 公民関係の展開
1 公民関係論のスタンス
2 アメリカ公的福祉史素描
3 公民各種施設および活動の相互関係
三 公民関係の再評価
1 論点1 COSによる公的救済批判
2 論点2 セツルメント・ハウス運動の意義
3 論点3 共済団体の意義と限界
4 論点4 社会福祉行政への貢献
5 論点5 社会福祉行政の多次元的構造
6 論点6 社会保障法以降
四 結論――若干の教訓
1 民間セクターの意義と限界
2 民間セクターの自主・自律性
3 公的セクターの多次元的構造
4 地域間格差と最低限保障
5 公設公営型責任体制から運営管理型責任体制へ
第5章 地域福祉型社会福祉の展開
はじめに
一 地域福祉の新段階
1 八〇年代福祉改革とその所産
2 「自治型地域福祉」概念の提起
3 地域福祉概念の転換
二 福祉行政の再編成――分権化と住民参加
1 分権化の過程
2 住民参加の意義と形態
三 供給システムの多元化
1 多元化の契機と展開
2 多元化の類型的整理
四 供給システムと利用システム
1 利用者主体の社会福祉
2 利用システムの視点
3 利用支援機関の創設
第6章 社会福祉施設改革の視点と課題
一 社会福祉改革の基本的視点
1 自立生活の支援
2 生活の「量」から「質」へ
3 市民権的・自由権的諸権利の再確認
4 ポスト・ノーマライゼーションの思想
5 自治型の社会福祉
6 市民主体の社会福祉
二 社会福祉の転換と社会福祉施設
1 市町村化と社会福祉施設
2 広域型から地域型へ
3 機能拡張型から地域ニーズ充足型へ
4 施設体系の再編成――総合化と専門化
5 居住型施設のノーマライゼーション
6 財政問題――経営の透明化
7 社会福祉施設計画の策定
三 養護施設改革の戦略
1 施設体系改革構想
2 養護施設の経営基盤
3 養護サービスのアウトプット
4 連携・調整と計画化
第7章 公的介護保険構想の争点――マンパワーの問題を中心に
はじめに
一 問題の所在
1 保険者＝市町村の抵抗
2 不十分な整備基盤
3 脆弱な社会福祉の専門職制・専門性
二 人材養成確保プログラム
1 介護サービスの要因システム
2 福祉人材養成確保対策
3 人材の適正配置
三 社会福祉の専門職性
1 社会福祉と関連領域
2 要介護性の社会的レベル
3 社会福祉固有の視点
四 社会福祉専門職の養成と専門職市場
1 専門職養成プログラムの拡大
2 専門職市場の改善
3 研究・教育者の養成と確保
第8章 社会福祉研究のパラダイム転換
一 課題の設定
1 社会福祉の分権化・地域化・国際化と社会福祉の理論
2 一般理論再構成の要請
二 転換期の時代と社会
1 八〇年代の意義
2 ナショナリゼーションと同質――依存社会の終焉
3 グローバリゼーションと異質――共生社会化
4 コミュナリゼーションと自立――協同社会化
三 社会福祉政策・制度のパラダイム転換
1 パラダイム転換論の類型
2 国家制御‐公設公営主義パラダイム
3 日本型福祉社会‐新保守主義パラダイム
4 統制型分権――自助民活主義パラダイム
5 自治型分権――福祉多元主義パラダイム
四 社会福祉における自治体の位置と政策循環
1 社会福祉における国・都道府県・市町村
2 政策循環の逆転
五 社会福祉における政府・政策概念
1 政府概念の再構成
2 政策概念の再構成
六 社会福祉における市民活動と自治体政策
1 住民自治と団体自治
2 市民活動と自治体政策
七 社会福祉運営システムの視点とその構造
1 社会福祉システムの三相構造
2 社会福祉運営システムの内部構造
3 社会福祉運営の原理と原則
八 社会福祉学固有の視点
1 現代社会のシステム構成
2 社会福祉学固有の視点（1）――マクロの固有性
3 社会福祉学固有の視点（2）――ミクロの固有性
九 福祉社会システムの視点と研究の枠組
1 福祉社会システムの視点
2 福祉社会システム研究の枠組
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：樋口 也寸志