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『老いをめぐる12+1話――老年科医の診療ノートから』

19950405 ユージン伝,311p.


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■三宅 貴夫 19950405 『老いをめぐる12+1話――老年科医の診療ノートから』,ユージン伝,311p. ISBN-10: 4875600496 ISBN-13: 978-4875600497 1942+ [amazon][kinokuniya] a06.b01.

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内容(「BOOK」データベースより)
自分の「老い」を生き、家族の「老い」を支えるために、いまひとが老いることの意味を理解することから始める。ぼけや妄想症の背後に浮かびあがる「老い」の真実の姿。老人医療の第一線に立つ医師が、数多くの経験のなかから描き出した〈12+1の人間像〉をとおしてふれる、老いの心の息づかい。そして、わたしたちの明日への助言。
内容(「MARC」データベースより)
自分の「老い」を生き、家族の「老い」を支えるために、いまひとが老いることの意味を理解することから始める。老人医療の第一線に立つ医師が、数多くの経験の中から描き出した、老いの心の息づかいと、私たちの明日への助言。

■目次

家がわからなくなったという話―アルツハイマー病になった老人
何もしたくなくなったという話―子らの相続争いのなかでうつ状態になった老人
がんではないか心配だという話―退職後の生活のなかで心気症と思われた老人
隣の人が盗むという話―猜疑心が強い一人暮しの妄想症の老人
頑固で手におえないという話―性格障害で家庭生活を混乱させる老人
眠れないという話―いたって元気だったのに不眠症になった老人
性生活が苦痛だという話―夫の性的欲求との不一致に悩む女性老人
薬をたくさんのんでいるという話―1回11錠1日3回の薬を長年のんでいる老人
退院したくないという話―家族内で世話を押し付け合った老人
一人暮しで気楽だがという話―緊急警報機を取り付けた老人
ホームの生活がなじめないという話―部屋に閉じこまりがちな老人
死にたいといつも言うという話―死と生との願望が共存する老人

■引用

 「メモ2 呆け老人をかかえる家族の会
一九八〇年京都で発足したぼけの人を介護する家族らの自主的な団体。一九九四年に社団法人になる。一九九四年一〇月現在、全国三三都道府県に支部があり、会員は約四〇〇〇名。主な活動は、家族の集い、会報の発行、電話相談、研究集会、調査研究、国や自治体への要望、啓蒙活動、国際交流などである。一九九二年にけ各国の同様な団体の国際民間組織である国際アルツハイマー病協会(略称ADI)に加盟した。家族の会には、介護家族の他だれでも入会でき、会費は五〇〇〇円(年問)である。

 事務局は、〒602京都市上京区室町出水上ル京都YWCA会館内

 TEL075(451)1195、FAX075(451)8576」([8])


 「しかし被害妄想が変わりなく、そのため近所とのトラブルが絶えない場合は、抗妄想作用のある強力精神安定薬(メモ14)を「夜よく眠れる薬」と言って服用してもらって妄想が少なくなることもあります。結局は、精神保健法(メモ15)により精神病院へ入院せざるをえないこともあります。
 […]

 メモ14 強力精神安定薬
 メージャートランキライザーともいう。主に精神分裂病の患者に使われる。鎮静作用、抗幻覚作用、抗妄想作用などの作用があり、高齢者のせん妄やぼけの不穏などに処方されることがある。ただし、ぼけの老人の不眠、不穏、多動、暴力行為などに対しておとなしくさせようと「管理的投与」に使われることがないようにしたい。

 メモ5 精神保健法
 それまでの「精神衛生法」が一九九三年に改正され「精神保健法」となる。精神障害者の人権と社会復帰を目指したものである。患者の入院は「任意入院」(以前の自由入院)「措置入院」「医療保護入院」(以前の同意入院)の三種がある。しかし、精神病院の大半が民間にたより、医師や看護婦が少なく、精神障害者への社会の理解がまだ乏しいなかで、人権無視の事件も絶えず、精神障害者の置かれている状況に大きな変化はないとも言われている。ぼけ老人など高齢期の精神障害者の入院が増加傾向にある。」(三宅[1995:108-109])


UP: 20140423 REV:
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