『共生の方へ』
栗原 彬 編 19970330 弘文堂,349p.
■栗原 彬 編 19970330 『共生の方へ』(講座 差別の社会学 4),弘文堂,349p. ISBN-10: 4335501544 ISBN-13: 978-4335501548 \3675 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
「BOOK」データベースより
本書は、差別と共生という視角から現代社会の読解という課題に立ち向う。
「MARC」データベースより
変容の次元に差異はあるが、世界は構造的な変容を共時的、連動的に経験しつつある。では、どこからどこへ。差別と共生という視角から現代社会の読解に立ち向かう一連の講座の完結篇。
■目次
共生ということ(栗原 彬)
差異の銀河へ(見田 宗介)
「共生」の事実と規範(川本 隆史)
◇《いのちのケア》に向かって
一 「共生」との出会い――ある読書会での出来事
二 「共生」の規範をめぐって――会話か反差別か
三 《いのちのケア》の構想――こころ・記憶・制度
差別のダブルバインドを解く(杉山 あかし)
一 社会的カテゴリー
二 社会的カテゴリーは、どこにあるのか?
三 社会的カテゴリーは、どういうモノなのか
四 差別のダブルバインド
五 差別のダブルバインドを解く
言語・差異・接触(西江 雅之)
サブカルチャーと差異をめぐる政治(吉見 俊哉)
◇文化研究をめぐって
一 大衆文化/サブカルチャーをめぐる問い
二 〈野郎ども〉の文化における自由と従属
三 サブカルチュラルなスタイルと差異の政治
四 若者文化論からサブカルチャーの政治学へ
相生としてのデザイン(川崎 和男)
◇ノーマリゼーションとは何か
一 共生・原意記憶の喪失
二 生物学的な共生・術語原意の確認
三 共生の幻影から解放されるために・相生を提案
四 相生と相克、対位的な発想
五 ノーマリゼーション
六 相生してのデザイン
半歩踏み出す身振りの技化(齋藤 孝)
◇語るスタンスから動くスタンスへ
一 はじめに――スタンス・身体・文体(スタイル)
二 怒れる市民への成熟――公憤の技化への意志
三 半歩踏み出す身振りの技化――出る杭を打っているのは誰か
四 おわりにそして――、表現へ
終わった後に始まること(鈴木 了二)
◇「空洞建築史・断章」ルイス・カーンの場合
一 「インターナショナル・スタイル」
二 「難民建築」
三 「砂漠」
四 「空隙」
「日本国家」への視座(網野 善彦)
一 はじめに
二 列島社会の地域差
三 日本国の成立と列島社会
四 14世紀の転換
五 むすび
「たのしい記号」からの眺め(黒川 創)
◇文学は「差別」をどうとらえられるのか
一 文学の言葉の「内」と「外」
二 「倍音」の響きから
三 「孤独」について
四 砂まじりの立場
ボランティアの挽歌(森反 章夫)
一 ボランティアの曖昧な消滅
二 おくれてきたボランティア実践のなかで――ボランティア経験の水準
三 ボランティア規範とのたたかい
産業社会とコモンズ(中村 達也)
いじめの政治学(中井 久夫)
震災の中の「差別」と「共生」(大畑 裕嗣)
◇関東大震災と阪神大震災の事例から
一 はじめに
二 関東大震災下における「差別」――メディアの言説
三 関東大震災下における「共生」?――朝鮮人を「助けた」日本人
四 阪神大震災下における「差別」
五 阪神大震災下の「共生」――南駒栄テント村の事例
六 おわりに――「差別」のなかの「共生」、「共生」のなかの「差別」
阪神大震災下の差別と共生(今 防人)
一 生と死を分けるもの
二 差別の意味
三 共生の出現とその可能性
四 結論――誰の何が変わったのか? 共生の芽は本当に出てきたのか?
奄美は、よみがえるか(小谷 敏)
◇地域社会における差別と共生
一 マージナリティと孤立性
二 異民族支配と民衆の「解放」――軍政下の奄美
三 「奄振」という怪物――復帰後の奄美
四 奄美はよみがえるか――共生への遙かなる道のり
共生社会の構成に向けて(矢澤 修次郎)
一 はじめに
二 情報社会の構造
三 共生社会構成の根拠
四 共生社会の諸要因
五 結論――社会運動
アジア世界における共生のかたち(中村 尚司)
一 はじめに
二 火の使用と関係性の創出
三 共生と交易
四 人間が同伴する商品交換
五 アジアの共生と越境する工作者
アジア型ネットワーキング(田村 智子)
◇サルヴォーダヤ運動を手がかりに
一 はじめに
二 サルヴォーダヤ運動とは
三 マーガンマナ村の自立への試み
四 サルヴォーダヤ運動の広がり
五 今後の課題
アイヌにおける差別と共生(計良 光範)
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治