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A.Hカッツ 19970710 岩崎学術出版社,177 p. ■Katz,Alfred H. 1993 Self-help in America : a social movement perspective=19970710 久保紘章監訳,『セルフヘルプ・グループ』岩崎学術出版社,177 p. ISBN-10: 4753397068 ISBN-13: 978-4753397068 【品切】 [amazon] ■内容(「BOOK」データベースより) 本書では、セルフヘルプ・グループがなぜ今の時代に重要なものとなったかを詳しく見る。本書で著者がこれまでこだわってきた組織の原理に関して、最近の2つの主要なセルフヘルプ・グループ―12ステップと非12ステップ―の特徴を簡単に述べ、比較しながら考えていく。また、人間の行動と動機づけについていくつかの基本的に確信していることを述べる。 内容(「MARC」データベースより) 20世紀後半になってセルフヘルプ・グループは活発でめざましい発展を遂げた。組織の原理に関して最近の2つの主要なグループの特徴を述べ、比較しながら、なぜ今の時代に重要なものとなったかを検証。〈ソフトカバー〉 ■目次 セルフヘルプ・グループの2つのタイプ セルフヘルプ・グループに共通にみられる特徴 セルフヘルプ・グループの機能 セルフヘルプ・グループの2つの成功例 リーダーシップ・成長パターン・イデオロギーの役割 セルフヘルプ・グループと専門職の関係 セルフヘルプ・グループにおけるポピュリズムとソーシャル・アクション セルフヘルプ・グループと公的施策 社会運動としてのセルフヘルプ・グループ ■紹介・引用 (セルフヘルプ・グループの「効用」と「効かない場合」) 「認知の再構築 1.問題や悩み、それに対応していくグループの方法に対して、メンバーに論理的根拠を「提供する」。それによって、経験からくる神秘性を取り除いたり、また変化や援助などに対する期待を増していくことになる。 2.日常的で、手段的な情報やアドバイスを「提供する」。 3.メンバーが自分の問題や環境について選択できる知覚の範囲を広げたり、問題などに対処していけるように行動の範囲を「広げる」。 4.生きていくなかで予測できない刺激やできごとに対して、メンバーが自分で見極めていく能力を「高める」。 5.サポートされることによって、メンバー自身や自分の行動、社会に向かう態度が変化する。 6.他の人との比較や根拠を確かめることを通して、メンバー問題や経験に関する孤立感や自分だけであるという思いを「減少させたり、なくしたりする」。 7.メンバーが自尊心に基礎を置くことができるパーソナル・アイデンティティや新しい規範について新しい定義を発達させ、それにかわる文化と社会的構造の発達が「可能となる」1)。」(pp.28-29) 「適応技術の学習 レヴィの分析では、「日常的で、手段的な情報とアドバイス」を提供すると言っている。日常的とは、そのグループがメンバーにとって役立つようにすることを意味している」(p.30) 「いくつかのグループでの特別な利点は、問題への対応の段階が異なっている人々が混ざり合って構成されているということにある。新しいメンバーは、同じような不安の段階を通ってきた人たちから、援助の情報源を学んでいる。そして、それに対処するさまざまな経験を関連づけられるようになる。」(p.31) 「情緒的サポート [1]正の強化(中略) [2]わかちあい(中略) [3]フィードバックの提供(中略) [4]能力の再保証(中略) [5]正当化(中略) [6]相互肯定(中略) [7]共感(中略) [8]ノーマリゼーション(中略) [9]少しずつ希望を注ぎ込むこと(中略) [10]カタルシス(中略)」(p.33) 「個人的な開示 セルフヘルプ・グループでの自己開示は、告白の側面をもっている。(中略)内容が恥ずかしいことであったり、ショッキングに思われることでも、受容的で非審判的な、寛容な態度をもってサポートし続けることは、たいていの12ステップグループ、またいくつかの非12ステップグループのキーとなる特徴である。これらのグループは、情緒的なサポートで強調し、わかちあいや開示を奨励している。」(p.34) 「社会化 第2章でも引用したように、グループの援助機能としてグループメンバーからの言葉が、社会的な孤立感にある人や家族が立ち直る上でどれほど重要であるかがわかる。悩んでいる人に典型的に見られる最初の強烈な反応は、「なぜ私に起こったのか」である。この反応は、しばしば、(a)他の誰もこの問題をもっていない、(b)誰もこの問題の意味を理解してくれない、(c)誰も問題を克服する上で助けにならない、という思いこみとなって社会から身を退くようになる。そのような孤立感は、多くの問題を自分で背負っている人の大きな負担の一つになる。とりわけその「問題」が社会的なスティグマを伴う場合にはなおさらである。人が孤立を克服する上で助けとなるのは社会化とグループに溶け込むことだろうが、これは一般的には専門職による個人セラピーによっては手に入れることができない。」(p.35) 「一緒に活動をすること」(p.36) 「セルフヘルプ・グループから利益を得ていると感じている人たちは、「のめり込む」「貢献している」「グループのために何かをしている」などと話す。