『植民地帝国日本の文化統合』
駒込 武 19960326 岩波書店,465p.
last update:20110124
■駒込 武 19960326 『植民地帝国日本の文化統合』,岩波書店,465p. ISBN-10:4000029592 ISBN-13:978-4000029599 \8000 [amazon]/[kinokuniya] 9807oe 0704om2 ※
■内容
出版社/著者からの内容紹介
日本は異民族を支配するためにいかなる「同化」政策を行い、異文化の逆流を防ぐためにいかなる差別装置を築いたのか? 台湾・朝鮮・「満洲国」・中国での教育・言語政策と皇民化の実態を手がかりに、日本型文化支配の構想と自壊のプロセスをトレースする。戦後アジア諸国との歴史認識の断層はいかにして生じたのか?
内容(「BOOK」データベースより)
近代日本は、異民族を支配し多民族統合の体裁を整えるために、どのような文化政策を行ったのか。また、異文化の本国への逆流を防ぎ「日本人」であることの同一性を維持するために、いかなる排除のための装置を機能させたのか。台湾・朝鮮・「満洲国」・中国(華北占領地)での教育・言語政策と宗教・思想統制の実態を、現地の同時代資料をふまえ、歴史状況の推移を追いながら明らかにする。日本型文化統合の構想と自壊のプロセスを入念にトレースした労作。
内容(「MARC」データベースより)
近代日本は、異民族を支配し多民族統合の体裁を整えるために、どのような文化政策を行ったのか? 台湾・朝鮮・満州・中国での教育・言語政策と宗教・思想統制の実態を、歴史状況の推移を追いながら明らかにする。
■目次
序章
1 研究の課題
2 研究の視角―「同化政策」概念の再検討―
3 本書の内容・構成と方法
第T章 台湾・1900年前後―中華帝国からの離脱―
1 はじめに
2 天皇制国家の「内」と「外」
一 植民地主義の形成
二 国民統合の境界
3 教育制度における植民地主義
一 伊沢修二の教育制度構想
二 持地六三郎の教育制度構想
4 儒教・教育勅語・日本語
一 伊沢修二の教育内容構想
二 「血統団体」としての「日本人」
三 漢文科廃止論争と日本語教育
5 小括
第U章 朝鮮・1900‐10年代―弱肉強食と博愛平等―
1 はじめに
2 統監政治期の教育政策
一 公立普通学校体制の形成
二 植民地支配の「根蒂」
3 第一次朝鮮教育令の構造
一 「順良ナル臣民」の養成
二 「時勢及民度」に適合した教育制度
三 教育勅語と仁政
四 日本語教育の効用
五 文明化の使命
4 抗日民族運動と教育政策
一 在地両班層・郷紳層と植民地統治
二 キリスト教の両義性
5 小括
第V章 台湾・1910年代―差別の重層的な構造―
1 はじめに
2 台湾教育令制度過程
一 郷紳層の教育要求と中学校設立問題
二 台湾総督府の内憂外患
三 本国政府の植民地主義
3 台湾版教育勅語発布構想
一 勅語宣講会構想の浮上
二 台湾版教育勅語草案の検討
4 呉鳳伝説の改編過程
一 呉鳳顕彰事業の展開
二 呉鳳伝説の原像
三 改編過程における政治的力学
四 文明と野蛮の二分法
5 小括
第W章 朝鮮・1920‐30年代―多民族国家体制の模索―
1 はじめに
2 「文化政治」の構造
3 教育勅語修正論の行方
一 井上哲次郎の王道的国体論
二 教育勅語修正論への反論
4 朝鮮議会設置論の蹉跌
一 持地六三郎の朝鮮統治論
二 朝鮮総督府の参政権構想
5 対外膨張と皇民化
一 満州事変と朝鮮統治
二 皇民化政策の展開
6 小括
第X章 満洲国―アジア主義の可能性と限界―
1 はじめに
2 王道主義の射程
一 「孫文以後」の思想状況
二 満州国建国の受胎工作
三 大同思想と王道主義
四 満州国の農村支配と宗教教化団体
3 王道主義の隘路
一 朱子学的王道主義の抬頭
二 易姓革命思想と日本の国体
三 「現人神」としての天皇
4 小括
第Y章 華北占領地―日本語共栄圏構想の崩壊過程―
1 はじめに
2 華北占領地における文化工作
一 占領初期の文化工作
二 農村部における文化工作
3 日本語普及政策をめぐる提携と競合
一 文部省による日本語教科書編纂
二 興亜院による日本語教員養成
4 日本語=日本精神論の崩壊過程
一 山口喜一郎と台湾の日本語教育
二 大出正篤と満州国の日本語教育
三 国府種武と華北占領地の日本語教育
5 小括
結章
1 要約と展望
@言語ナショナリズムと血族ナショナリズム
A内地延長主義と植民地主義
B自主主義と仮他主義
C文明としての近代と思想としての近代
D膨張の逆流と防波堤
2 「戦後」における国民国家の再建―墨塗られた「帝国」の記憶―
注
あとがき
書名索引
人名索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志