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『ブラジルへの郷愁』

Levi-Strauss ,Claude 1994  Saudades do Brazil,Plon
=19951006,川田順造 訳 みすず書房,231p.


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Levi-Strauss, Claude [クロード・レヴィ=ストロース] 1994  Saudades do Brazil,Plon.
=19951006 川田 順造 訳 『ブラジルへの郷愁』,みすず書房,231p. ISBN10:462203901X,ISBN13:978-4622039013 8755 [amazon] b w/lc01

■内容

内容(「MARC」データベースより) 1930年代にレヴィ=ストロースが行ったブラジルのインディオの調査における撮影写真の集成。貴重な画像であると同時に、今日のインディオの現状との差異を鮮烈に写し出した数々の写真が、文明の意味を問いかける。

■目次

プロローグ

ブラジルとの出会い
サンパウロとヒラポラ
イタティアイア山
パラナ、サンタ・カタリーナ
ゴイアス

ガデュヴェオ族からボロロ族へ
ガデュヴェオ族
ボロロ族

ナンビクワラ族の世界

アマゾニアで
ムンデ族
トゥピ=カワイブ族

帰途

訳者あとがき

■引用

「私が撮った写真のネガは、あらゆる感覚や、筋肉や脳が関与している体験の一部をなしていない。ネガは、体験を想起する手がかりであるに過ぎない。私が見たり出逢ったりしたことを今も私が憶えている、だがどこで、いつだったのか、あまり古いことなので思い出せるとは限らない、いきものや、風景や、出来事の手がかりなのである。そうしたものが確かにあったということを、写真資料は私に証してくれるが、それらのものについて私に物語ってくれたり、それらのものを私の感覚のうちに戻してはくれない」(p9)

「19世紀に学術調査の旅や民族学的調査はじまると、インディアン社会の現状は「発見」されたときの状態をそのまま延長したものだという錯覚が頑なに定着してしまった。旅行者や学者も、それを認めたのである。」(p12)

「ボロロの若者たちが彼らの神話や儀礼について学ぶのは、宣教師の学校なのだが、はじめ彼らが抹殺しようとしてそれなりに成功した一つの文化を、こんどは当の宣教師たちが保存する役にまわるとは、奇妙な逆転ではある。しかし伝統芸術の傑作である羽の頭飾りは、傷むのを恐れて宣教師たちは仕舞いこんでしまい、どうしても必要なとき以外、インディアンには渡さないようにしている。羽の頭飾りを作り直すことは、だんだんむずかしくなってきているが、それというのも、金剛インコや鸚鵡や他の色の鮮やかな鳥たちもまた、次第に姿を消しつつあるからだ。」(p17)

「1939年のはじめ、私がナンビクワラ族のところから、私の向こう見ずなたびの道連れだった二匹の猿と一緒に、サン・パウロについたときには、この町で最高の豪華ホテルだった、エスプラナーダ・ホテルは、私が猿の動物園ごと宿泊する一室を、何の問題もなく、注意を与えさえしないで、私に用意してくれた。」(p21)

■言及

◆鈴木 一誌 20020900 「プリズムとしての人類学者」,『画面の誕生』, みすず書房


*作成:近藤 宏
UP:20080505 
Levi-Strauss,Claude  ◇身体×世界:関連書籍   ◇BOOK
 
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