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『生物多様性という名の革命』

Takacs,David〔Takacs,David〕1996 The idea of biodiversityJohn Hopkins University Press,
=20060320 狩野 秀之・新妻 昭夫・牧野 俊一・山下 恵子 訳,日経BP社,433p.


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■Takacs,David〔Takacs,David〕1996 The idea of biodiversityJohn Hopkins University Press,
=20060320 狩野 秀之・新妻 昭夫・牧野 俊一・山下 恵子 訳,『生物多様性という名の革命』日経BP社,433p. ISBN-10:4822244865 \3400 [amazon][kinokuniya] ※

■内容
出版社による紹介(Amazon.co.jpより)
1992年、リオデジャネイロで「地球環境サミット」が開かれた。世界初の環境をテーマに開かれたこのサミットで提示された概念、それが「バイオダイバーシティ~生物多様性」である。人間中心主義経済中心主義だった世界はいま、その経済活動により基盤となる環境が著しく冒される。が、自然には、医学、薬学、エネルギーなどさまざまな分野で将来人間の役に立つかもしれぬ遺伝子資源=多様な生き物群が存在する。いや、そもそも人間は「生き物の賑わい」の中でこそ生きられるのではないか? 人間中心の枠を超えた「多様な生物が生きていける環境」を維持することが、「持続可能な社会」の実現に欠かせない。この「生物多様性」という名の哲学がいかにして生まれたのか?現実の生態系保全にどう生かすべきか? 英米の著名生物学者たちに徹底的なインタビューを行い、科学が政治や経済に入り込み、どう機能すべきなのか、重層的に議論を展開する。登場する生物学者はアメリカ最大の進化生態学者で社会生物学の始祖「バイオダイバーシティ」という言葉の普及者であるE.O.ウィルソン等23人。

■目次


第1章 科学と自然と保全の交差点におけるさまざまなテンション
第2章 生物多様性の成り立ち
  アルド・レオポルド/チャールズ・エルトン/レイチェル・カーソン/デヴィッド・エーレンフェルド/生物多様性という用語を発明する
第3章 生物多様性という用語はいかに創られたか
  生物多様性と原生自然/生物多様性と文化の多様性/生態学・進化・そして変化する保全目標/どの種を救い、どの種をみはなすのか/絶滅危惧種法を回避する/生息場所、生態系、そして生物多様性/生息場所と生態系の保全目標/自然と生物多様性/「生物多様性」対「自然」/反発?/無知からの議論/全体論的な洞察/結論
第4章 多様性の探求――サイエンススタディーズと環境史の出会い
  歴史を作る/環境史―はじめに/自然という観念/「自然の力」としての観念/サイエンス・スタディーズ――はじめに/科学の再定義/境界作業/建設的な構成主義に向けて/改宗を説く人々/保全生物学と責任/生物多様性派の生物政治家たち/変容を狙う/境界作業再び――多方面での境界の引きなおし/スーレと感情/価値中立性/二足のわらじ/主観性を超越する/環境史とサイエンススタディーズを通した生物学者の環境活動/
第5章 価値
科学的価値/生態学的価値/経済学的価値/社会的アメニティとしての価値/バイオフィリア的な価値/生物学者たちはバイオフィリアをどうみているのか/変容的価値/固有の価値/スピリチュアルな価値/美的な価値/どの価値を選ぶか/なぜ多様性に配慮するのか/
第6章 コスタリカ国立生物多様性研究所
第7章 エドワード・O・ウィルソン
第8章 結論
解説 生物多様性という名の革命    岸 由二
訳者あとがき             新妻 昭夫
脚注・参考文献

■書評・紹介

◆200712 遠藤 彰「生物多様性と生物群集の保全をめぐる言説の再考――D.タカーチ『生物多様性という名の革命』の彼方へ」『生物学史研究』79号:29-56pp.



*作成:近藤 宏
UP:20080829 
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