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『国家・民俗・アイデンティティー――アラブ社会の国民形成』

酒井 啓子 編 19930305 アジア経済研究所,280p.


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■酒井 啓子 編 19930305 『国家・民俗・アイデンティティー――アラブ社会の国民形成』,アジア経済研究所,280p. ISBN-10: 425804427X ISBN-13: 978-4258044276 \3500 [amazon][kinokuniya]

■内容
内容(「MARC」データベースより)
アジア経済研究所中東総合研究プロジェクト・チームの平成3年度研究会「アラブ諸国の帰属意識と政治活動」の成果をまとめた本。アラブ・イスラーム社会の住民のアイデンティティー選択が「近代国家」による統治の中でいかになされてきたかに注目している。

■目次
はしがき
序章 国家・部族・アイデンティティー
 第1節 アラブ社会における「近代・国家」システム
 第2節 「近代・国家」システムと伝統社会
 第3節 「部族」社会に関する若干の考察
 第4節 本書の構成
第1章 ナショナル・アイデンティティーとしての部族意識―サウディアラビアを中心に―
 はじめに
 第1節 国家への帰属意識とアサビーヤ
  1.統治支配層と部族勢力
  2.半島と部族主義
  3.サウディ人の自己認識のパターン
  4.部族的忠誠心と国家に対する忠誠心
 第2節 遊牧部族の定着化に対するサウド家の諸政策
  1.アラビア半島平定・統合の秘密
  2.第1の実験:「イフワーン団」の創設
  3.第2の実験:巨大農業プロジェクトの実施
  4.第3の実験:部族の領域の排他的権利の廃止と,部族への土地分配に関する2つの勅令
  5.ジュハイマンの反乱と土地問題
  6.サウド家の遊牧部族への抜き難い不信感
 第3節 サウド家の直面する部族問題
  1.地方行政機構と部族側の伝統
  2.政策決定過程への参画システム
  3.地方分権化と部族問題
  4.反体制派勢力としての部族
 おわりに
第2章 イラクにおける国家形成と政治組織
 はじめに
 第1節 オスマン末期から英国支配に係るイラクにおける政治活動の概観
  1.イラク地方の初期政治活動(1908〜18年)
  2.反映抵抗運動に至る政治運動(1918〜20年)
 第2節 各政治組織のネットワークと「国家」意識:既存の伝統的ネットワーク
  1.部族的ネットワーク形成
  2.宗教的ネットワーク形成
 第3節 政治組織における重層的ネットワーク形成
  1.個人の権力基盤をもとにしたネットワーク形成
  2.切り離された「イラク志向」
  3.伝統的ネットワークの連合体としての「イラク志向」
 おわりに
第3章 ヨルダンの「国民」形成―トランスヨルダン成立期を中心にして―
 はじめに
 第1節 トランスヨルダンに先行する社会状況
  1.オスマン帝国統治下のトランスヨルダン
  2.カラクの反乱
 第2節 トランスヨルダン政府の成立
  1.概観
  2.トランスヨルダン期の内閣
 第3節 支配の正当性と地元勢力
  1.「国民」意識の萌芽
  2.「アラブ軍団」の発展
 おわりに
第4章 バフレーン人の誕生
 第1節 バフレーンの社会構成
 第2節 バフレーン近代史における宗派意識
  1.英国によるバフレーン介入の経緯
  2.アラビア半島との関係を巡る問題
  3.教育制度の改革
 第3節 民主主義とバフレーン「国民」意識
  1.ペルシア民族主義の影響
  2.青年運動と石油開発の持つ意味
  3.2つのアイデンティティーの相克
  4.「バフレーン人」アイデンティティーを洗う波
第5章 スーダン史上におけるウルーバの意味の変遷について
 はじめに
 第1節 前近代スーダンにおける「アラブ」・「黒人」差別の図式
 第2節 19世紀スーダンにおける「ウルーバ」の意味の不在
 第3節 英統治下スーダンにおける「ウルーバ」の諸相
 第4節 独立後のスーダンにおける「ウルーバ」
 おわりに
補章 トルコ・ナショナリズムに関する一考察―代表的研究の解題―
 はじめに
 第1節 近代化論的アプローチ
  1.初期のトルコ近代史研究
  2.ルイスの研究:ナショナリズム形成の通説
  3.ベルケスの研究
 第2節 ルイスとベルケスの視点、およびその限界
 第3節 近代化論をこえて
  1.1970年代以降のトルコ近代史研究
  2.新井の研究
  3.ランドーの研究
 おわりに
主要用語解説

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志 
UP:20090704 REV:
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