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『片づけられない人のための仕事の本』

Weiss, Lynn 19960428 A.D.D. on the Job: Making Your A.D.D. Work for You, Taylor Publishing Company, 232p.
=20020920 ニキリンコ 訳,WAVE出版,483p.


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■Weiss, Lynn 19960428 A.D.D. on the Job: Making Your A.D.D. Work for You, Taylor Publishing Company, 232p. =20020920 ニキリンコ 訳 『片づけられない人のための仕事の本』,WAVE出版,483p. ISBN-10: 4872901290 ISBN-13: 978-4872901290 \1575 [amazon][kinokuniya]

■内容
「BOOK」データベースより

あなたは仕事がデキナイ人じゃない!ただ自分の特性を知らないだけ。全く新しいADD/ADHDのための実践的アドバイス。

「MARC」データベースより

「せっかちな割に、とりかかりが遅い」「情熱はあるのに、詰めが甘い」「思いつきだけで、飽きっぽい」と悩んできたADD(注意欠陥障害)患者に贈る実践的アドバイス。仕事がデキナイと嘆く前に自分の特性を知るための本。

From Booklist

Attention deficit disorder (ADD) is described by the author as a distinctive "flavor" or style of brain organization that favors creativity and simultaneous multilevel processing over linear, detailed-oriented thought. It is a genetic trait, something you are rather than something you "have" in the sense of a disease. Being ADD herself, the author shows ADD people how to identify their type of ADD and what difficulties each type has in the workplace and then suggests ways to solve their problems. This is a valuable book for anyone with ADD or related to an ADD person. In light of the fact that ADD does not necessarily go away in adolescence and that many adults are challenged by ADD, this book is a positive and instructive review of important issues. For corporations' training programs, the author suggests that ADD be considered in the same way as drug and alcohol abuse; managers should be trained to spot ADD-type behavior and manage those employees for positive results for both the individual and the company. This is an uplifting and thoughtful perspective on a common problem, and the book will find a wide audience. Mary Whaley

Product Description

With more than 10% of the adult population in the U.S. having Attention Deficit Disorder, this phenomenon affects almost every workplace in America. Now, the bestselling author of Attention Deficit Disorder in Adults explains how people with A.D.D. can actually use aspects of their behavior to their advantage.

■目次 ■引用

ADDって本当は何?

 最新の脳科学の成果によれば、ADDとは、特有の「芸風」のようなもの。脳の作業スタイルの一種だという。細部を大事にする直接思考よりも、創造性やアドリブ、同時進行作業などの方面に偏った作業スタイルだおいう。

 この偏りは、生物学的、神経学的なちがいに由来する。遺伝子によって決まる特質の一つだから、目の色や絵のうまさなどと同様、親から子へと伝えられる。ADDをもって生まれてくるかどうかは、本人の意思とは関係がない。自分の意思では身長や目の色を変えられないのと同じことだ。

 そんなADDだが、社会の中での扱われかたも、記述されかたも、時代とともに大きく揺れ動いている。

 何百年も前には、人が「秩序」に合わせなくてはならない機会などめったになかった。社会にも、脳の配線がADD的にできている人々が腕をふるい、認めてもらえる場所はいくらでもあった。ところが、文明が工業化の道をたどるようになると、ADD的特徴が薄い脳の持ち主たち、もっと直線思考に向いた設計の人たちほど力を握りやすく、人の上に立つチャンスに恵まれるようになる。さまざまなシステムは複雑化し、そこらじゅうで整理整頓や計画性、時間厳守が求められるようになり、細部に注意を払う力、断片的な情報を暗記する力が重んじられるようになった。

 日々の生活の中で実用的な知恵を学ぶ機会は減り、手で学ぶ徒弟制度はすたれ、学校教育がとって代わった。触りながら学ぶスタイルよりも、一方通行の情報を覚えるスタイルの方が重視されるようになった。これだと直線思考設計の生徒たちの方が有利になり、ADD特性の濃い子どもたちと薄い子どもたちの差はどんどん広がっていく。

 そのうち、最初は単なる「別のスタイル」でしかなかったものに、優劣の価値判断がついてまわるようになる。ADDに不名誉な烙印を押したのは、今の制度を作った人々、今の制度にぴったり合う人々、自分たちと似ていない人がいれば「おかしい」と考える人々だった。最初の烙印は、道徳的な意味合いの強いものだった。おとなしくて、集中することができない人々は、「怠け者」え、「思いやりの足りない」、「悪い」人間と責められることになった。

 その後、人間の行動についての研究が進むにつれ、医学的な解釈が道徳的な解釈にとって代わることになる。まわりとちがう人たちは、今度は「障害(disorder)」を示す名で呼ばれるようになった。「本人たちのせいじゃないんですよ」と科学者たちは言う。「わざと怠けているわけでもなければ、わざと人に冷たくしてるわけでもなかったんです。これは医学的な障害なんですから」

 こうして生まれたのが、「注意欠陥障害(Attention Deficit Disorder,略称ADD)という用語だった。米国精神医学界が発行している診断統計マニュアルの第四版(この版ではADDが大人にもあることが認められた)では、ADDでは「注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder,略称ADHD)」という名前で掲載されている。一くくりにADDと呼ばれていたころよりも、多動性と衝動性があるかによって、さらに詳しく分けることになっている。
 しかし、臨床現場での理解の進歩と、専門科向けのマニュアルの発刊との間には、常に時間差があるものだ。ADDを理解する上では、ますます有効な考えかたが生まれるだろうし、ADDの概念も休むことなく進歩していくにちがいない。(pp. 26-8)

■書評・紹介

■言及



*作成:三野 宏治
UP: 20100308 REV:
ADHD(注意欠陥・多動性障害)/ADD(注意欠陥障害)  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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