『堂々たる寝たきり――虎五郎と多々羅教授の老年心理学』

私たちがいかに高齢者の心に無知か、どれほどお年寄りの心を誤解し悲しませていたことか。老いと老人と自分の人生について、じっくり考えさせられる、不思議な本。〈ソフトカバー〉

虎五郎の自己紹介
多々羅教授の自己紹介

第1章 赤ちんの恐怖――虎五郎と生きがい
あな かひなのわざや
1 生きがいの語源―竹取物語から
2 反社会的生きがい
3 もろい生きがい
4 心の中の生きがい
5 思い出が生きがい

第2章 口達者でからだ動かず――虎五郎と頭の良し悪し
充分待ってパッと駆け出す老人
1 頭の良し悪し
2 良し悪しよりも個性
3 言語性知能と動作性知能
4 言語性知能の発達
5 低下する動作性知能
6 知能低下は神話

第3章 神様のイタズラかい？――虎五郎と老化性痴呆
ストレスなくしてボケ予防
1 ボケと痴呆のちがい
2 どんな疾患なのか
3 痴呆に至る大きな二つの疾患
4 遺伝するのか？ 発症率は？ 発症年齢は？
5 なんとか防ぐ手は？
6 痴呆症の早期発見は？
シルバーパークはいかが？
1 徘徊への対応――人間要因のたいせつさ
2 異食――赤ちゃんへの対応を参考に

第4章 逃げるおばあさん、追いかけるおじいさん――虎五郎とセクシュアリティ
からだをかけめぐる熱い血
1 高齢者の性的能力
2 男性の性的能力
3 女性の性的能力
4 逃げるおばあさん、追いかけるおじいさん
5 男女間のギャップをうめるには？
6 たいせつな配偶者
7 セクシュアリティとしてのセックス
8 性と死

第5章 オレたちにゃ今日がある――虎五郎と長寿願望
バーンアウトしたくない
1 長寿を望む二つの動機
2 未来にひきつけられた長寿願望
3 未来を避けるための長寿願望
4 長生きを拒む人
5 長生きが眼中にない人

第6章 すまねェが長生きさしてもらうよ――虎五郎とポックリ願望
浦島太郎の慈悲
1 参詣動機調査の結果
2 ポックリ願望は生の願望
3 ポックリへの現実的努力
4 現在に生きる

あとがきにかえて