『福祉のまちづくりデザイン――阪神大震災からの検証』
田中 直人 19960830 学芸出版社,207p.
■田中 直人 19960830 『福祉のまちづくりデザイン――阪神大震災からの検証』,学芸出版社,207p. ISBN-10: 4761521554 ISBN-13: 978-4761521554 \2520 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
バリアフリー社会の都市・建築デザイン―震災を体験した障害者やボランティアの証言を踏まえ地域社会、各分野の専門家が価値観を共有し協力するためのプログラムづくりへ向けて提言する。
■目次
はじめに
第1章 福祉のまちづくりと阪神大震災
第1節 日本における福祉のまちづくりの展開と取り組み
1 福祉のまちづくりとは
2 福祉のまちづくりとを支える組織と流れ
3 国レベルの福祉のまちづくりの展開
4 自治体レベルの福祉のまちづくりの展開
5 長寿社会にむけた新たな福祉のまちづくりを求めて
第2節 阪神大震災における都市環境の変化
1 震災の傷痕から復興へ
2 震災の被害者の多くが高齢者
3 障害者支援グループによる救援活動
4 避難所の生活と問題点
5 仮設住宅の課題と改善提案
6 福祉のまちづくりの視点からの復興計画
7 これからの新たな福祉のまちづくりのパラダイムを求めて
第2章 福祉のまちづくりの検証―阪神大震災の証言と課題
第1節 人間の行動能力と環境変化
1 車いす使用者
2 杖使用者
3 視覚障害者
4 聴覚障害者
5 知的障害者
6 内部障害者
7 高齢者
8 子供
9 単身者と家族
第2節 生活拠点の状況
1 住宅のバリアフリー
2 住宅の構造
3 家具
4 ライフライン
5 非常時のあかり
6 風呂
7 トイレ
8 避難所
9 仮設住宅
10 集合住宅の再建
11 住宅情報
第3節 地域施設の状況
1 病院
2 福祉施設
3 行政施設
4 市場、商店街
5 公衆浴場
第4節 道路・公園の状況
1 道路の構造変化
2 バリアフリーの道路
3 道路上での活動
4 公園・避難広場
5 路地と広い道
第5節 交通機関の状況
1 都市の交通環境の変化
2 交通機関の被害と代替交通手段
3 アメニティターミナルの必要性
第6節 情報と救援体制
1 安否確認と救援体制
2 地域生活情報
第7節 地域社会と福祉の人材ネットワーク
1 地域の拠点づくり
2 自立障害者とボランティア
第3章 福祉のまちづくりへの提案
第1節 福祉のまちづくりの視点からの復興計画への提案
1 提案の前提となる基本的な考え方
2 復興計画への七つの提案
第2節 神戸市における福祉のまちづくりの実践例と課題
1 バリアフリーの基準による福祉のまちづくり
2 イベントによる福祉のまちづくり
3 臨海新開発における福祉のまちづくり
4 ニュータウンにおける福祉のまちづくり
5 既成市街地における福祉のまちづくり
6 神戸のまちづくりの特徴と福祉のまちづくりにおける課題
第3節 福祉のまちづくりデザインの展望と課題
資料編
1 「阪神大震災・障害者の声」アンケート調査
2 阪神・淡路大震災『復興計画』に関する要望書
3 神戸・バリアフリーのまちづくりコンクール(資料)
4 戦後の“福祉のまちづくり”年表
■引用
「震災により歩道の舗装は大きな被害を受けたが、バリアフリーのための点字ブロックの破断は逆に歩行上の大きなバリアを生み出した。緊急対応に追われる状況の中で、破損した歩道の点字ブロックは長く放置されていた。仮設的対応であっても、すべての人が通行できる対応措置が必要ではなかったかと思われる。」42
(聴覚障害者について)「避難所等における緊急物資の分配に際しても、放送だけでは当該者にとっては何のことか判断できず、他の人の行動の様子から推測せざるを得ない。せっかく人の後ろに列を作ってもらいに行っても手遅れという場合があったと聞く。もしまわりの人がこの人がこのような障害を持つ人であるとわかっていればどうか。そのことを本人に伝えることができたかもしれないし、かわりにもらいに行ったかもしれない。」46
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治