『エスニシティとナショナリズム――人類学的視点から』
Eriksen，Thomas Hylland 1993 Ethnicity and Nationalism，Pluto Press
＝20020401 鈴木 清史 訳，明石書店，376p.
■Eriksen，Thomas Hylland 1993 Ethnicity and Nationalism，Pluto Press
＝＝20020401 鈴木 清史 訳，『エスニシティとナショナリズム――人類学的視点から』，明石書店，376p. ISBN-10:4750323101 ISBN-13:978-4750323107 \4830 [amazon]／［kinokuniya］ ※ er
■内容（「MARC」データベースより）
エスニック集団とエスニックの差異はどのような文化的環境下でも昔から存在したのだろうか、あるいは近代の現象なのだろうか。世界各地のエスニックをめぐる事例を取り上げ、従来の考え方から時代の先端の議論まで言及。
■訳者紹介 (本書奥付より)
鈴木 清史（すずき・せいじ）
総合研究大学院大学文化科学研究科修了。文学博士。帝塚山学院大学文学部教授
■目次 ※ルビは〔 〕で記した
はじめに
第二版への序文
日本語版への序文
【翻訳に際して】
第一章 エスニシティとは何か
用語そのもの／エスニシティ・人種そしてネイション／エスニシティと階級／エスニシティへの今日的関心／部族からエスニック集団へ／エスニシティとは何か／エスニック関係の諸相／分析概念と「現地〔ネイティヴ〕の考え方
第二章 我と彼：エスニックな分類
都市の生態／るつぼ論の喩え／文化的差異を伝えること／固定観念／民族分類・社会的距離／二分化と相補化／エスニックによる烙印〔スティグマ〕／アイデンティティ交渉／個人にとってのエスニシティ／エスニシティの基準
第三章 文化的固有性を伴う社会組織
エスニシティの決定要因としての生得的属性／境界線維持／エスニックの団体組織化の程度／資源競争としてのエスニシティ／エスニシティのレヴェル／複合〔プルーラル〕社会にかかわる理論／エスニシティと位階／基準の相互関係／用具論とそれへの批判／文化という問題
第四章 エスニック・アイデンティティとイデオロギー
社会的領域での秩序／変則的〔アノマリー〕存在／策士家／アナログとデジタル「我われは」と「我われを」／エスニック・アイデンティティの出現／祖先にかかわるアイデンティティの創出／歴史とイデオロギー／アイデンティティ過程における社会的要因／ヨーロッパのアイデンティティは存在するのか／アイデンティティは何になるのか
第五章 歴史的視点からみたエスニシティ
エスニックをめぐる関係の歴史的展開／体系的境界線の拡張／資本主義／「黒人」という民族の創成／新世界のインド系住民／「エスニックの再活性」：人びとから民族へ／植民地主義と移住／名づけの力／近代教育とエスニック・アイデンティティ／エスニシティ、歴史そして文化／エスニック・アイデンティティにおける文化史
第六章 ナショナリズム
ネイションへの競争／ナショナリズムとは何か／文化共同体としてのネイション／文化的象徴の政治的利用／ナショナリズムと工業社会／意思疎通技術と国としての体〔てい〕／宗教と隠喩的親族体系としてのナショナリズム／国民国家／国家に対抗するナショナリズム／ナショナリズムと他者／アイデンティティ境界線の問題／エスニック的ではないナショナリズム？／ナショナリズムとエスニシティ：再考
第七章 少数派と国家
少数派〔マイノリティ〕と多数派〔マジョリティ〕／少数派と国家／近代世界での少数派創成／先住諸民族／領地紛争／民族創成の段階／先住諸民族創成における要因／都市の少数派／境界線過程／都市在住移住者にとって文化は重要か／アイデンティティと文化／アメリカ合衆国でのエスニシティ：人種、階級そして言語／少数派と近代性
第八章 アイデンティティ・ポリティクス、文化そして諸権利
多文化主義のパラドックス／自由主義的思想と多民族〔マルティエスニック〕社会／文化と多元主義にかかわる根深い言説／原理主義と曖昧性／強制離散〔ディアスポラ〕あるいは異種混淆〔ハイブリディティ〕／トランスナショナリズムと遠隔地ナショナリズム／ヒンズー至上主義の近代性／アイデンティティ・ポリティクスの一般的特徴
第九章 エスニックではないこと
社会理論における緊張／社会的変化／グローバル化と地元〔ローカル〕指向／アイデンティティと忠誠心／ジェンダー、エスニシティそして国としての体／エスニシティを越えて？／エスニシティの終焉？／多様な見方
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：石田 智恵