『社会福祉論』
古川 孝順・定藤 丈弘・庄司 洋子 19930330 有斐閣，477p.
■古川 孝順・定藤 丈弘・庄司 洋子 19930330 『社会福祉論』（有斐閣Sシリーズ 51），有斐閣，477p. ISBN-10: 4641059497 ISBN-13: 978-4641059498 2520 [amazon]／[kinokuniya] ※
■内容
■目次
1 社会福祉の概念と枠組
1 生活自助原則と生活保障問題
近代市民社会の生活原則
生活自助原則の限界
生活保障システム
生活保障システムの発展
生活保障システムの流動化
生活保障システムの構成
生活保障システムの位置づけ
2 社会福祉の概念
社会福祉の残余的モデルと制度的モデル
社会福祉政策の概念モデル
生活環境基盤としての社会福祉
社会福祉における補充と統合
3 社会福祉の社会統合的機能
4 社会福祉の社会制御機能
社会的秩序の維持
社会生産力の確保
国民的最低限の保障
5 社会福祉と関連領域
2 社会福祉の歴史的展開
1 重商主義と慈恵救済――貧民就労と救済――
中世社会の救貧制度
絶対王政化の貧民問題
初期救貧法の成立
エリザベス救貧法
初期救貧法の性格
定住法の制定
救援抑制効果と労役場テスト
2 自由主義と感化事業――救済の抑制と奨励――
救貧法の「人道主義」化
マルサスの救貧法批判
工場制度その規制
新救貧法の成立
友愛組合の奨励
慈善事業の発展と規制
3 帝国主義と社会事業――貧困の予防と保護――
拡大する失業と貧困
労働者保護施策の進展
失業者対策
救貧法外部における諸制度の発展
救貧法の微温的改革
社会保険の導入
民間救済機関の限界と転換
帝国主義と社会改良
4 現代社会と社会福祉?社会の統合と最低生活の保障
社会主義の理念と労働者保護
国家の介入と責任の拡大
社会保険と公的扶助――その融合と再編成
ベヴァリッジ報告
福祉国家の成立
ベヴァリッジ理念の後退
貧困の再発見
保険と扶助の統合
児童給付法の制定
対人的社会サービスの成立
所得保障と福祉サービス――その分離と交錯
3 戦後日本の社会福祉と福祉改革
1 社会福祉の前史――慈恵救済・感化救済・社会事業
戦前の社会保障システム
民間機関・施設への依存軍事扶助の優位
2 社会福祉の定礎――戦後福祉改革から国民皆保険・皆年金体制へ
GHQの対日福祉政策
戦後福祉改革の指導原理
福祉三法体制の成立
社会福祉事業法の制定
主権の回復と社会福祉の逆コース
国民皆保険・皆年金体制
3 社会福祉の拡大と抑制――パイの論理とその破綻――
高度経済成長と生活問題の拡大
社会福祉の新しい位置づけ
社会福祉社会福祉6法体制経済と社会開発
革新自治体の社会福祉施策コミュニティ形成と地域福祉型社会福祉への萌芽
地方自治体単独事業の国施策化
社会福祉施設の緊急整備
高齢化社会と年金制度の充実
4 福祉社会の転型――地方と地域の時代――
福祉国家理念の転落
行財政改革と日本型福祉社会論
行財政主導の福祉改革とその批判
社会福祉行財政改革の進行
社会福祉の分権化と地域化
供給主体の多元化―民間化―民間化と私営化
福祉サービスの総合化と普遍化
福祉八法改正
福祉改革の新たな段階
4 社会福祉の対象 (1) ――生活問題の視点と枠組
1 対象分析の意義
対象分析の次元
主体形成の契機
援助方法開発の契機
2 対象把握の方法
把握方法の発展
社会問題と社会的問題
生活問題の理論
福祉ニーズ論
3 社会問題の生成と対象化
社会問題の構成要件
2通りの社会問題理解
社会問題の認識主体
社会問題の政策対象化
4 生活問題の枠組
生活問題の担い手としての生活者
生活問題の社会的生成
社会問題の類型
