『社会学のエッセンス――世の中のしくみを見ぬく』
友枝 敏雄・竹沢 尚一郎・正村 俊之・坂本 佳鶴惠 19960401 有斐閣,284p.
last update:20110906
■友枝 敏雄・竹沢 尚一郎・正村 俊之・坂本 佳鶴惠 19960401 『社会学のエッセンス――世の中のしくみを見ぬく』,有斐閣,284p. ISBN-10:4641120064 ISBN-13:978-4641120068 \1890 [amazon]/[kinokuniya] ※ s mm07 m34 f03 c07 s03 gj01
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
本書は社会学に初めてふれる若い人を読者としてつくられた「だれにでもわかる理論社会学入門」です。社会学は「常識的な見方」を超えて、現実の背後にあるものを解明する学問です。この本では、あなたの身近な社会現象を素材に、社会学の基本タームのもつ「分析のための道具」としてのパワーを紹介しています。
内容(「MARC」データベースより)
なぜいじめが発生するのか? 子供を持たない夫婦が増加するのはなぜ? 電子メディアの登場で社会はどうなる? さまざまな現象を科学的に説明する社会学の入門書。〈ソフトカバー〉
■目次
第T部 行為の分析
第1章 意味と相互主観性――私からあなたへ、あなたから私へ
わかりあえるということ
ヒトという動物のユニークさ
言葉の2つの側面
だまし絵
理解のズレ
連想ゲーム
ステレオタイプ化された見方
聖なる空間と俗なる空間
意味は社会の中でどのように作用しているか
新しい意味の生成
相互主観性について
サマリー&文献
第2章 アイデンティティ――私が私であること
いくつあてはまりますか
どう生きるのか
青年期の自分捜し
「私」って何?
アイデンティティと社会とのかかわり
近代社会とアイデンティティ
第3章 スティグマ――他者への烙印
ガイジンというスティグマ
スティグマ――私はそん人間じゃない!
レッテルを貼る
ヒトは期待されたとおりの人間になるか
スティグマと差別
客観性と主観性
サマリー&文献
第4章 ドラマトゥルギー――日常のなかの演技
大統領選挙でのイメージ戦
ふりをする
日常生活を演技する
印象管理
役割を演じながらどう自分をみせるか
役割葛藤のなかの自己呈示
役割論との関係
サマリー&文献
第5章 正常と異常――選別と排除のメカニズム
イスラーム教徒はなぜ豚肉を食べないのか
ホモにたいする抵抗感
絶対的な異常?
さまざまな異常のケース
分類と異常
異常なものが不安をかき立てるわけ
校則はなぜ破られるのか
逸脱のレイべリング論
水俣病というレッテル
水俣病が教えるもの
サマリー&文献
第6章 予言の自己成就――現実と虚構のはざま
イメージが現実を作り出す
誤った予言が実現される
正しい予言が破壊される
自然的世界と社会的世界との違い
認識と行為の関係
フィードバックの種類T
フィードバックの種類U
自己イメージを導くポジティブ・フィードバック
意図せざる結果
虚偽の真実への移行
予言の自己成就と自己破壊
サマリー&文献
第U部 秩序の解読
第7章 ジェンダー――女であること/男であること
もし、男女の役割が逆転したら……
ジェンダーとは?
ジェンダーと社会構造
ジェンダーとフェミニズム
社会の理念と変革
サマリー&文献
第8章 規範と制度――私たちをとりまくルール
就職戦線とリクルートスーツ
社会現象の規則性
約束事としての側面
文化の恣意性
のぞましさとしての側面
「善きこと」の普遍性
のぞましさの実現
慣習、道徳、法
規範と価値
日本社会の人間関係を支える原理
タテ社会と敬語の体系
規範から制度へ
近代社会と秩序
サマリー&文献
第9章 構造と機能――社会のマクロな事象をとらえる
社会に構造はあるか
『サザエさん』にみる日本の理想の家族
ムラ社会の構造
日本の近代化と首都東京
標準語教育による文化の一元化
高度経済成長
社会構造について
社会現象の機能的理解とは
東京一極集中と高学歴化の歴史的役割
機能評価するのはだれか
社会構造が変化するのはなぜか
人びとの意識の変化による構造のつくりかえ
サマリー&文献
第10章 コミュニケーションの自己準拠――社会秩序の不思議さ
秩序とはどのような状態か
社会的自由
「大地震は今日起きる」
秩序と無秩序
秩序の「ありそうもなさ」
認識と行為の秩序化
選択は2段階にわたって行われる
大きな不確実性を抱えた構造
秩序化が進んだ社会とは
コミュニケーションの自己準拠
コミュニケーションの自己準拠には2つのタイプがある
現代社会のコミュニケーション
サマリー&文献
第11章 社会のなかの権力
日本の権力:姿を見せない権力
象徴天皇制は戦後のものか
強制力としての権力
物理的暴力によって権力を支える
正当性の観念によって権力を支える
3つの正当的支配
稟議制という意思決定制度
日本と西欧における官僚制組織の違い
権力の姿を見えないようにするしくみ
権力は社会や文化によって異なる
サマリー&文献
第12章 イデオロギー――日本人は集団主義的か?
イデオロギーとは
集団単位で行動する
和の精神
恥の文化
単一民族としての日本人
単一民族説は本当か?
恥は他律的か?
日本人は和合的か?
日本人は集団単位で行動するか?
「集団主義」というイデオロギーが生まれる理由
イデオロギーとしてのイデオロギー批判
サマリー&文献
第V部 社会の構想
第13章 共同体――ひとはなぜ共同体を求めるのか
「理想的な家族」の悲劇
いま、家族の危機?
家族とはなにか
地域社会に生きる
国家が地域社会を解体する
新しいライフスタイルの誕生
近代家族の始まりと終わり
ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
共同体の再建は可能か?
新しい関係性を求めて
サマリー&文献
第14章 国家と市民社会――市民社会は近代の幻想か
日本国民だと意識するとき
日本人にとって国家はどんな存在か
国家は社会と同じものであろうか
社会の中の国家
「社会」の発見と「個人」の発見
市民社会としての西欧社会
市民社会では私的領域と公共領域が区別されるようになった
公共領域における経済秩序と政治秩序の分離
開発途上国の国家
市場によるコントロールと国家によるコントロール
サマリー&文献
第15章 ノモス・カオス・コスモス――人が宗教にめざめるとき
オウム真理教事件の不気味さ
カルトに加わる若者たち
あなたは占いを信じますか?
心の豊かさの時代?
宗教はどのようにして生まれるのか
教祖誕生
宗教ブームの正体
新宗教運動としてのキリスト教
宗教は人に何を与えるのか
ノモス・カオス・コスモス
サマリー&文献
第16章 ユートピアと想像力――ポストモダン社会はユートピアか
深夜のコンビニ
ゆたかな社会の実現
現代はユートピアか
ユートピアとはなにか
社会変革の力としてのユートピア
ユートピアの存在理由
社会的想像力
近代社会の意味
モダンとポストモダン
社会的想像力の回復
サマリー&文献
キーターム集
事項索引
人名索引
図版一覧
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志