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『産業心理学トゥデイ――豊かな職業生活をめざして』

田崎 醇之助・青木 修次 編 19950425 八千代出版,331p.

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last update:20180220

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■田崎 醇之助・青木 修次 編 19950425 『産業心理学トゥデイ――豊かな職業生活をめざして』,八千代出版,331p. ISBN-10:484290965X ISBN-13:978-4842909653  3200+ [amazon][kinokuniya]

■内容

[本書:はしがきより]


 産業やビジネスの活動は、人間の社会的活動ですから、人間のことがわかっていなければならないことはいうまでもありません。しかし、生命の最初からの時の流れのなかで考えるとき、人間という生物の歴史は、まことに短いものです。歴史の記述が始まったのはさらに短く、産業が今日のような形で始まったのは、そのうえさらに短いものです。ついこの間始まったばかりのこの文明のパターンについて、私たちは、ほどんど何も知ってはいないともいえるでしょう。 
 文明の1つの形のなかに生きていると、その形が絶対のようにも感じます。たとえば少し古い話ですが、ベルリンの壁の崩壊とともに瓦解していった社会主義体制のもろさは、私たちアンポ闘争を体験してきた旧人類には、想像もできない出来事でした。しかし、旧ソ連邦の崩壊については、私は、その5年ほど前に書いた日本的人事管理についての論文のなかで、可能性が高くなっていると述べました。今、その論文を書いたときのことを思い出しますと、「まさか」という気持ちが強く、「まあ冗談の1つ」と考えて書いたことも思い出します。崩壊の論拠は確か、集団のなかで内向し充満している欲求不満の緊張であったと思います。これは企業集団におけるその種の緊張とストライキなどとまったく同じ現象なのです。まことに人間のつくった組織や文化がはかないものであるとの思いがつのって、当時は気も滅入るように感じました。
 しかし一方で、心理学者としては、こうした心理学的見地からの予測が確かなものだったという確信も抱いたのでした。天安門事件、バブルの崩壊、地球から少しもなくならない戦争、地下鉄サリン事件、そして今やだれも予測できなかったゴミとの戦い、その他たくさんの悲劇的現実がみんなこの「賢い人間」がやっていることですから、人間とは不可思議なものであります。
 人間とは、個人としては、愛し、争い、働き、そして死んでいくはかない存在ですが、しかし、大変賢い存在でもあります。その一生のなかで、人間はビジネスとか産業とかさまざまな文化の渦のなかに、多くの時間と労力を割いて生活しています。しかし、その活動がはかなくも変転きわまりなき存在であることを思いますと、その人間文明のはかなさに興味と関心とあわれさを限りなく感じます。この本から、読者諸君も、そうした興味と関心を、ビジネスや産業界に働く人間に感じるようになってほしいというのが、著者の願いであります。

■目次

第1部 基礎編
 T 産業心理学の成立
 U 職場適応の心理
 V ワーク・モチベーション
 W 能力開発の理論と方法
 X 職場集団のダイナミックス
 Y 健康管理
 Z 職業生活

第2部 応用編
 [ 中高年問題の本質と対応方策
 \ 異文化間葛藤とマネジメント
 ] 管理能力の評価と管理者育成プログラム
 ]T 職場の心理的問題
 ]U 組織開発と経営革新
 ]V セールスマン管理

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:岩ア 弘泰
UP:20180220 REV:
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