『近代医療への警告――いま医療倫理の最前線で何が起きているのか』
廣瀬 輝夫 19920715 金原出版,389p.
last update:20111011
■廣瀬 輝夫 19920715 『近代医療への警告――いま医療倫理の最前線で何が起きているのか』,金原出版,389p. ISBN-10: 430777079X ISBN-13: 978-4307770798 [amazon]/[kinokuniya] be sm
■内容(「MARC」データベースより)
医療倫理は今や、宗教・哲学・法学・社会学などの分野からの発言をうけている。そんな中で本書は近代医療の発達が引き起こした問題を個々に取りあげ、医療倫理の歴史的変遷に対する宗教・哲学・文化的影響、法律的背景を医療従事者や一般の人に解説する。
■目次
巻頭座談会 望まれる倫理はどこに メタ倫理学の可能性を探る 13
―羽田春兎 坂上正道 行天良雄 廣瀬輝夫―
第一章 遺伝子と胎児をめぐる生命倫理
精子・卵子銀行と体外受精 64
代理母による出産と遺伝子提供者の権利 70
遺伝子マップの解明とDNA診断 72
遺伝病を克服する 78
人工妊娠中絶をめぐる激論 82
誤った妊娠と誤った出生 89
コカイン・アルコール・エイズベイビー 92
第二章 臓器移植と脳死
臓器移植の現状 103
生体部分移植と臓器移植法をめぐって 108
最先端の人工臓器と医用材料 113
米国の脳死判定基準 116
日本の脳死議論について 119
心臓死か脳死か 122
第三章 患者の知る権利・死ぬ権利
がん告知と知る権利 128
インフォームド・コンセントとセカンド・オピニオン 133
リビングウィルと蘇生術禁止 139
強制呼吸および栄養補給の中止 143
安楽死の是非をめぐって 146
医師の自殺幇助について 150
幼児・子女を虐待から守るために 155
老人施設における看護 162
第四章 がん・慢性疾患の時代のQOL
ホスピスにおけるQOL 173
精神疾患患者の対処 176
社会問題と化したアルツハイマー病 182
脳卒中の治療とリハビリ 184
多様化する虚血性心疾患の治療 190
老人を襲う関節炎と骨粗鬆症 195
労災保険が適用される身障者 201
第五章 米国の医療規制にみる医師の権利制限
PROによる医療監視 210
医師の個人情報を中央データバンクに 213
医療標準化による制限治療 219
医療審議会による制裁 226
医師の収入削減と医師数制限 231
米国の医療過誤訴訟と No Fault 236
エイズに罹患した医療者への対策 244
第六章 医療関係者とメーカーに対する規制
看護婦とコ・メディカルスタッフの現状 256
JCAHO による医療機関の機能評価 259
病院経営と慈善医療の狭間で 259
製薬企業のR&Dと売り込み競争 263
医療用具メーカーの法的責任 267
商業ラボの利権と質の確保 271
第七章 近代医療への警告
医の倫理の変遷 278
宗教から始まった医療 286
各国の保険制度とアクセスビリティ 291
貧困者・老人への医療費支給 299
メディケア抑制策にみる医療規制の動き 305
各国の高齢化現象と出生率 310
世界的見地からの医療配分 315
巻末資料 脳死及び臓器移植に関する重要事項について 321
臨時脳死及び臓器移植調査会
「末期医療に臨む医師の在り方」についての報告書 367
日本医師会第V次生命倫理懇談会
ヒポクラテスの誓い 386
ナイチンゲール誓詞 387
*作成:植村 要