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『構成的権力――近代のオルタナティブ』

Negri, Antonio 1997 Le pouvoir constituant : essai sur les alternatives de la modernite,Presses Universitaires de France,456p.
=19990615 斉藤 悦則・杉村 昌昭 訳,松籟社,513p.

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last update:20150914

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Negri, Antonio 1997 Le pouvoir constituant : essai sur les alternatives de la modernite,Presses Universitaires de France,456p. =19990615 斉藤 悦則・杉村 昌昭 訳 『構成的権力――近代のオルタナティブ』,松籟社,513p. ISBN-10:4879842087 ISBN-13:978-4879842084  4800+ [amazon][kinokuniya] ※ dg01. mk17. fm05.p.

■内容

マキアヴェリ、スピノザ、マルクス、レーニン…ドゥルーズ/ガタリ…そしてヨーロッパ、アメリカ…横断する力の思想史。

■目次

第1章 構成的権力――危機の概念
 1 構成的権力の法的概念について
   構成的権力の法的プロブレマティック――構成的権力……解きがたい危機の概念か?――構成的権力をコントロールする方角の企図――
   法の超越的源泉としての構成的権力……イェリネックとケルゼン――法の内在的源泉としての構成的権力……ラサールからロールズまで――
   構成的権力の非合理性の激化……ウェーバーとシュミット――法的制度主義における法の共外延的源泉としての構成的権力――
   構成的権力に抗する立憲主義――構成的権力という概念のプロブレマティックのラディカル性――偽の問題……構成的権力と代表制
 2 絶対的手続き、憲法、革命
   構成的権力と主権――否定的思想のオルタナティブ――ハンナ・アレントにおける構成的原理――ハンア・アレントの原理からの偏流――
   大西洋主義と立憲主義のあいだ――ユルゲン・ハーバーマスの返答――主権の詭弁のなかにおける存在論敵原理のラディカル性――
   主権に抗する構成的権力――構成的権力と民主主義――絶対的手続きとしての構成的権力――スピノザから想起されるもの
 3 主体の構造について
   「適応主体」の問題――国民、民衆、社会学的行為者……――総称的参照基準を超えて――フーコー……再構築のための方法論――
   マキアヴェリ=スピノザ=マルクスの系統……全体性に対する絶対性――主体の時間性――マルクスにおける政治的主体の構築――
   生きた労働と構成的権力……形而上学的図案――探求プラン
第2章 「力量」と運――マキアヴェリ的パラダイム
 1 時間の論理と『君主論』の優柔不断
   変動としての真理――武力と系統としての真理――存在論敵時間と構成としての真理――マキアヴェリとヴァレンチの公爵――
   経験から理論へ……ローマの例――ローマの宮廷――『君主論』の決断――『君主論』の限界、あるいは形式的原理としての君主――
   『君主論』第1章〜第11章――構成的原理の掘り下げ――構成的原理の未完成――『君主論』第12章〜第19章――構成的原理の危機――
   『君主論』第20章〜第26章――『君主論』の優柔不断
 2 絶対的統治としての民主主義とルネサンスの改革
   『君主論』と『政治論』の相互依存……『政治論』第1巻、1章〜18章――ポリュピオスと分離の原理のあいだ――
   構成的権力と「民衆制度」……『政治論』のなかの『君主論』――『政治論』第1巻、16章〜20章――民主主義の予言者マキアヴェリ――
   真理としての多数性――『政略論』第2巻……「力量」の方法、「力量」と運の弁証法――集合的主体としての「力量」――
   集合的主体のアポリア――『政略論』第3巻……絶対的統治としての民主主義――否定的モデル――ルネサンスの改革――
   力の弁証法から情念の装置へ――「力量」、武力、貧しさ……欲望と愛――主体としての多数性
 3 構成的原理の批判的存在論
   論理の内在性と政治的諸原理――政治的なものの地域的存在論――『フィレンツェ史』……史的唯物論の創設――
   『フィレンツェ史』のテキストの作成と構成についての推測と仮説――『フィレンツェ史』……第5、第6、第7、第8巻――
   『フィレンツェ史』の第1巻、第4巻――構成的原理の批判的存在論――批判の分解と危機の定義――喜劇作品の傑作……『マンドラゴーラ』――
   批評作品の傑作……『戦術論』――神話的作品の傑作……『カストルッチョ、カストラーニ伝』――「そして、わが破滅」
第3章 大西洋モデルと反権力思想
 1 変化と循環
   ルネサンス危機下の変化と革新=大きな物語――マキアヴェリ思想の移転――フランスのマキアヴェリズム――イギリスのマキアヴェリズム――
   ハリントン=共和国市民――『オシアナ』=立憲的企図――力量と腐敗――ポリュビオス再読=循環――構成的権力と循環――
   ハリントンとホッブズ――史的唯物論の再確認――構成的権力と「ゴチック的」構成
 2 ハリントン――反権力としての構成的権力
   オシアナの問題――生成期の資本主義に対する革命的オルタナティブ――近代性のオルタナティブ――構成的規範としての農地配分法――
   構造と上部構造――構成的権力の現実体としての武装せる土地保有者――古代の知恵と近代の知恵――『オシアナ・コモンウェルス』――
   反権力としての人民――主体としての多数性――反権力と抵抗権――構成的機会――ハリントンの近代性――ハリントンとスピノザ
 3 構成の原動力と立憲主義の障壁
   批判と限界――構成の原理から構成の機構へ……ハリントンの敗北――ハリントン思想の流れと多様な進化……反逆の理論――『立法術』――
   構成の原理の存在論的次元……敗北と潜伏のあいだで――民主主義の武器――立憲主義に対立するハリントン――
   イギリス・テルミドールと腐敗の構成――契約主義に対立する構成的権力

