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野村 正満 編 19930730 海鳴社,206p. 1700 ■野村 正満 編 19930730 『骨髄移植の現場から』,海鳴社,206p. ISBN:4875251556 ISBN-13: 978-4875251552 1700 [amazon] m32 ■出版社/著者からの内容紹介 骨髄バンクの現状、移植の可能性と限界、化学療法との比較など治療の選択法を示す。いのちと医療を考える・連絡会のフォーラムの報告から。 ■内容(「BOOK」データベースより) 九二年七月、骨髄移植を学ぶフォーラムが患者家族からなる「いのちと医療を考える・連絡会」の主催で開催された。その報告をまとめ、加筆した本書は、日本の骨髄バンクの現状を示すとともに、骨髄移植の可能性とその限界、化学療法との治療成績の比較、患者家族がいつどのような治療法を自ら選択すべきか、などを明らかにする。 ■内容(「MARC」データベースより) 92年7月、骨髄移植を学ぶフォーラムが患者家族からなる「いのちと医療を考える・連絡会」の主催で開催された。その報告をまとめ、加筆したもので日本の骨髄バンクの現状を示す。 ■目次 はじめに 第一章 骨髄移植とその適応症 ◇ 治療法の今、明日の選択肢 ◇ 無菌室治療の看護 第二章 日本の骨髄バンク ◇ 日本の非血縁者間骨髄移植 ◇ 骨髄移植の現状と今後、そして非血縁者間骨髄移植の展望 第三章 血液疾患の多様な治療法 ◇ 骨髄移植の決断、化学療法との比較 ◇ 末梢血幹細胞手術 第四章 白血病と再生不良性貧血 ◇ 再生不良性貧血の治療 ◇ 白血病の治療法の決定 第五章 骨髄バンクの現状と課題 あとがき フォーラムを開催して ■引用 第二章 日本の骨髄バンク ◇日本の非血縁者間骨髄移植(pp52-64) ◆日本の「非血縁者間骨髄移植」はじまり 「不特定多数の患者さんのためにボランティアとして骨髄を提供していただこう、そこに、それを仲介する機構としての公的な骨髄バンクの発祥の源があるわけです。」(p53) ☆民間バンクから公的骨髄バンクへ 「東海骨髄バンクでは、最終的に五五例の非血縁者間骨髄移植が行われた。首都圏・関西圏ではなく、名古屋を中心にした東海地区で日本の公的骨髄バンクの先がけともなった民間のこの東海骨髄バンクは、医師も含めてすべてがボランティアによって運営されてきた。」(p.64) ◇骨髄移植の現状と今後、そして非血縁者間骨髄移植の展望(pp.65-84) ◆日本の公的骨髄バンク 「この公的バンク機構は厚生省が主導していますが、患者とのかかわり合い、ドナーとのかかわり合いに関しては、あくまでも国民が主体となっています。またドナーの情報は、日本赤十字社が「骨髄データセンター」を組織し管理しているわけです。」(p.77) 「業務部門の中央調整委員会を中心に、 「全国各ブロックの代表からなる中央調整委員会では、常時、公平な立場で移植が可能かどうかを慎重にチェックしながら、仕事を進めているわけです。」(p.80) ☆骨髄バンクのシステム 「骨髄バンクのシステムでは、レシピエントとドナーの双方共に、相手がだれであるのかの情報はいっさい知らされないことになっている。それは、両者に相手がだれであるかが分かることにより、不要な心遣いをさせないためである。例えば、必ずしも移植の結果が良くなかった場合、ドナーに心理的な負担を与えない配慮でもあり、骨髄をもらったということで、レシピエントがドナーに対して心理的重荷を背負わなくてすむようにという考えからである。これは骨髄提供があくまでもボランティアの善意から行われるものだからである。」(p.77) ◆公的骨髄バンクの課題 ○ドナーの負担の軽減 「ドナーは見ず知らずの方を助けようと身を捧げてくださる善意のボランティアです。このようなドナーの方への負担は、決して小さなものではありません。まず、骨髄提供のために仕事を休まなければなりません。また、採取には麻酔を使いますから、事故がまったくないとは言い切れません。そのようなドナーの方々に対して、精神的なサポートも含めた ☆ドナーの事故 「実は、このフォーラムから一ヵ月も経たないうちにマスコミ報道により、骨髄提供にともなうドナー事故があったことが明らかになった。