5 生活障害の諸相
生活障害 (1) ――生活基盤の障害
生活障害 (2) ――生活能力の障害
生活障害 (3) ――生活関係の障害
生活障害 (4) ――生活環境の障害
5 社会福祉の対象 (2) ――生活問題の展開
1 現代家族と生活問題
家族の特質
家族の機能
近代家族における家族問題
家族の生活機能とその障害
2 生活の変容と生活問題の展開
「核家族化」と生活問題――家族の変容 (1)
ポスト核家族化と生活問題――家族の変容 (2)
都市化と生活問題――地域社会の変容 (1)
ポスト都市化と生活問題――地域社会の変容 (2)
生活様式の変容と生活問題
3 生活思想の深化
自立概念の点検
生活の主体者と自立
最低生活保障からQOLの追求へ
生活の全体性と自律性
生活の存立条件と形成
4 生活保障の課題
生活援助の領域
生活援助と自立
生活周期と生活援助
自立教育の必要性
生活保障における家族と個人
6 社会福祉の供給体制 (1) ――供給主体・配分原理・供給形態
1 供給の責任：分担と協働
(1) 供給体制と公的責任
(2) 公民関係の再調整
2 供給の主体：多元化と多様化
(1) 供給主体の類型
社会福祉サービスの供給主体別分類
公的・任意・営利サービスの位置づけ
公的社会サービスの再規定
(2) 公的福祉サービスの供給主体
(3) 任意福祉サービスの特質
(4) 生活サービス商品とその規制
3 配分の原理
(1) 選別主義――普遍主義論争 →選別主義・普遍主義
(2) 配分原理の多元性と重層的配分システム
4 供給の形態：現金給付とサービス給付
(1) 現金給付とサービス給付
(2) 現金給付の体系
(3) サービス給付の基本的性格
(4) サービス給付の特徴
7 社会福祉行政の枠組
(1) 国・都道府県・市区町村の役割
(2) 国の役割と責任
(3) 都道府県の役割と責任
都道府県の役割の変化
都道府県の役割
リージョナル・ミニマムの追求
(4) 市区町村の役割と責務
(5) 供給の機関
審議機関
事業実施機関
相談措置機関
事業経営機関
連絡調整機関
2 福祉サービスの施設体系
(1) 提供と利用の場による類型
(2) 入所型福祉サービス
(3) 施設体系の再編成
通所型福祉サービス
訪問型福祉サービス
在宅型福祉サービス
地域福祉型社会福祉の施設体系
社会福祉施設の適正配置
3 措置と利用の体制
(1) 措置としての福祉サービス
(2) 社会福祉の利用体制
4 受益と負担
(1) 社会福祉財政の仕組み
(2) 受益者負担制度
(3) 受益と負担の不均衡
8 社会福祉援助技術
1 社会福祉援助技術の体系
(1) 社会福祉援助技術の概念
枠組としての政策・制度体系
内容としての専門的援助活動体系
個別ニーズへの対応
対人福祉サービス・ニーズの比重増加
生活問題の深刻化・多様化への対応
援助技術の外延的拡大
(2) 社会福祉援助技術の基本的構成要素
固有の対象領域
価値・知識・技術の体系
展開過程
特定分野への特殊化
2 間接技術技術
1 コミュニティ・ワーク
コミュニティ・ワークの独自性
生活ニーズと社会資源の調整
各種組織団体・機関間の相互作用の促進
コミュニティの組織化
個人の人格や能力の発達への援助
住民参加機能
福祉コミュニティの組織化
2 社会福祉の管理運営
ソーシャル・アドミニストレーション
管理運営技術としてのアドミニストレイーション
援助技術としてのアドミニストレーション
アドミニストレーションの諸機能
機関・施設の社会化と民主的運営
3 社会福祉計画
社会福祉計画技法の発展
社会福祉計画の類型
社会福祉計画の諸科学
社会福祉計画の多様性・多次元化
