『母とともに治す登校拒否――母子分離不安の治療研究』
黒川 昭登 19931209 岩崎学術出版社,230p.
■黒川 昭登 19931209 『母とともに治す登校拒否――母子分離不安の治療研究』,岩崎学術出版社,230p. ISBN-10: 4753393186 ISBN-13: 978-4753393183 \3990 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
現在,さまざまな出版物や情報が出回っている。何が正しいのか判断するためには,本書以外も読まれたらよいのであるが,「学校に行かないで生きる」ことを主張している意見や本は,治療には役に立たない。登校拒否は絶対治る。
■目次
まえがき
1章 登校拒否こうすれば治る
登校拒否を放置して将来を楽観できるか
事例1、登校拒否の女児、小学一年生
事例2、登校拒否の男児、小学五年生
2章 乳幼児期(子宮外胎児期)の重要性――母子関係の障害に由来する症状
乳幼児は退治と同じ保護を必要とする
皮膚接触の重要性
気管支喘息
睡眠障害
3章 母子関係の具体的な理解――基地としての母と探検家としての子
安全地帯としての母親
愛着
疎遠
「良い子」という性格の殻はどうしてできるか
不安定性愛着
治療とは何か(基地と探検家の関係の改善)
東京拒否児に特有な「自力救済」の態度
根源的信頼感
誘発性葛藤心身反応
母性喪失の母の場合
4章 子どもの幼少期についての子どもと母の回顧
子どもによる幼児期の回顧
母親による子どもの過去の回顧
親子間のコミュニケーション
5章 母性喪失とは何か
二種類の母性喪失
母性とは何か・母性性の獲得
交換と交換不在
真性のの母性喪失の母
手段的な親と表現的な親
生育歴と葛藤
状況性の母性喪失
6章 分離不安と母子関係
登校拒否の思春期型と分離不安型
心的外傷
分離不安とは何か
チェーン現象とは
反映的交換
父親では子どもの愛情欲求は充足できないか
ケースの概要(中学二年女子の登校拒否)
7章 登校拒否のまま成人した人の問題
思春期以降に発症した分離不安型の登校拒否
登校拒否のまま成人する人
成人した子の疎遠
無意味観と怒り
自己表出の制止、恐怖、不安
精神内界と社会関係の悪循環
男女関係について
8章 治療方法の基本原則
母親が大切である
状況内存在としての人・相互性
真実が大切である
子どもを可愛がれば退行現象が起こる
新芽を木枯らしで枯れさせてはならぬ
きょうだいげんかはどうするか
行動は許される、許さぬことは許されぬ
直接治療を受けなくても登校拒否が治った例
構造ある面接と構造なき面接
9章 登校拒否のまま成人した人の治療
人格発達という視点、症状を喜べ
登校拒否が治らずに成人した女性のケース
治療の経過
参考文献
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治