それは一九九〇年一一月に、都内の病院の三七歳の白血病の兄に一卵性双生児の弟がドナーとして骨髄採取直後に、意識不明になったというものである。ドナーはその後意識を回復することなく、一九九二年八月に死亡した。病院では事故後、院外の専門家も含めた事故究明委員会を設置し「何らかの原因による特異な神経原性ショック、およびそれに続く高度の無酸素脳症により、意識不明に陥った」と結論した。要するに、原因はよく分らないということだが、ドナーが麻酔の状態にあり、麻酔にともなう事故であったと考えてさしつかえないと思う。これまでに採取時の麻酔事故の可能性は指摘されてきたが、これが日本で初めての麻酔事故となった。 麻酔技術は最近大きく進歩してきて、はっきりとしたデータではないが、致命的な事故はおそらく数万件に一件の割合であろうと言われている。しかも通常、麻酔は治療のために肉体的に疾患のある患者に施されるものであり、骨髄ドナーのように健常者に行われるものではない。健常者の麻酔事故の確立は、恐らくもう一桁低いものになるであろうと言われている。しかし、そのきわめて低い確率の事故が起き、恐れていた事態が現実のものになってしまった。」(p.81) ○コーディネーターの育成 「現行システムのいちばん大きな問題は、コーディネーターが今のところ移植医であるということかも知れません。移植医がコーディネーターをやるのでは、公平性が保たれるかどうか心配です。コーディネーターは、将来はどうしても移植医以外の人から養成していかなければならないでしょう。このために、コーディネーター研修コースと認定制度を早く確立しなくてはならないのです。」(p.82) ☆コーディネーターとは 「コーディネートとは、レシピエントとドナーを結び付けることを意味する。その仲立ちをするのがコーディネーターである。ドナーに骨髄移植と骨髄提供の中味を説明して、骨髄提供の同意を得て、最終的に骨髄採取にいたるまで、ドナーの立場に立って、面倒を見る役目を担っている。コーディネーターは、レシピエントが前処置に入る前であれば、ドナーはいつでも骨髄提供を拒否できる、ということも説明しなければならない。」(p.83) ☆非血縁者間骨髄移植における今後の課題 (p.80の表5より抜粋) 1 ドナーの負担の軽減 @ 造血幹細胞の増幅・保存法の確立 A 十分な保障制度の確立 2 移植成績の向上 @ ドナー決定までの期間の短縮 A 拒絶、GVHDなどの予防、治療法の確立 3 コーディネーターの養成 @ 研修コースと認定制度の確立 4 移植センターの確立 第五章 骨髄バンクの現状と課題 ◆充実した骨髄バンクにしていくために 「骨髄バンクは、骨髄を提供してもよろしいというドナー登録者があって初めて成り立つものである。日本の公的骨髄バンクは、五年間に一〇万人のドナー登録者を目標に置いている。一〇万人のドナー登録があれば、九〇パーセントの患者にドナーが見つかるからである。」(p.180) 「これからますます骨髄バンクの存在を理解してもらい、一〇万人のドナー登録を達成するには、国民に広く訴えかけていく普及啓発活動が欠かせないであろう。わが国の公的骨髄バンク事業は、財団法人骨髄移植推進財団を中心に行われている。財団は、ドナー募集のために普及啓発活動を担当するほか、患者登録やコーディネート業務を行うことになっている。またドナーの検査受付やHLAデータの管理は、日本赤十字社が血液センター内に骨髄データセンターを設置して行うことになっている。」(p.181) 「この業務の中心的存在の財団は、常勤職員がほんの数名で、何しろ人が少ない。……そこで力を発揮するのは、これまで公的骨髄バンクの設立を目指して運動を続けてきたボランティアたちである。全国のボランティアが、財団ができたあ<181<とはドナー登録を呼びかける骨髄バンク支援運動の先端に立っている。ボランティア抜きで骨髄バンク事業の推進は到底無理な状況である。」(pp.181-182) 「それに財団にはお金がない。……発足から一年経った一九九二年末現在の基金は二億円となったが、日本の骨髄バンク事業は、こうして少ない基金と、少しばかりの補助金、患者・家族を含む個人の寄付によって運営されているのである。」(p.182) UP:20080208 REV: ◇骨髄移植 ◇臓器移植 (organ transplantation) ◇身体×世界:関連書籍 ◇BOOK |