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『「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期』

二木 立 19941125 勁草書房,237p. ASIN: 4326798939 2625


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■二木 立 19941125 『「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期』,勁草書房,237p. ASIN: 4326798939 2625 [amazon][amazon] ※, b m/e01

内容(「BOOK」データベースより)
先進国中最も厳しい医療費抑制政策が、日本ではなぜ「成功」したのか。94年の診療報酬改定と健保法改正の意図するものは何か。公的医療費の総枠拡大の「国民的合意」を形成するための具体的提言と、アメリカの医療・医療経済学のユニークな分析。

内容(「MARC」データベースより)
先進国中最も厳しい医療費抑制政策が、日本ではなぜ成功したのか。94年の診療報酬改定の意図するものは何か。公的医療費の総枠拡大の国民的合意形成のための具体的提言と米国医療・医療経済学のユニークな分析。*

目次
1章 「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期
2章 一九九四年医療費改定は「第二次保険・医療改革」のはじまり―不公正で不透明な医療行政を憂える
3章 特定療養費制度の「一般」制度化は成功するか?―特定療養費制度の過去、現在、将来
4章 私のみたアメリカの医療と医療経済学

1章 「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期
 「[…]慢性疾患・成人病中心の現代にあっては、平均寿命だけで、先進諸国の医療の質(この場合は治療効果、outcome)を判断・比較することはできず、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を加味した指標を用いることが不可欠である。しかし、ADLやQOLの世界共通の評価尺度は未確立であり、この面での医療の質の厳密な国際比較を行うことはできない。
 このような制約下にあって注目すべきことは、朝日新聞論説委員の大熊由紀子氏が、早くから(なんと一九八五年から)「寝たきり老人」(彼女の表現を用いると「寝かせきりにしてしまっていたお年寄り」)が多数見られるのは、先進諸国の中では日本だけなことを発見し、これがわが国の老人医療・福祉の立ち遅れの産物であることを、鋭く指摘してきたことである(21)。この事実は、その後厚生省の委託研究でも確認され、その結果は『厚生白書一九九一』(六三頁)にも掲載された(22、23)。」(p.12)
(21)大熊 由紀子 19900920 『「寝たきり老人」のいる国いない国――真の豊かさへの挑戦』,ぶどう社,171p. ASIN: 4892400955 1500 [amazon][boople] ※, b a01
(22)厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課 1989 『寝たきりゼロをめざして――寝たきり老人の現状分析並びに諸外国との比較に関する研究』,中央法規出版
(23)厚生省 編 199104 『厚生白書〈平成2年版〉――真の豊かさに向かっての社会システムの再構築 豊かさのコスト 廃棄物問題を考える』,厚生問題研究会,402p. ASIN: 4324026173 [amazon][boople] ※(本では『厚生白書一九九一…』とあり)


UP:20061205 REV:
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