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『新しい死の文化をめざして』

アルフォンス・デーケン・ 飯塚 眞之 編 19951130 春秋社,219p.


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■デーケン,アルフォンス・ 飯塚 眞之 編 19951130 『新しい死の文化をめざして』,春秋社,219p. ISBN-10: 4393363906 ISBN-13: 978-4393363904 1854 [amazon][kinokuniya]  ※ d01.

■内容(「BOOK」データベースより)
タブーをこえて新しいいのちの姿を考える。終末期医療・生命倫理の最新情報、現場記者の座談会、肝臓移植の体験記など最前線の報告を踏まえて、“生死一如”の人間観を構築する。

■内容(「MARC」データベースより)
1994年開催された「生と死を考えるセミナー」をもとに編集。終末期医療、生命倫理の最新情報、現場記者の座談会、肝臓移植の体験記など最前線の報告を踏まえて生死一如の人生観を構築。

■目次
・序説―― 新しい死の文化をめざして
・医師と患者からみたそれぞれの死のイメージ――尊厳ある死のために
・バイオエシックスからみた患者の死の迎え方
・新しい死の文化の創造をめぐって――ターミナル・ケアにおける世界的傾向から
・死別体験者への精神的援助
・マス・メディアの立場からみた死の文化
・死の覚悟からの生還――肝臓移植を受けて

新しい死の文化をめざして 彦坂泰治 著 3−18
医師と患者からみたそれぞれの死のイメージ 日野原重明 著 19−52
バイオエシックスからみた患者の死の迎え方 星野一正 著 53−74
新しい死の文化の創造をめぐって アルフォンス・デーケン 著 75−98
死別体験者への精神的援助 平山正実 著 99−124
マス・メディアの立場からみた死の文化 飯塚真之 ほか著 125−180
死の覚悟からの生還 野村祐之 著 181−218

■引用

◆彦坂 泰治(生と死を考える会副会長)* 19951130 「新しい死の文化をめざして」,デーケン・飯塚編[1995:3-18]
 cf.*日本尊厳死協会理事:http://www009.upp.so-net.ne.jp/hananotani/study/study_13.html
 「死のタブー化は二十世紀後半にピークを迎えたが、しかし、それは死の絶対的不可避性ゆえに崩れざるを得なくなった。果てしない延命努力が患者側から告発される事態が起こったのである。一九七五年、米国のカレン・アン・クインラン事件では人工呼吸器の停止を求め、一九八三年のナンシー・クルーザン事件では水分栄養の投与が拒否されて、医療が伝統として掲げてきた「死の否定」は否定された。「死ぬ権利」を主張する権利意識と個人の独立精神の高揚の中で、医療の果たすべき役割を根本から再考しなければならなくなった。」(彦坂[1995:8])

◆デーケン,アルフォンス 19951130 「新しい死の文化の創造をめぐって」,デーケン・飯塚編[1995:75-98]

 「私自身にとっても、十二月三日には忘れられない思い出があります。二十一年前のこの<0075<夜、私は大学の正門前の土手に登って、暗い木立の間を散歩しながら、これからの日本文化のあり方や上智大学の使命、私自身のライフワークなどについて、改めて考え続けていました。その時、突然「新しい死の文化の創造」という概念が私の脳裏にひらめいたのです。
 当時はまだ死のタブー化の強い時代でした。しかし、人間らしい生と死のあり方をより深くみつめには、どうしても死のタブー化のヴェールを破り、新しい死の文化を創造しなければならないと気がつきました。私は大学時代から「死」の哲学的探求を志していましたが、自分の後半生をより広く死生学の研究に捧げ、日本に「死への準備教育」を根づかせることをライフワークにしようと決心したのです。」(デーケン[1995:75-76])

 アリエスの死の歴史の5つのモデルの紹介([79-81])
 「二十世紀後半になって、アリエスの分析による死のモデルに続く、新しい社会意識として「死への準備教育」という考え方が芽生えました。「死への準備教育」は「人間的な死」の復活を目指すものです。いま欧米を始めとする世界の国々では、学校教育の中にこの運動を根づかせようという動きが活発に行われています。ここ数年来、日本でも死のタブー化の時代は終わりに近づき、人々の意識は「死への準備教育」の積極的な実践の方向へ向けられつつあると思われます。」(デーケン[1995:82])


UP:20071117 REV:20080406
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