HOME > BOOK >

『フーコー――知と権力』

桜井 哲夫 199606 講談社,341p.


このHP経由で購入すると寄付されます

■桜井 哲夫 199606 『フーコー――知と権力』,講談社,341p. ISBN-10: 4062659263 ISBN-13: 978-4062659260 [amazon][kinokuniya]→20030610,【新装版】 ISBN-10: 4062743531 ISBN-13: 978-4062743532 \1575 [amazon][kinokuniya] 0206

■内容(「MARC」データベースより)

日常に浸透し、われわれを拘束してくる権力の起源は、どこにあるのか。

●フーコー(Michel Foucault 1926-1984)
フランスの哲学者、思想史家、コレージュ・ド・フランス教授。高等師範学校では哲学、のち心理学、精神医学を修める。近代以来の人間中心主義に疑問を呈し、構造論的な手法による歴史の分析をとおして、西欧的人間像の系譜を明らかにした。著書に『狂気の歴史』『言葉と物』『監獄の誕生』『性の歴史』など。

知と権力(savoir et pouvoir)
「権力」とは、“支配──被支配”という二項図式ではたらくのではなく、たえずどこででも生産されるものである。日常のなかに浸透し人々をひそかに動かす「知」の様式にむけられたフーコーの視線は、近代の自己規律的理性が、自発的に権力に服従するという逆説を明らかにする。それは「知」に内在する「権力」の働きの解明であると同時に、近代理性への根本的反省をうながしている。

知の冒険者たちの思想と人間ドラマを説く『現代思想の冒険者たち』に待望の軽装版が登場!

日常を支配する「管理」のまなざし

狂気の歴史、監視と規律の装置

「権力」とは“支配――被支配”という二項図式ではたらくのではなく、たえずどこででも生産されるものである。日常のなかに浸透し人々をひそかに動かす「知」の様式にむけられたフーコーの視線は、近代の自己規律的理性が、自発的に権力に服従するという逆説を明らかにする。それは「知」に内在する「権力」の働きの解明であると同時に、近代理性への根本的反省をうながしている。

付・著作ダイジェスト、キーワード解説
現代思想の二重遭難者たち――いしいひさいち

内容(「BOOK」データベースより)
「権力」とは“支配―被支配”という二項図式ではたらくのではなく、たえずどこででも生産されるものである。日常のなかに浸透し人々をひそかに動かす「知」の様式にむけられたフーコーの視線は、近代の自己規律的理性が、自発的に権力に服従するという逆説を明らかにする。それは「知」に内在する「権力」の働きの解明であると同時に、近代理性への根本的反省をうながしている。

■著者紹介

1949年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は社会学。東京経済大学助教授を経て、現在は教授。近・現代の歴史や思想・文化をめぐり活発な評論活動を展開する。著書に『メシアニズムの終焉』(筑摩書房)『近代の意味』(NHKブックス)『可能性としての「戦後」』(講談社選書メチエ)『TV──魔法のメディア』(ちくま新書)ほか多数。

■引用

「このようなフーコーの記述から、多くの論者は支配階級のイデオロギーを下部構造との関連において発見し、その虚偽性を批判しようとするマルクス主義的なイデオロギー論を想起した。フーコーが近代立憲主義を支配階級のイデオロギーとして捉えていることを指摘した人々は、法的思考枠組みが現実の身体的権力を覆い隠す役割を果たしてきたとする彼の歴史認識を批判の中心に据えた(25)。法の排除論を提起した人々は、この「法=イデオロギー」論を取り込むことで、フーコーと法との間に乗り越え難い「断絶」をつくりあげようとしたのである。しかしながら、このような批判は簡単な誤解と根深い偏見のうちに生み出されたものである。フーコーとアルチュセールのようなマルクス主義者との関係を指摘する研究も存在しているが(26)、フーコー自身は基本的に「イデオロギー」や「抑圧」といったマルクス主義の概念に対して批判的であり、そうした概念を基礎に思索を構成したとは考えられない(27)。そして、前述した通り、彼は「法」を単なる規律権力への「覆い」として理解する立場を離れ、近代社会の権力を構成するもう一方の還元不可能な要素として認識している(28)。法的権力として表象された「法」は、それ自体として私たちの現実的行為と結び付いた思考枠組みを産出しているのである(29)。このような議論の帰結として、フーコーを規律権力中心主義に位置付けるのは不可能であろう。」(pp.144-145)

「(27) Foucault [1977a] pp.146-149(八三-八六頁)。「イデオロギー」という概念を用いようとしない理由として、フーコーは次の三つを挙げている。@イデオロギーは常に「真理」と潜在的に対置されている。Aイデオロギーの観念は、必ず「主体」に準拠している。Bイデオロギーは、その下部構造に対して一歩退いた位置にある。」

■紹介・言及

◇橋口 昌治 20090910 「格差・貧困に関する本の紹介」立岩 真也村上 慎司橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 \2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.


UP:20090816 REV:0826
ミシェル・フーコー Michel Foucault   ◇格差・貧困に関する本の紹介  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME(http://www.arsvi.com)