第4章 アメリカ憲法における政治的解放
 1 構成的権力と自由の「フロンティア」
   自由と自由の空間=フロンティア――民主主義の新概念=多数性の空間――革命期の構成意的権力論=ジョン・アダムズ――
   民主主義と「実質的代表」――アメリカ民主主義革命――民会[comitia]と民兵[militiae]=革命的構成的権力――
   ペインとジェファーソン――独立宣言と人権宣言――構成的創意――アメリカの新しい関係=進歩派と例外主義派――
   カール・マルクスの考え――構成的原理と自由の「第2の自然」
 2 ホモ・ポリティクス=政治的人間と共和国機構
   革命から構成へ……危機を免れて――『ザ・フェデラリスト』と憲法の政治学――構成的権力の改革――『ザ・フェデラリスト』のしごと――
   政治のヘゲモニーと民主主義――構成の有機性と社会の再構築――主権の再構成――権力の抽出――「混合政体」を超えて――
   民主主義の檻――力に対する権力――公共空間と政治的開放……ハンナ・アレントとハーバーマス再論――
   立憲メカニズムの権威主義的次元――システムの「精」――民主主義に対する共和国――『人権宣言』に反対――
   「暗黙の権力」の実践で消滅する構成的権力
 3 事変の危機と傾向の逆転
   パラダイム間の矛盾――アメリカにおける構成的権力の冒険の理論的遺産――トックヴィルと危機としての出来事――アメリカ憲法の分析――
   絶望した自由主義――限界点……J. C. カルフーン――絶対的原理としての構成的原理――構成的権力と永続革命――
   構成的権力を危機と見なす定義への3つの回答――ハミルトンと原理の弁証法的逆転――帝国主義のフロンティア――
   マディソンの多元主義――アメリカの構成的権力のラディカルな新しさ

