『日系アメリカ人のエスニシティ――強制収容と補償運動による変遷』
竹沢 泰子 19940610 東京大学出版会,304p.
■竹沢 泰子 19940610 『日系アメリカ人のエスニシティ――強制収容と補償運動による変遷』,東京大学出版会,304p. ISBN-10:413056045X ISBN-13:978-4130560450 3990 [amazon] er
■内容(「MARC」データベースより)
戦前戦後、彼らはいかに生きてきたか。日系人二世代の半世紀にわたる体験をもとに考察。日系一世、二世、三世、その他の日本人を祖先とする者120313人の思い出が、追憶の日への参加を要請する
■著者紹介(本書出版当時のもの)
竹沢 泰子(たけざわ やすこ)
1981年 筑波大学比較文化学類卒業
1989年 ワシントン大学人類学部Ph.D.取得
現在 筑波大学社会科学系・国際関係学類講師
兼ワシントン大学人類学部盟員助教授
主要論文
「アメリカ合衆国におけるステレオタイプとエスニシティ」(『民族学研究』52巻,1988年)
「ピューリタンの夢――アングロサクソン文化」「太平洋に架ける橋――日本・中国・韓国系文化」(綾部 恒雄 編 『アメリカの民族』弘文堂,1992年)
「アメリカにおける気化権から見た人種概念一考察」(『史鏡』28号,1994年)
■目次
凡例
まえがき
第一章 課題と方法
はじめに
第一節 シアトルにおける日系アメリカ人コミュニティの概要
第二節 エスニシティの再構築――理論的枠組み
第三節 フィールドワークとインタビュー
第二章 シアトルにおける補償運動
はじめに
第一節 第一期 補償案の台頭(1970-78)
第二節 第二期 飛躍(1978-83)
第三節 第三期 発展(1983-88)
第四節 第四期 予算配分と補償の始まり(1988-93)
第三章 二世の経験
はじめに
第一節 戦前の生活
第二節 強制立ち退きと強制収容
第三節 第二次世界大戦後の生活
第四節 結論
第四章 三世の経験
はじめに
第一節 幼少期から青年期までの三世
第二節 アジア系アメリカ人運動――補償運動への序曲
第三節 結論
第五章 過去と現在の再解釈――補償運動の影響
第一節 世代間の対話の始まり
第二節 補償運動における関連行事への反応
第三節 補償運動のエスニシティへの影響
第四節 結論
第六章 日系アメリカ人のエスニシティの変遷
はじめに
第一節 エスニシティの歴史的変遷
第二節 世代的相違とエスニシティの表現
第三節 エスニシティの活性化とアメリカ化
注
参考文献
索引
■引用
■書評
◆東村 岳史 1994(『民俗学研究』59(3):pp.299-301)
書評からの引用
「本書は日系アメリカ人のエスニシティの変遷を、日米開戦に伴う日系アメリカ人の強制収容と長い沈黙の後に展開された補償運動を切り口に論じている。文化人類学者があえて「文化」の側面ではなく、一つの歴史的事件に焦点を当てたことに戸惑いを感じる向きもないことはなかろうが、「エスニシティが必ずしも文化変容と比例して衰退しない」(p.19)という事実から、著者はエスニシティの中でもエスニック・アイデンティティを重視する立場を取っており、それには歴史的経験の解釈の影響が大きい、と第1章の理論的枠組みの中で述べている。」(p.299)
*作成:石田 智恵 追加者: