『現代の財政と税制――21世紀への税財政構想』
和田 八束・星野 泉・鵜川 多加志・青木 宗明 編 19941210 文眞堂,237p.
■和田 八束・星野 泉・鵜川 多加志・青木 宗明 編 19941210 『現代の財政と税制――21世紀への税財政構想』,文眞堂,237p. ISBN-10: 4830941766 ISBN-13: 978-4830941764 [amazon]/[kinokuniya] ※ t07.
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内容(「BOOK」データベースより)
21世紀へ向けて、税財政はいかに変貌していくのか。主要な課題、問題点はどこにあるのか。そしてその解決策は。第一線でいま活躍中の執筆陣による最先端の研究成果。
内容(「MARC」データベースより)
21世紀へ向けて、税財政はいかに変貌していくのか? 主要な課題、問題点はどこにあるのか? そしてその解決策は? 第一線でいま活躍中の執筆陣による最先端の研究成果。〈ソフトカバー〉
■目次
1 公共部門の新展開
1 日本財政の展望――財政の役割と国民負担 和田 八束 3-16
2 税制の現状と改革
3 福祉国家の財政と分権化
■引用
◆和田 八束 19941210 「日本財政の展望――財政の役割と国民負担」,和田・星野・鵜川・青木編[1994:3-16]
「法人税の転嫁の実態は明らかではないが、かなりの程度行われていることは常識になっている。法人税の税収にしめる割合は約25%(1994年度)であるから、これをすべて直接税に区分するか、間接税としても扱うかで、直・間比率には大きな差が出てくる。逆に、現行の消費税は売上税としての性格が強く、企業税として直接税に含めるという立場もありうるわけである。
したがって、直・間比率という観点から、将来の租税構造を議論することには、余程慎重でなければならない。」(和田[1994:13])
「これからの財政が、地方財政に大きく重点を移すであろうことは、さきほどのべたところであるが、そのためには、地方税財源の拡充が必要であると共に、国・地方を通ずる税制上の整合性をはかる必要がある。
このためには、まず整備されるべきは、個人所得に係わる税としての、所得税と住民税である。両税とも所得を課税標準にして、税率を国・地方(都道府県・市町村)で分け合う形となっているが、所得控除等がやや異なっていたり、税率も地方分でも軽度の累進性をとっているなどの違いがある。このため、個人所得税としての負担が不明瞭である一方で、地方税としての独自性にも欠けていることになっている。
これを是正する1つの方策として、住民税率を完全フラット化(単一税率)して、所得税で累進税率を設定するという案が出されていた。こうした提案の採用も検討すべきではなかろうか。納税者にとっても、この方が分かりやすいといえる。」(和田[1994:14])
■言及
◆立岩 真也 編 200908 『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社 ※