第5章 革命と労働の構成
 1 ルソー主義の謎とサン・キュロットの時代
   大衆の時間性――新しい時間性の構成的権力――政治的なものから社会的なものへ――大衆のルソー主義――
   政治の時代から労働の時代へ――平等とは何か――ルソー……権力の基盤と分割――ルソー……一般意志と代表――
   ルソーのパラドキシカルな個人主義――ルソー主義の謎の実践的な解決……構成的主体の産出としての『人権宣言』――
   平等と差異――平等に反対する所有権――主権と差異――革命体験としての構成的権力――構成的主体と差異――ジャコバン主義の挫折
 2 労働の構成
   シエイエスと労働の構成――ハリントンの51%――イギリスの憲法に反対して――労働の代表――構成的権力の中立化――
   分業を代表する政府と国民の観念――構成的権力の限界再論――イギリス憲法の報復――シエイエス……近代的な労働概念――
   弁証法の傑作――マルクスと労働の構成の読み方――平等、政治的解放、および革命的実践――構成的主体の再構築――
   永続革命としての構成的権力――構成の時間と大衆の時間――時間性と主体性――国家のアンチテーゼとしての構成的権力――
   権力的過程にふさわしい主体
 3 革命を終える
   革命を終える、というスローガンの両義性――構成的原理の存在論的移転――動き出す反動……エドマンド・バーク――
   統計に反する自然――平等に反する物権――構成的原理の反動的存在論――民主主義とデマゴギー――革命に反対する革命的著作――
   革命に対する改良――バークの近代性――構成的権力とロマン主義のパラダイム――構成的権力と絶対精神の哲学――
   トックヴィルにおける構成的時間性――破局のしるしの下での時間性――構成的権力の悲劇的な読解――構成的権力の定義のための新しい土壌

第6章 共産主義の欲望と弁証法の復興
 1 革命的唯物論のなかにおける構成的権力
   構成的権力と近代資本主義――問題のマルクス的読解――蓄積、暴力、法……近代性の勝利の線――ホッブズ的マルクス――
   蓄積関係の構造的影響――規律的世界――協業、闘争、法……近代性における代案の線――敵対関係としての構成的権力――
   構成的主体の物質的構成――敵対の方法――形式的可能性から革命的闘争へ――構成的権力の現働態としての共産主義――
   構成的権力のダイナミズムと射程
 2 レーニンとソビエト――制度的妥協
   構成的権力とソビエト――レーニンによる評議会の実験の評価――構成的権力の独占的保持者としての党――
   現実との遭遇……1905年をめぐって――革命的ソビエト――労働者民主主義と制度的民主主義――
   党とソビエトとの関係の政治的あいまいさ――ソビエトのレーニン主義的選択――ローザ・ルクセンブルクとトロツキー……
   ソビエトをめぐって――1917年のレーニン主義的妥協――「4月テーゼ」――権力の二重性と革命的解決――
   高等な国家形態としてのソビエト――構成的権力と構成された権力――習得すべきものとしての構成的権力――
   運動はつねにみずからを乗り越えなければならない
 3 社会主義と企業
   「西欧人」レーニン――社会主義と企業――マックス・ウェーバーの批判――ローザ・ルクセンブルクの批判――
   民主主義的な構成的企図としての共産主義――サルトル的再構築――構成的権力のレーニン主義的概念の危機――
   構成的権力の共産主義的実践の不可逆性――結論あるいは再出発

第7章 力の構成
 1 「多数性と力」をめぐる問題
   古代における構成的権力の2つの持続性――マキアヴェリ、スピノザ、マルクス……形而上学的テーマとしての構成的権力――
   力の絶対的主体としての多数性――構成的権力の限界――ユダヤ・キリスト教的伝統、あるいは多数性の超越論的統一――
   自然法的伝統と前提の思想――超越論的観念論の伝統における力の無力化――多数性と力……近代のオルタナティブ
 2 構成的脱ユートピア
   構成的権力に抗する近代性――構成的権力の「空間的」閉じ込め――構成的時間の弁証法的封殺――
   別の空間、別の時間としての構成的権力――近代性というカテゴリーとの断絶としての構成的権力――
   構成的権力の危機から創造的危機としての構成的権力へ――マキアヴェリの読み手としてのグラムシ――
   構成的脱ユートピアの形態と問題――脱ユートピアと民主主義――スピノザならびに近代性のなかにおける脱ユートピアの過程
 3 近代性を超えて
   近代性に抗して――多数性への恐れとしての近代性――社会的なものと政治的なものの分離としての近代性――
   構成的権力の答え……社会的なものは政治的である――道具的合理性と個人主義を超えて――新しい合理性?――
   創造性対限界――手続き対機械――平等対特権――多数性対画一性――協業対指令――生きた労働、構成的権力……新しい存在論的現実――
   構成的権力と政治的なもののパラダイム――存在論的出発点としての構成的権力

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:奥坊 由起子
UP:20150914 REV:(更新した日付全て)
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