『逸脱と医療化――悪から病いへ』
Conrad, Peter & Joseph W. Schneider, [1980]1992 Deviance & Medicalization: From Badness to Sickness, Expanded ed, Philadelphia: Temple University Press, 327+xviip.
＝20031120 進藤雄三監訳／杉田聡・近藤正英 訳，ミネルヴァ書房，587+25p.
last update: 20140822
■Conrad, Peter & Joseph W. Schneider, [1980]1992 Deviance & Medicalization: From Badness to Sickness, Expanded ed, Philadelphia: Temple University Press, 327+xviip. ISBN-10: 0877229996 ISBN-13: 978-0877229995 [amazon]／[kinokuniya] sm
＝20031120，進藤雄三監訳／杉田聡・近藤正英訳『逸脱と医療化――悪から病いへ』ミネルヴァ書房，587+25p. ISBN-10: 4623038106 ISBN-13: 978-4623038107 \7350 [amazon]／[kinokuniya] ※ sm
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・訳書の帯より
本書は，「医療化」論，「逸脱の医療化」論に関する社会学の現代的古典というべき著作．逸脱論の医療化現象への応用編という性格をもち，よりマクロな現象との関連も分析している．ここで取り扱われる「医療化」の諸現象は，現在の日本においても明確に観察可能かつ，次第にその重要性を増しつつある現象である．とくに社会問題化している児童・青年の教育・犯罪現象，ならびに「精神鑑定」における「責任」の問題を考える上でも，基礎的なデータ・分析が提供されている．
■目次
（＊「日本語版への序文」「緒言」「序文」のページ数は本文のそれとは別です）
日本語版への序文 1-5
緒言（Gusfield, Joseph R.） 7-16
序文 17-19
第1章 逸脱，逸脱定義，医療専門職 1-32
逸脱に関する社会学的な研究の方向性 2-4
セイレム村の魔女騒ぎ 5-9
逸脱の普遍性と相対性 9-13
社会統制 13-16
医療専門職とアメリカにおける逸脱 16-30
本書の概要 30-31
推薦図書 31-32
原注 32
第2章 悪から病いへ――逸脱認定の変化と社会統制 33-72
逸脱への歴史――社会構築主義的アプローチ 33-38
現実の社会的構築――知識社会学 38-54
逸脱，病い，医療化 54-62
逸脱の医療化 62-68
まとめ 68-70
推薦図書 70-71
原注 71-72
第3章 狂気の医療モデル――精神病の出現 73-138
狂気に襲われるということ――古代パレスチナ 74-75
医療モデルの起源――古代ギリシャとローマ 75-78
神学モデルの支配――中世 78-83
ヨーロッパの経験――精神の病いとなる狂気 84-92
19世紀アメリカの経験――精神病の収容施設 92-100
精神疾患の科学 100-107
精神衛生における第三の革命 115-125
地域社会の精神保健――大胆な新しいアプローチ 125-132
1970年代における狂気の医療モデル 132-134
まとめ 134-136
推薦図書 136-137
原注 137-138
第4章 アルコール依存症――酒浸り，飲酒癖，疾病概念 139-209
アルコールの生理学――医学モデルの無条件の応用 139-142
アルコールと行動――統制の問題と論争の始まり 142-148
疾病としての逸脱飲酒――歴史的な基盤 148-154
疾病概念とアメリカの禁酒運動 154-161
禁酒法以後の再発見――イェール・センター，アルコホリックス・アノニマス，ジェネリックによる定式化 162-184
アルコール依存症は疾病か 184-194
アルコール依存症に関する疾病概念の将来 194-202
まとめ 202-206
推薦図書 206-208
原注 208-209
第5章 アヘン嗜癖――医療的関与の盛衰 211-272
アヘンの性質 211-213
奇跡の薬――19世紀以前のアヘン使用 213-216
19世紀のアヘンをめぐる政治 216-232
国際的なコントロールの追求とアメリカの反応 232-241
犯罪という認定が支配的な時代 242-246
嗜癖に対する医療的認定の再興 247-250
補論――イギリスの経験 250-254
メタドンとアヘン嗜癖の再医療化 254-267
まとめ 267-270
推薦図書 270
原注 270-272
第6章 子供と医療化――非行，多動症，児童虐待 273-320
子供期の発見 273-276
少年非行の起源 276-290
多動症の発見 290-299
医療問題としての児童虐待 299-314
医療化の対象としての子供 314-317
推薦図書 317
原注 317-320
第7章 同性愛――罪から病いそしてライフ・スタイルへ 321-403
道徳観の基盤――自然に反する罪 321-329
罪から犯罪へ――初期キリスト教と中世 329-333
新しい道徳観のコンセンサス――罪から病気へ 333-337
医療モデルの強化――同性愛の創造 338-344
精神医学的視点の台頭 344-359
脱医療化――挑戦の歴史 360-395
まとめ 395-398
推薦図書 399
原注 399-403
第8章 医療と犯罪――生来性犯罪者の探索と犯罪に対する医療的統制（Moran, Richard） 405-456
治療の理念と生来性犯罪者の探索 407-417
治療的専制の危険性 417-420
生物医学的研究の世紀 420-430
行動変容 430-444
バイオテクノロジー 445-452
まとめ 452-455
推薦図書 455
原注 456
第9章 社会統制装置としての医療――社会への帰結 457-493
医療による社会統制の類型 457-465
逸脱の医療化の社会的帰結 465-477
逸脱の医療化と社会政策 477-487
逸脱の医療化――最終的覚書 487-488
まとめ 489-491
原注 491-493
第10章 逸脱の医療化に関する理論的言明 495-523
歴史的・概念的な背景 495-503
逸脱の医療化についての帰納的理論 503-521
結語 521-522
まとめ 522-523
原注 523
後記 逸脱と医療化――10年後 525-549
概念的問題 526-528
『逸脱と医療化』と社会構築主義 529-531
医療化された逸脱――10年後 531-542
研究の新領域と将来の問題 542-546
後記 参照文献 546-549
参考文献 550-567
翻訳のある文献 568-571
訳者あとがき（進藤雄三） 573-578
人名索引 579-580
事項索引 581-587
■書評・紹介
◆Horwitz, A. V., 1981, "The Medicalization of Deviance," Contemporary Sociology: A Journal of Reviews, 10(6): 750-2. ISSN: 00943061
◆Lazarus, B. M. & C. A. B. Warren, 1981, "Deviance & Medicalization: From Badness to Sickness / The Sociology of Mental Illness / Medicine Out of Control: The Anatomy of a Malignant Technology (Book)," Sociology of Health & Illness: A Journal of Medical Sociology, 3(2): 248-9. ISSN: 01419889
◆Shakespeare, T., 1994, "Deviance & Medicalization: From Badness to Sickness (Book Review)," Disability & Society, 9(2): 267-8. ISSN: 09687599
■言及
◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』，みすず書房，352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ ［amazon］／［kinokuniya］ ※
＊作成：三野 宏治