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『アメリカという記憶――ベトナム戦争、エイズ、記念碑的表象』

Sturken, Marita 1997 Tangled Memories: the Vietnam War, the Aids Epidemic and the Politics of Remembering University of California Press  =20041110,岩崎 稔・杉山 茂・千田 有紀・高橋 明史・平山 陽洋 訳,未來社,506p.

last update:20130923

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■Sturken, Marita 1997 Tangled Memories: the Vietnam War, the Aids Epidemic and the Politics of Remembering University of California Press  =20041110,岩崎 稔・杉山 茂・千田 有紀・高橋 明史・平山 陽洋 訳,『アメリカという記憶――ベトナム戦争、エイズ、記念碑的表象』,未來社,506p.  ISBN-10: 462411177X ISBN-13: 978-4624111779 \3800+税  [amazon][kinokuniya] ※

■内容

トラウマを残す大事件が国民的記憶として定着するさいに映像が果たす役割について、ケネディ大統領暗殺事件の映像(「ザプルーダーフィルム」)、 生放送されたチャレンジャー号の爆発、ロサンゼルス暴動を誘発したロドニー・キング殴打事件のビデオを例にとって論じ、 その後ベトナム戦争記念碑のデザインをめぐる論争をたどりながら、出来事の表象の仕方と記憶の関係について論じる。また、歴史とドラマをだきあわせて作る 「ドキュドラマ」が、史実と個人の記憶をいかに統合していくかという問題について、『プラトーン』をはじめとする膨大な数のベトナム戦争映画を例にとって論じる。 その後、エイズの流行がアメリカ社会にあたえた影響と、エイズをめぐる文化的記憶の生産が記念碑、アート、 運動などを通じておこなわれているということをエイズ・メモリアル・キルトを例として論じる。 また、エイズをめぐって繰り広げられた生物医学的説明が免疫学と関係していたことから、免疫学は戦争のイメージで構成されており、 免疫システムを表現するときに軍事的メタファーが使われ他者恐怖観念を助長する働きをしたことを指摘している。多くの記憶論と膨大な映像記録などを参照しながら、 集合的記憶と国民的アイデンティティの問題について、精緻に分析する。9・11事件に関するエッセイを増補。

■目次

日本語版序文

序章
文化的記憶
記憶と忘却
記憶のテクノロジー
文化的記憶と国民
ベトナム戦争とエイズの流行
ポストモダンの記憶――想起と再現

第一章 カメラ・イメージ、国民としての意味
イメージを記憶する
ザプルーターフィルム――静止画像から再演へ
チャレンジャー号の爆発――テレビと覗き趣味
ロドニー・キングのビデオ――再演とその問題
過去の再演、国民的な意味

第二章 壁と隠蔽記憶――ベトナム戦争記念碑
ベトナム戦争記念碑の位置
恥辱の黒い傷あと
名前
ベトナム帰還兵――永遠の兵士
癒える傷
聖地としての記念碑
歴史を構築すること

第三章 歴史の再演と作成――ドキュドラマとしてのベトナム戦争
歴史の映像記録
戦争映画、映画の戦争
歩兵の戦争――ジャングルのなかの無垢な者たち
で、いったい誰の戦争なの? われわれの内輪もめのベトナム戦争
父親、息子、男、機械
「本当の世界」に関する疑問――人種の再発明
帰還兵を書きなおす――その余波を通してベトナム戦争を語りなおす
記念碑(メモリアル)としての映画

第四章 記憶のスペクタクルと忘却――湾岸戦争を思い出すこと
テレビ映像――即時性とヴァーチャル性
イメージ・イコン
身体を思い出さないようにすること
映像が歴史となる――テレビと映画の記憶
テレビと国民
黄色いリボンの国民化
文化的記憶と湾岸戦争症候群

第五章 エイズと表象の政治
汚辱の形象
エイズの形象――引き裂かれたコミュニティ
わたしは犠牲者ではない
エイズのロマン化
キッチュとしてのエイズ
エイズの文化的記憶
エイズのアメリカ化

第六章 死者との対話――証言としてのエイズ・メモリアル・キルト
起源の物語
死者を名指すこと
キルトと民衆芸術
戦争記念としてのエイズ・キルト
死者の位置づけ――死者の肉体
哀悼のプロセス――死者のため? 生き残った者のため?
女性の仕事と男性の悲しみ――エイズ・キルトとジェンダーの政治学(ポリティクス)
帰属と所有
エイズ・キルトの商業化
エイズ・キルトと国民
アーカイブと歴史の構築

第七章 記憶を担い表現する身体――免疫システムとHIV
免疫システム――自己を想起する
免疫システムとHIV――戦争とテロリズム
さまざまな風景と身体のフロンティア――免疫システムの視覚的イメージ
記憶の場としての免疫システム
HIV――よそよそしい忘却のエージェント
文化的記憶と免疫システム

増補エッセイ 欠如を記憶する――9・11につづく出来事に関する考察

原註
あとがき
訳者あとがき

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP: 20130923 REV:
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