HOME > BOOK >

『「死の医学」への日記』

柳田 邦男 19960730 新潮社,363.

last update:20101108

このHP経由で購入すると寄付されます

■柳田 邦男 19960730 『「死の医学」への日記』,新潮社,363. ISBN-10:4103223111 ISBN-13: 978-4103223115 \1700 [amazon][kinokuniya] ※ c09

■内容

新潮社のページより
どうすれば自分らしく死んでいけるのか? 終末期医療の現在と未来を探り、「生と死」の思索へと至る。
末期に臨んで、人は自らの人生を完成させるべく、どのような死を創るべきなのか? また、死にゆく人を医療はどう支援すべきなのか? 終末期医療のあり方が問われる現在、現代医療は根源的な転換を迫られている。緩和ケア、インフォームド・コンセント、在宅ホスピス、尊厳死……。医療者と患者・家族が直面した身近な「生と死の物語」から、「死の医学」を探り当てた感動的なドキュメント。

◇Amazon.co.jpより
「死の医学」という言葉は、医学用語ではないのだそうだ。それは、自らもがんに倒れた精神科医、西川喜作氏と著者との交流の中から生まれてきた言葉であるという。
欧米に見られる「死学(サナトロジー)」に興味を抱いた西川医師は、それを参考に、より身近で実践的な臨床医学を構築したいと考えた。それが「患者が精神生活において最後まで生を全うできるように支援する」ための臨床医学、「死の医学」である。本書は、そうした西川医師の志しを受け継いだ著者が、末期がん患者への医療のあり方とその実際を、現場の医師や患者への取材を通じてまとめあげたものである。
とくに、がんと対峙しながらも前向きに人生を生ききった人々の姿は大きく胸を打つ。最後の写真集を完成させるために、治療の中断を選択した写真家。在宅ケアを選ぶことで、最後まで「主婦」の仕事を全うして逝った女性。本書に登場する彼らを通じて見えてくるものは、日本の現状は、著者の言うように「自分の死を創る時代」であるということだ。
なお、がん治療の現場への取材は、1970年代に発表された『ガン回廊の朝(あした)』以来の著者のライフワークでもある。西川医師との交流と、その闘病の記録は、本書の前編ともいえる『「死の医学」への序章』に詳しい。あわせて読まれるとよい。(中島正敏)

◇内容(「BOOK」データベースより)
 末期に臨んで、人は自らの人生を完成させるべく、どのような死を創るべきなのか?また、死にゆく人を医療はどう支援すべきなのか?終末期医療のあり方が問われる現在、現代医療は根源的な転換を迫られている。緩和ケア、インフォームド・コンセント、在宅ホスピス、尊厳死…。医療者と患者・家族が直面した身近な「生と死の物語」から、「死の医学」を探り当てた感動的なドキュメント。

■目次

T.心が解き放たれる時
 二重のカルテ 10
 涙による再生 17
U.生きるとは
 治療中断の決心 30
 人生への支援形 37
 面会室の小机 43
 生きている実感 50
 奇蹟がおこった 56
V.医学の再生
 痛みからの解放へ 64
 九六パーセントの効果 69
 クオリティ・オブ・ライフ 74
 わが子の死からの出発 80
 サイコオンコロジー事始め 85
 看護婦に何ができるか 91
W.知性の力
 友人の苦悩 98
 CT画像の影 104
 二つの絶対条件 109
 人生の短さ 115
 トンガリ帽子 120
 貴重な時間 126
 ワープロ 131
 ゲラで顔を覆いて 137
 知性の力 143
X.妻の在宅ホスピス
 妻の突然の末期ガン 150
 在宅ケアの模索 155
 主婦の矜持 161
 現実を受け容れて 167
 大いなる母 173
 会社か妻の介護か 178
 介護休職制度へ 184
 手づくりの膿盆 190
 デス・エデュケーション 196
 耳は聞こえてる 202
Y.死を創る時代
 自分の死を創る時代 210
 シンクロニシティ 216
 四十人に手紙を 221
 大学病院とは 227
 看護学生たちの祈り 232
 死闘のなかでの告知 237
Z.緩和ケアが拓く生
 暗黒大陸のガン 248
 告知の困難 254
 術中照射 258
 バイパス 263
 家に帰れた 268
 ハナモモ 273
[.究極のクオリティ・オブ・ライフ
 「安楽死」事件 280
 他人の痛みは何年でも 284
 医師の「気づき」の瞬間 290
 病院長がガンに 297
 きびしい予後の告知 301
 愛馬バレンタィン号 306
 男のモニュメンタリズム 312
\.転換期の真只中で
 風のなかの声 322
 「生と死」の現実 328
 地域システムづくり 336
 尊厳死の文脈 342
 新しい風 347
あとがき 356

■引用


■書評・紹介


■言及


*作成:青木 千帆子
UP:20101108 REV:

がん(癌・ガン) 身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)