−−−−− Lock Margaret『更年期――日本女性が語るローカルバイオロジー』
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『更年期――日本女性が語るローカルバイオロジー』

Lock, Margaret〔マーガレット・ロック〕1993 Encounters with Aging――Mythologies of Menopause in Japan and North Ameria,University of California Press,
=20050906 江口 重幸・山村 宣子・北中 淳子 訳,みすず書房,446p


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■Lock, Margaret〔マーガレット・ロック〕1993 Encounters with Aging――Mythologies of Menopause in Japan and North Ameria,University of California Press,
=20050906 江口 重幸・山村 宣子・北中 淳子 訳 『更年期――日本女性が語るローカル・バイオロジー』,みすず書房,446p ISBN-10:4622071614  \5600[amazon][kinokuniya] ※ ma a06

■内容

出版社による紹介
近年、更年期を閉経以降の女性ホルモン“欠乏”と関連付けられている西洋医学的概念「メノポーズ」と基本的に同一視し、医療かする趨勢が強まっている。著者は、医療化が始まる直前の1980年代に、当時更年期に該当していた日本女性を対象として医療人類学的調査をおこなった。そこでは意外にも、北米で言うメノポーズと日本の更年期との間に、身体症状の明白な違いがあることが示された。著者は<語り>の分析をとおして、「メノポーズ=更年期」という図式や、「暇人の病」など、更年期に絡みつく神話をねばり強く解体してゆく。
本書が取り上げている“昭和一桁”世代の女性の語りから浮かび上がるのは、混乱期に生まれ、世界観の激変のなかをひたむきに生きてきた女性たちの個人誌、そしてあくまでその個人史と結びついた「更年期」の自覚症状の出現である。著者は「以上とされるのは更年期自体ではない。・・・・・・更年期は圧倒的に社会的カテゴリーなのであ」ると指摘する。
では更年期に現れる身体症状とは何なのか?そこで本書が提示するのは「ローカルバイオロジー」という鍵概念である。更年期というカテゴリーの独自性を十二分に示したのち、後半で作者は、「もし更年期を日本の歴史と文化の産物と見るならば、なぜメノポーズを西欧文化の産物と考えてはいけないのだろうか?」と問いを逆転させる。そして、西欧の医学史・文化史を辿る周到な議論によって、「メノポーズ」という概念から“生物学的普遍性”の御墨付を引き剥がすのである。これを受けて最終章は、メノポーズにたいするホルモン補充療法のリスクーベネフィットを再考し、治療方針に関する具体的提言を行っている。この事例はまた、ローカル・バイオロジーの視点からの、西洋医学的治療のリスクーベネフィットの再検討という、普遍的な課題の存在を示している。」
■目次

日本語版まえがき
プロローグ 科学的言説と女性の老化

第1部 日本――成熟と更年期
第1章 人生の変わり目――定まらない定義
第2章 確立から見た更年期
第3章 あきらめ、抵抗、満足――成熟という語り
第4章 現代の病理
第5章 揺れるしつけと病む家族
第6章 怠惰な専業主婦という幻想
第7章 規格から外れた女たち
第8章 自己統制と身体調整
第9章 ありきたりの発言の裏にあるもの――抵抗という儀礼
第10章 更年期を治療する

第2部 「回避すべき時期」から「欠乏症」へ
第11章 メノポーズはどのようにつくられたか
第12章 自然=本性に反して――メノポーズは老いと衰えの前触れ
第13章 加齢=老化の政治学――不死の閃光

*作成:近藤 宏
 
UP:20081002
医療人類学  ◇老い  ◇身体×世界:関連書籍 1990'  ◇BOOK
 
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