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『税金の論理』
石 弘光 19941220 講談社現代新書,220p.
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石 弘光
19941220 『税金の論理』,講談社現代新書,220p. ISBN-10: 4061492292 ISBN-13: 978-4061492295 650
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内容(「BOOK」データベースより)
それなくしては国家や社会が成立し得ない不可欠の存在。しかし、わかりにくく、なじみにくいのが税金の仕組。なぜ税金を納めねばならないのか。公平・中立の原則は守られているのか。税金の歴史をふり返り、所得税、法人税、消費税など現行税制のもつ問題点と今後の展望を平易に解き明かす。
■著者紹介
1937年、東京生まれ。1961年、一橋大学経済学部卒業。その後、同大学院経済研究科をおえ、現在、人橋大学教授。経済学博士。専攻は財政学。著書に、『財政構造の安定効果』―勁草書房、『租税政策の効果』―東洋経済新報社、『利子・株式譲渡益課税論』―日本経済新聞社―など。
■目次
第1章 国家の存立基盤―何故、税金を納めねばならぬのか
第2章 税金の移り変わり―税金は経済力を映す鏡
第3章 税金の王様・所得税―その仕組みと問題点
第4章 利子・株の儲けと税金―苦悩する資産所得課税
第5章 正体不明の法人税―No.2の地位を確保
第6章 世界を席巻した付加価値税―不幸な生い立ち・日本の消費税
第7章 平等化社会に不可欠な資産課税―資産再分配は必要だ!!
第8章 地域社会に密着した地方税―国税と一味ちがう税金
第9章 成熟社会のチエ―直間比率の是正
■引用
第3章 税金の王様・所得税―その仕組みと問題点
「今日、所得税の累進税率はそのメリットよりもデメリットが強調されている。デメリットとして、次の三点が特に重要である。
まず第一に、法定上シャープな累進税率の仕組みを作っても、その通り実行することはほとんど不可能といえる。[…]<0063<
第二に、累進税率がシャープなほど経済活性化を阻害する。税引き後収益率の激減から貯蓄意欲は阻害されるだろうし、労働意欲にも大きなダメージが生じてくる。かりに限界税率を七五%とすると、一万円を残業で稼いでもその付加的な所得のうち七五〇〇円は税金である。おそらく多くの人々は労働する意欲を失うであろう。この傾向が社会全体に拡大すると、一国の経済成長率の鈍化は避けられない。
第三に、最高税率を高めるほど脱税や租税回避を誘うことになる。[…]
税率のフラット化は、一九八〇年代にはいりアメリカのレーガン税制改革を景気に世界的な傾向となった。アメリカでは[…]一時、一五、二八、三一%の三段階にまで削減された。イギ<0064<リスでも[…]二〇、二五、四〇%の三つの税率刻みになっている。日本の所得税も一九八九年以降、五段階の累進課税にフラット化されたが、これは世界的な税制改革の流れにそって改められたものである。」(石[1994:63-64])
UP:20081113 REV:20090315,20090731
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