『女性と税制――ジェンダーにみる福祉国家の再構築』
Scott, Claudia ed. 1993 Women and Taxation, Victoria University of Wellington
=19991014 古郡 鞆子編訳,『女性と税制――ジェンダーにみる福祉国家の再構築』,東洋経済新報社,216p.
■Scott, Claudia ed. 1993 Women and Taxation, Victoria University of Wellington=19991014 古郡 鞆子編訳,『女性と税制――ジェンダーにみる福祉国家の再構築』,東洋経済新報社,216p. ISBN-10: 4492610391 ISBN-13: 978-4492610398 \3360 [amazon]/[kinokuniya] p0601
■内容紹介
ブックレビュー社
福祉国家として名高いニュージーランドが1980年代から行った福祉政策の変換に伴う税制改革の分析
ニュージーランドは,スウェーデンやデンマークと並んで,福祉国家として名高く,婦人参政権(投票権)も100年前(1893年)から認められている国家である。世界で最初に家族(児童)手当法を制定した国でもあり(1926年),しかもそれは,児童数や所得に関係なく,すべての児童に支給されるという, 画期的なものだった。政府支出の半分以上が社会教育給付費に費やされていた。
しかし,1970年代,後ろ楯の英国の農産物輸出の特恵がなくなり,石油危機に見舞われ,物価は上昇して,経済成長もマイナスになると,社会保障が財政赤字を生み出し,1980年代,大幅な経済改革が行われた。家族手当法も大幅に改正されて,社会福祉の受給資格の制限が厳しくなり,貧困層の多い女性の生活を直撃しはじめた。
本書では,統計数字の分析を通して,ニュージーランドの女性の労働実態と,福祉政策の改革がそれに与えた影響を見る。翻訳は訳者が文章を補いつつ行っているので,馴染みの薄いニュージーランドの話題であるのにもかかわらず,分かりやすい。 (フリーランスライター 杉山 由美子)
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出版社/著者からの内容紹介
福祉国家ニュージーランドで実施された税制改革が女性・家族に与えた影響を詳細に分析。現代日本の女性が直面する労働・福祉問題と関連する興味深い研究。
内容(「BOOK」データベースより)
労働市場の偏在、家族の育児・介護、キャリアの中断etc.―女性の社会進出には制約が依然として多い。福祉政策見直しの中で、税制はどのような影響を及ぼすのか。
内容(「MARC」データベースより)
労働市場の偏在、家族の育児・介護、キャリアの中断など、女性の社会進出には制約が依然として多い。福祉政策見直しの中で、税制はどのような影響を及ぼすのか、ニュージーランドの現状を紹介する。〈ソフトカバー〉
■紹介・言及
◆立岩 真也 2008-2009 「税制について」,『現代思想』 資料
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◆立岩 真也 編 2009 『税を直す』,青土社
*作成:橋口 昌治