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『新時代の「日本的経営」――挑戦すべき方向とその具体策』

日本経営者団体連盟 199505 日本経団連出版,210p.


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■日本経営者団体連盟 199505 『新時代の「日本的経営」――挑戦すべき方向とその具体策』,日本経団連出版,210p.

■引用
「欧米先進諸国は、日本的経営について、いわゆる終身雇用慣行、年功賃金制度、企業別労働組合の3つを象徴的な特徴としてとらえているほか、経営行動としては企業間の系列関係、株式の持ち合いなどもわが国の特徴と指摘している。  しかし、日本的経営の特質は、終身雇用慣行や年功賃金制度といった制度・慣行ではなくて、そうした運営の根本にある「人間中心(尊重)の経営」「長期的視野に立った経営」という理念が日本的経営の基本である、とわれわれは考える。運営面の制度や仕組みは、環境条件の変化に応じて変える必要があるが、基本理念は普遍的性格をもつものであろう。」(p.23)

「最近の雇用形態の動きから今後のあり方を想像してみると、だいたい次の3つのタイプに動いていくものと考えられる(図表7、8)。
 1つは、従来の長期継続雇用という考え方に立って、企業としても働いてほしい、従業員としても働きたいという、長期蓄積能力活用型グループ。能力開発は OJTを中心とし、Off・JT、自己啓発を包括して積極的に行なう。処遇は職務、階層に応じて考える。
 2つは、企業の抱える課題解決に、専門的熟練・能力をもって応える、必ずしも長期雇用を前提としない高度専門能力活用型グループであるが、わが国全体の人材の質的レベルを高めるとの観点に立って、Off・JTを中心に能力開発を図るとともに自己啓発の支援を行なう。処遇は、年俸制にみられるように成果と処遇を一致させる。
 3つは、企業の求める人材は、職務に応じて定型的業務から専門的業務を遂行できる人までさまざまで、従業員側も余暇活用型から専門的能力の活用型までいろいろいる雇用柔軟型のグループで、必要に応じた能力開発を行なう必要がある。処遇は、職務給などが考えられる。
 もちろん、こうしたグループは固定したものではない。企業と従業員の意思でグループ相互間の移動も当然起きるであろう。ただ、雇用の動向を全体的に見れば、好むと好まざるとにかかわらず、労働市場は流動化の動きにある。」(p.33)

■紹介・言及

◇牧野 富夫 20071020 『労働ビッグバン これ以上、使い捨てにされていいのか』,新日本出版社,236p. ISBN-10:4406050701 ISBN-13:9784406050708 \1785 [amazon][kinokuniya] ※ w01

◇橋口 昌治 200908 「格差・貧困に関する本の紹介」, 立岩 真也編『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社


UP:20090813 REV:
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