『僕のホスピス1200日』
山崎 章郎 19950721 海竜社,236p.
■山崎 章郎 19950721 『僕のホスピス1200日』,海竜社,236p. ISBN-10: 4759304312 ISBN-13: 978-4759304312 1400 [amazon] ※→19990110 文春文庫,248p. (解説:日野原重明)※ d01.t02.
■出版社/著者からの内容紹介
「あなたが死ぬ時まで快適に、あなた自身の意志と選択で生きるために」と、末期がんの患者に懸命に尽す医師の見た生と死のドラマ
■内容(「BOOK」データベースより)
死ぬ時まで快適に、患者が自らの意思と選択で生きる“ホスピス”では、がん告知はどうなされるか、末期がん患者の延命治療は、痛みをとるモルヒネの使用は、在宅死の対応は、立派な死とは…。『病院で死ぬということ』の著者が、ホスピス科医師となって直面した事実をもとに描く、厳かな、人間最期の物語。
■内容(「MARC」データベースより)
「あなたが死ぬときまで、少しでも快適な中で、あなた自身の意思と選択で生きることが出来るために」をホスピスの理念として、聖ヨハネホスピスでの3年半の体験を踏まえ、解説や感想や様々な思いを綴る。
■目次
第1章 僕たちの希望、新ホスピス、静かに進水
第2章 あの世からサインを送ります
第3章 死の床での日常を支える好きなこと
第4章 ホスピスには行きたい、でも真実は知りたくない
第5章 死にゆく人は、全て僕の師匠だった
第6章 僕はあなたの生き方にわくわくした
第7章 最後の日まで、自分の存在の意味を問い続けるために
第8章 ホスピスの価値観は患者の価値観を支えること
第9章 僕のホスピスはこうありたい
第10章 インフォームド・コンセントをきちんと生かすために
第11章 自宅で死を迎えるということ
第12章 父のメッセージを残すために大切にしたいいのち
第13章 日々の生活こそが愛しい
第14章 あなたにとって何が一番大切ですか
第15章 死すべき全ての人々へ――映画『病院で死ぬということ』
第16章 生きるも死ぬも自分なのだ――映画『大病人』
第17章 立派な死、美しい死はあるのか
第18章 がんになることを人生設計の中に
第19章 生きているうちにこそお金は活用したい
第20章 燃えつき症候群にはならない
第21章 希望と安らぎの支えになる行政を
第22章 力を与えてくれたなつかしき人びと
第23章 悲しみの谷から踏み出すために
■
第17章 立派な死、美しい死はあるのか 179-186
著書『続 病院で死ぬということ』をもとにしたテレビドラマ(1994年6月『真昼の月』)放映
「そのドラマを観た作家の評論が載っていた。
それは主人公である若い女性患者が、「死を悟り、受け入れることが、安らかな死のあり方」とする医師の信念を受け止め、お手本のような死を、期待されたように死んでいく様子が痛々しく、とてもかわいそうだったというものであった。
[…]この評論に対しては、一言僕の意見を言わせていただきたいと思う。
<0180<
[…]
<0181<
僕が言いたいのは、『真昼の月』の主人公であった患者さんの死の場面が感動的であったのは、自分の気持ちを素直に出し、それを率直に受け止めて支えていこうとする関係が、患者さんとその周囲の人との間に成立していたからで、決して作為的なものではなく、自然なものであったということなのである。」(山崎[1995:180-182])
■言及
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表