社会福祉計画への参加と協働
4 社会福祉調査
社会調査としての社会福祉調査
ソーシャル・ワーク・リサーチ
社会福祉調査の諸側面
社会福祉調査の方法
社会福祉調査の展開手順
社会福祉政策の評価法としての社会調査
(3) その他の関連援助技術
カウンセリングと心理療法
ケース・マネジメント
ネットワーク技法/スーパービジョン
9 社会福祉の分野
1 公的扶助
(1) 公的扶助の理念
(2) 生活保護の制度体系
生活保護の原理
生活保護の原則
扶助の方法と種類
機関と手続き
(3) 生活保護の概況と課題
保護人数の動向
保護受給者減少の背景
貧困へ依存と自立の援助
2 児童福祉
(1) 児童福祉の理念
社会・家族・子ども
人格の主体としての子ども
養育責任の所在
児童福祉のニーズの性格
児童福祉と家族援助
(2) 児童福祉と体系と課題
児童福祉の法体系
児童福祉の構成
育成系サービス
保育慶サービス
療育系サービス
養護系サービス
3 高齢者福祉
(1) 高齢者福祉の基本理念
(2) 高齢者福祉の体系
福祉サービスの独自固有機能
家政的機能・サービス
社会参加・協同の促進
ソーシャル・ワーク的サービス
基盤的サービスの代替
(3) 高齢者福祉の課題
生活環境の整備
在宅福祉サービスの充実
在宅福祉サービスと家族の扶養・介護責任
社会的介護優先の施策化
施設福祉サービスの改善と多様化
社会的諸活動への主体的参加
4 障害者福祉
(1) 障害者福祉の基本理念
リハビリテーションの理念
ノーマリゼーションの理念
ノーマルな住環境水準の保証
共生社会の実現
反差別の思想
社会の人権化
メイン・ストリーミングの思想
自立生活 (IL) 思想
新たな「自立」観の構築
ADLの自立からQOLLの重視へ
自己決定権の行使としての自立
自立生活サポート・システムの確立
(2) 障害者福祉の体系
障害者福祉サービスの多様性
家政的サービス
社会参加・社会的協働機会促進サービス
ソーシャル・ワーク的サービス
代替的サービス
(3) 障害者福祉の課題
統合教育の拡大
アクセス権の保障
介護的ケアサービスの確立
自立支援サービス
グループホームの制度化
精神薄弱者の自立生活促進
施設福祉サービスの改善とノーマリゼーション化
10 社会福祉のマンパワー
1 社会福祉マンパワー論の概要
(1) 社会福祉の特質と社会福祉マンパワー
人間を対象とする労働分野としての社会福祉
社会福祉マンパワーの高度化
社会福祉実践の担い手
(2) 社会福祉マンパワーの領域と役割
広義の社会福祉従事者
社会福祉専門職業従事者
ミクロ・ソーシャル・ワーカー
ケア・ワーカー
社会福祉マンパワーの機能
民生・児童委員、ボランティア
2 社会福祉マンパワー問題の構造
(1) 社会福祉マンパワーの政策と状況
マンパワー政策への要請
労働条件の改善
賃金水準の改善
社会福祉専門職資格の法制化
(2) 人材確保政策の展開
マンパワー政策の推進
マンパワーの量的増大
マンパワーの多様化・質的変化
(3) 社会福祉マンパワーの今日的諸問題
賃金水準
労働時間
職員体制の不備
求人制度の不備
3 社会福祉マンパワーの専門職問題
(1) 専門職としての内的条件
専門職の基準
体系的な理論と技術
社会的承認
倫理要綱
専門職団体の組織化
(2) 専門職化のための外的条件
労働条件・労働環境の改善
組織と運営の民主化
研究・研修体制の整備
(3) 社会福祉マンパワーの専門職教育
専門職教育水準の充実
リカレント教育としての専門職教育
研究・教育・実践の有機的連携の強化
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：三野 宏治