『科学者とは何か』
村上 陽一郎 19941015 新潮社,新潮選書,186p.
last update:20131126
■村上 陽一郎 19941015 『科学者とは何か』,新潮社,新潮選書,186p. ISBN-10:4106004674 ISBN-13:978-4106004674 \1050 [amazon]/[kinokuniya] ※ g01
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
危険な一面を持つ閉ざされた研究集団の歴史と現実。19世紀に、キリスト教の自然観の枠組からはなれて誕生した科学者という職能。その行動規範を初めて明らかにする書下ろし。科学者は研究に伴う責任をどう考えるのか。―自然と人間の相互作用を読みこむ新たな科学観が問われる。転換期の科学者像を探る。
内容(「MARC」データベースより)
19世紀に、キリスト教の自然観の枠組からはなれて誕生した科学者という職能。科学者は研究に伴う責任をどう考えるのか。危険な一面を持つ閉ざされた研究集団の行動規範を明らかにする。〈ソフトカバー〉
■目次
1 唐木順三が言い遺したこと
一九世紀の科学と技術
唐木順三の遺言
科学者と価値
科学者共同体の問題
2 職能集団の行動規範――「ヒポクラテスの誓い」
医師集団の場合
中世の知的職能集団
神との契約
オノラリアという習慣
誰に責任を負うか
科学者集団の場合
3 科学者の共同体の形成
1 科学者とその共同体
科学者の誕生
科学者とは何か
大学という概念
市民社会の台頭
科学者の共同体
専門学会の形成
2 技術の状況
技術の伝統
国家が賛成する技術者
アントレプレヌールの活躍
4 その行動様式
「論文」とは
嫌がらせの儀式
「レフェリー制度」という装置
〈サムシング・ニュー〉の判断
「論文」孝現学
「被引用度」という評価
著者の権利――業績になる論文の書き方
5 その倫理問題
マートン的エトス
サンクション(制裁)はあるか
窃盗同様の行為
研究における不正、データの捏造
法則の発見
ボルティモア事件
追試は歯止めになるか
紳士的な科学者
ノーベル賞の功罪
ブレーキのない車
制裁と褒賞、責任と義務
6 新しい科学者像への胎動
1 核兵器の開発と物理学者
原子核エネルギー利用の発端
アインシュタインの登場
マンハッタン計画
科学者たちの証言
科学者たちの行動
2 アシロマ会議とバイオテクノロジー
DNAの魔術
組み替えの技術とその「危険」
モラトリアムの提案とアシロマ会議
初めて開いた科学者共同体
アシロマ拒否
3 環境問題の衝撃
公害問題の性格
環境問題の特性
科学の立場から見た環境問題
人文・社会科学の発想
科学の融合へ
缶ミルクの教訓
多様な知識の組合せを
7 誰に、どう責任をとるのか
1 研究環境の変化
科学技術政策という概念
研究費の頭打ち現象
外部に対する責任
2 科学技術と社会
研究費という指標
研究活動の透明性
理工系と文科系の区別
3 開かれた研究組織へ
研究環境の透明化再論
褒賞制度の改革
新しい知識人の資格
科学者の責任
あとがき
ブックガイド
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志・片岡 稔