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『精神保健と看護のための100か条

――精神保健のための50か条・精神科看護のための50か条』

中沢 正夫 19930208 萌文社,233p.

last update: 20110714

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中沢 正夫 19930208 『精神保健と看護のための100か条――精神保健のための50か条・精神科看護のための50か条』,萌文社,233p. ISBN-10: 4938631199 ISBN-13: 978-4938631192 1700 [amazon][kinokuniya] ※ m.

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(「MARC」データベースより) 精神保健、そして精神科看護について重要と思われる事項を50か条ずつ掲げている。患者との接し方などについて参考となる1冊。

■目次

精神保健のための50か条
精神科看護のための50か条

■引用

精神保健のための50か条
生活臨床 cf.生活臨床
 18条 科学的な生活指導技術を身につけよう
 19条 生活特徴のみつけ方
 20条 分裂病の生活のしかたのくせをしろう
 21条 患者係選定の重要さ
 22条 当面の働きかけのくみたて方

 「18条 科学的な生活指導技術を身につけよう

 「非人間的に患者を扱っては治らない」とよく言います。その通りです。しかしその逆は正しくありません。つまり人間的に扱えば扱う程、病気がよくなったり、再発が防げるかというと、そうはいきません。したがって、誠心誠意そのケースにとりくむだけでなく、ケースの再発を防ぎ生活を安定させる科学的な生活療法技術を身につけることが大切です。ヒューマニズムは、ケースとの悪戦苦闘の中にこそあるのであって唱えるものではありません。
 まずはじめに分裂病患者には能動型と受動型の二つのタイプがあることを知ってください。能動型は、今の生活ぶりにいつも不満で自ら生活の枠をひろげようとするタイプで、全体の七割を占めます。受動型は、現在の生活に安住しようとし、他人がうごかさぬかぎり生活をひろげようとしません(三割)。予後は圧倒的に受動型がよいのです。再発すると<0038<き、能動型は自らうごきすぎて失敗し、受動型は、周囲が生活をひろげすぎて破綻するという傾向があります。
 次にその患者のアキレス腱をさがさねばなりません。
 精神科は慢性病です。しかしだからといって環境の変化に鈍感なのではありません。患者をとりまく生活環境(人間も含めた)がうごくとき、急性に増悪したり軽快するのです。それはちょうどリュウマチににています。だから病状の変化とその人の生活の変化を因果的にみることが必要です。さてどういう生活上の変化がいったい、患者の病状を悪化させるのでしょう。それがその人のアキレス腱です。
 親が死んだとたんかえって病気がよくなったり、失恋してケロッとしていたり、どうも "大ショック" に対しては全部の患者が反応しません。逆に私達から考えるととるにたらないようなことであっけなく病気が悪化します。このとるにたらないような "生活の出来ごと" をまとめてみますと、患者さんのアキレス腱がうかび上ります。たとえ、他人からみてとるにたらぬことでも、そこをつかれるとあっという間に悪化してしまうのです。それを『生活特徴』といいます。大きくわけると三つあります。@縁談、恋愛、性生活など、主に異性とのかかわりあいによって生じる出来ごと、A財産、損得、借金など……生活の経済的側面を代表するもの、 B学歴、資料、男らしさ、出世など社会的地位に関する出来<0039<ごとです。誰にとっても生きるよりどころ、張り合いであり、評判をおとしたくない点(その人の価値意識)です。分裂病者は、ここをつかれるとあっという間に再発するのです。そしてこのことに多くの患者さんは気づきません。だから一人一人の患者さんのこの生活特徴をつかまなくてはなりません。これが在宅生活指導のキーポイントです。このアキレス腱をみつけてしまえば指導や助言がしやすくなります。」(中沢[1993:39-40])


UP:20110714 REV:
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