たいていのグループでは、さまざまな活動に参加する機会が与えられている。たとえばグループの「会報」にとりくむ、特別の行事の案内の印刷やコピーをとる手伝いをする、専門職、一般の人、潜在的なメンバーからの質問に答える、他のグループや地域の影響力のある人たちと接触をとる、新聞発表や他の広報活動をする、などの活動である。喜んでする気になれば、メンバーたちが引き受ける仕事はたくさんある。ここでの重要なポイントは、活動を分かちあうことである。こういった経験は孤立感を取り除き、新しい友情が生まれる機会を提供する。」(p.38) 「エンパワーメント・自己信頼・自尊心」(p.38) 「セルフヘルプ・グループ活動の多くは、はっきりとまたは間接的に、メンバーの自己概念と自尊心に積極的に影響を与えるように計画されている。次に述べることはすべて、自己概念と自尊心に積極的に影響を与える。つまり、その人の知覚や態度を変えること、情報を手に入れること、コーピング技術を学習すること、情緒面のサポートをすること、傾聴すること、グループの中で他者を援助するために自分自身の経験を活用すること、グループの課題をうまく行うこと、などである。個人の自己信頼の成長は、グループの自己信頼の成長と平行して起こっている。メンバーは、自分の個人的な問題を解決したり、対処できるようになると感じており、またグループがお互いを結びつけている共通の問題を解決していくために、効果的な媒介物であると感じる。」(p.39) 「「エンパワーメント」は、女性、高齢者、同性愛、その他のさまざまなマイノリティ・グループの運動のように、多くの良く知られた社会運動の目的を手短に記述するのにとてもよい方法となっている。メンバーのエンパワーメントは、意志的に得ようとしているかどうかはともかく、多くのセルフヘルプ・グループに、はっきりと起こっている。とりわけ、成功し、持続しているグループはそうである。本章および次章の多くの記述の中で強調しているのは、以前には孤立し無力だった人がセルフヘルプ・グループの中でエンパワーしたという点である。」(p.40) 「第4章 セルフヘルプ・グループの機能」(p.41) 「セルフヘルプ・グループのメンバーになったり参加したりする人のほとんどは、個人的な苦悩や不安をもち、自分の問題にひとりで対処することが困難、あるいは不可能であると感じ、他者からの援助や支援を求めている。彼らの精神的、肉体的な苦痛はしばしば関連しあっている。社会的撤退や拒絶感あるいは運命づけられた不当な苦しみは、苦悩と痛みを伴う。グループへの参加は、苦悩や孤立を他者による受容と理解の感覚に置き換える特効薬と見なされるかもしれない。」(p.42) 「社会的学習理論 役割モデリング Role Modeling」(p.45) 「社会的比較 Social Comparison」(p.46) 「自己効力 Self-Efficacy」(p.47) 「象徴的モデリング Symbolic Modeling」(p.47) 「集団効力 Collective Efficacy:ソーシャルサポート Social Support」(p.47) 「セルフヘルプ・グループと専門職の相互理解について」(p.91) 「レオン・レヴィが精神科領域の専門職数百人に対して郵送法で全国規模の調査を行い、次のような肯定的な態度を見出している。回答者の84%は自分の知っているセルフヘルプ・グループを少なくとも「平均的な効果がある」と信じており、47%は地域の精神保健プログラムを発展させるためにセルフヘルプ・グループが重要あるいは非常に重要な役割を果たしていると信じている11」。」(p.94) (セルフヘルプ・グループが持つ危険性) 「専門職の観点 セルフヘルプ・グループがおちいりやすい危険性」(p.94) 「専門家たちは、セルフヘルプ・グループがグループの普通(レイ)の人には対応しきれず、情緒的な問題を引き出してしまったり強化してしまうのではないか、と恐れることがよくある。ある医者は、自分の患者やその家族が得た専門情報がセルフヘルプ・グループのミーティングの場で、似たような医療の問題を抱える他の人に不適切に伝わってしまうのではないかと心配するかもしれない。別の専門家はグループメンバーが間違った情報を広めたり、他の人が抱える難しい問題に対していかさまの療法や安易な「解決策」を勧めたりするのではないかと案ずる。このような「解決策」というのは、いかさまでは効かないとわかった時には、当事者の落ち込みや苦痛をなおさら増すものだからである。 これに関連する危険性として、保険医療分野の専門家たちがよくいうのは、専門分野の専門家向けの文献を広く読んでいるグループリーダーで自分たちを専門家のように見なし、専門的な問題を十分に扱う能力があると見なすようになる人もいるので、そうなれば彼らはグループメンバーが資格をもつ専門家から助言を得る必要がある場合にもそれをやめさせようとするだろうということである。 専門職はまた、セルフヘルプ・グループはメンバーがいろいろなところに出入りしたり、利用可能な機関や人の活動や価値を比較するよう勧めたり、権威ある専門職の名声や地位についてよく考えるように助言、ひいてはおどかしすらしかねないのではないかという恐れを抱く。 こういった批判は、グループが専門職や地域の既存の機関の独占的な位置や自己認識に対抗することによって引き起こされるのは明らかである。」(pp.94-95) *作成:松枝亜希子 UP:20071020 ◇BOOK ◇セルフヘルプ・グループ |