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『家族という神話――アメリカン・ファミリーの夢と現実』

Coontz, Stephanie 1992 The Way We Never Were: American Families And The Nostalgia Trap,Basic Books,400p.
=19980315 岡村 ひとみ・芹沢 俊介 訳,筑摩書房,445p.

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last update:20160108

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■Coontz, Stephanie 1992 The Way We Never Were: American Families And The Nostalgia Trap,Basic Books,400p. =19980315 岡村 ひとみ・芹沢 俊介 訳 『家族という神話――アメリカン・ファミリーの夢と現実』,筑摩書房,445p. ISBN-10:4480863079 ISBN-13:978-4480863072 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ f04

■内容

テレビドラマなどで親しんできた豊かで幸せなアメリカの家族像が、実は「どこにもなかった過去」であることを明らかにした話題の本。日本の家族問題を考える上でも有効な一冊。

■目次

第1章 理想化された過去――家族の危機とは何か
 とらえがたい伝統的家族像/家族のトレンドを評価するのは難しい/いいかげんな主張と嘘の多い予言/建設的な議論を築くために

第2章 「ビーバーちゃん」と「オジーとハリエット」――1950年代のアメリカの家族
 1950年代の新しい家族/複雑な現実――1950年代の貧困、多様性、社会変動/更なる複雑な事態――抑圧、不安、不幸と葛藤/1950年代のファミリー・ブームの矛盾点/10代の妊娠と1950年代の家庭/伝統的家庭のなかの女性の問題

第3章 「私の母は聖人でした」――個人主義、ジェンダー神話と愛の問題
 異文化における社会的依存と相互依存/相互依存の暗い側面――依存と隷属/自由への闘争と個人的契約権の発生/独立の暗い側面――自由と分断/男性の合理的自己中心主義と女性の非合理的利他主義/愛の重要性の増大/家庭と男女のアイデンティティと愛の矛盾/ヴィクトリア朝的家庭の神話

第4章 私たちは誰にも頼らずやってきた――自助の精神とアメリカの家族
 他者への依存の伝統/自助の精神とアメリカの西部/自助の精神と郊外住宅地の家族/自助的な家庭という神話――社会福祉政策/個人住宅への助成――目に見えない不公平、意図しない結果と負担の増大/家族政策論争――なぜ困難なのか?

第5章 強力な家族の絆こそ社会基盤の充実――家庭的価値と市民としての義務
 私的価値対公的価値/アメリカ的個人主義への伝統的抑圧/19世紀の金ぴか時代――新保守主義の台頭/家庭倫理への新しい関心/家庭モラルの限界/家庭道徳の暗黒面/家庭の理想化と公的生活の崩壊/私生活と公的スキャンダル――「新道徳主義」の今と昔/私的家庭のもろさ

第6章 家庭は男の城である――公的権力の家庭への介入
 伝統的アメリカの家庭におけるプライバシーと自律/家庭への公的介入/南北戦争以前の家庭のプライバシー/家庭のプライバシーとレッセ・フェール国家/進歩等の改革――20世紀初頭における家族の温存と国家の巨大化/ニューディールと家族/国家による介入のアイロニー/近年の家族政策――政府は家庭における君主制を支持するのか、民主制を支持するのか/家庭の自律――プライバシーと国家

第7章 ブラジャー焼き捨てと家庭破壊――フェミニズム、働く女性、消費文化、そして家庭
 母の日の奇妙な由来/19世紀における女性と労働――既婚女性の市場参加からの一時的隔離/1900年から第二次世界大戦まで――確実に増加する既婚女性の雇用/1950年代――女性の労働におけるターニングポイント/1960代と70年代における女性の労働/働く女性と女性解放運動の復活/アメリカの生活における消費文化と物質主義/消費文化の起源――1900年から1960年代/1960年代以降の消費文化、マスメディアと家族/個人の生活に与える消費文化の影響について/消費文化、勤労倫理と家族

第8章 「愛が実り、二人はめでたくゴールイン、そしてこうのとりが…」――結婚とセックスと生殖
 古くからのもの……/そして新しいもの……/ライフサイクルにおける結婚と子育ての役割の変化/若者の役割と経験の変化/アメリカしゃかいの高齢化/生殖革命――生殖とセックスの分離/社会におけるセクシュアリティの役割の変化/第一期の性革命とその影響/第二期の性革命/第二期の性革命の影響を検討する/10代の母と性革命/新しい生殖領域の中に道を探る/私たちの家族地図の正しい見方

第9章 有害な親、ママゴンと父親不在――親業を正しく見る
 ノーマルな家族と子ども時代とは?/働く母親と子育て/保育所の影響/鍵っ子/離婚とひとり親家庭/親は全能か/手に負えない事態を迎えた時

第10章 未婚の母、はみだしものの少年、クラック・ベイビー、下層階級――黒人家庭の崩壊という神話
 黒人家庭批判/アメリカ史のなかの黒人家庭/黒人家庭の強さ/黒人家庭にとっての戦後期/黒人家庭と「アンダークラス」/黒人家庭の「病理」を再検討する/未来に希望はあるのか?

第11章 危機の再点検
 家庭への攻撃――極端な単純化/悪化する若い世帯の状況/現代家族と「アメリカン・ドリーム」の崩壊/経済の二極化における個人の再適応と社会の安全網の解明/現代家族の価値観論争――アメリカの良心の衰退/シニシズムと自己中心主義――家族だけの問題ではない

終章 新しい伝統を創る
 「私の」家族にとってこれは何を意味するのか

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:奥坊 由起子
UP:20160108 REV:(更新した日付全て)
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