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『誰が風を見たか――ある精神科医の生涯』



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台 弘(臺 弘)  19931127 『誰が風を見たか――ある精神科医の生涯』,星和書店,335p. ISBN-10: 4791102622 ISBN-13: 978-4791102624 [amazon][kinokuniya] ※ m.

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内容(「MARC」データベースより)
著者の研究の発展を物語ったものであると共に、人生行路を導いた主題の探求。「誰が風を見たか」と題した生活史を第一部とし、「分裂病に学ぶ」の研究史を第二部として構成した一冊。

■目次

はしがき

第1部 誰が風を見たか
  I.ある日本人の素性
     (1)同性の人々
     (2)歴史のミキサー
  II.自分を見出すまで
     (1)大正の小学生
     (2)前思春期の中学生
  III.赤い30年代
  IV.結婚と応召
  V.ある軍医の戦争日記1.自動車隊
     (1)一〇三八部隊
     (2)ベトナムへ、「銀の匙」と軍用列車M7
     (3)開戦前夜
  VI.戦争日記2.カンボジアからタイへ
     (1)クリスマスの夜
     (2)バンコクの正月
  VII.戦争に木3.マレイ半島の日々
     (1)反戦軍医の苦悩
     (2)熱帯医学のにわか勉強
     (3)ウル・ティラムのジギジギ
     (4)戦局の暗転
  VIII.戦争日記4.パラオの生と死
     (1)パラオ諸島とは
     (2)パラオの初空襲
     (3)パラオ諸島の防衛戦
     (4)孤島の飢餓
     (5)急性出血性脳脊髄炎
  IX.戦後の松沢病院
     (1)松沢病院労働組合
     (2)「私の大学」
     (3)南3治療計画と火災
  X.新米教授の前橋生活
     (1)精神医学と医療の教育
     (2)精神科の薬物療法
     (3)行動医学研究施設
  11.東京大学と学園紛争
     (1)東大への転任
     (2)教授と研修医の専門医
     (3)大学紛争と学会の混乱
     (4)精神化紛争の反精神医学
  12.豊な60歳
     (1)外来と工場と保健所で
     (2)分裂病の理論と若い研究者たち
  13.老年現象
  14.わが生と死

第2部 激動の社会の中で分裂病にまなぶ
  I.はじめに
  II.遍歴時代
  III.分裂病の生物学的研究
  IV.治療についての考察??閑話休題
  V.再発予防五ヵ年計画と生活臨床
  VI.行動研究
  VII.「人体実験」問題
  VIII.行動異常と精神化学との関連
  IX.分裂病の長期転帰
  X.地域における精神保健――外来治療について

■引用

 「イギリスでは、福祉国家の理念が早くから行き渡っていたので、国民保険サービス(NHS)の傘の下に精神病者の脱施設化と地域医療が進んでおり、治療共同体の試みもなされていた。そこで、反精神医学の主張も現実的な提案になるなら、それを受け止めるだけのゆとりがあった。
 イタリアでは、バザーリアの急進的な提案は政治を巻き込んで、精神病院廃止を立法させるに至ったが、地域医療の背景の整わない多くの地域では混乱が生じたという。他方、トリエステのように立派な範例も作られている。
 ドイツ・フランス・スカンジナヴィアなどの国々では、精神科医療の社会科が一段と進んだ形で、衝撃を吸収したようである。
 アメリカの広い国柄ではいろいろの反応があったようだが、元々精神分析の影響が強かった土地柄だけに、反精神医学には揺るがされず、逆に全体として生物学的精神医学に大きく傾くという反作用の方が強く現れた。
 日本では、時代遅れの精神衛生体制の下に、私立精神病院中心で経営上に患者を商品化することを免れなかったから、精神病院スキャンダルが頻発し、反精神医学は精神科医療の脆弱性、反医療性を直撃することができた。」(台[1993:212])

■言及

◆立岩 真也 20080701- 「身体の現代」,『みすず』50-7(2008-7 no.562):32-41から連載 資料


*作成:阿部 あかね本岡 大和
UP:20090306 REV: 20090422, 20090819,20100710
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