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『健康と病のエピステーメー――十九世紀コレラ流行と近代社会システム』

柿本 昭人 19910920 ミネルヴァ書房,299p.

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■柿本 昭人 19910920 『健康と病のエピステーメー――十九世紀コレラ流行と近代社会システム』,ミネルヴァ書房, 299p. \3885 ISBN-10: 4623021203 ISBN-13: 978-4623021208 [amazon][kinokuniya]

■内容(「BOOK」データベースより)
19世紀のコレラ流行に関して、何が・どのように・語られたか。またその語りを成立させているものの系譜をたどり、「古い」歴史学からの自由―「新しい」歴史学としての社会史の〈外〉への出口をさぐる。
内容(「MARC」データベースより)
19世紀のコレラ流行に関して、何が・どのように・語られたか。また、その語りを成立させているものの系譜をたどり、「古い」歴史学からの自由-「新しい」歴史学としての社会史の《外》への出口をさぐる。健康と病にみる知覚の近代化。


■目次

序に代えて
初出一覧
凡例

第一部
第一章 〈報告―摘発〉するコレラの社会史
第一節 コレラ流行の研究史 5
第二節 R・J・エヴァンズ『ハンブルクに死す』 9
 行政の問題 11
 不平等 14
 医学史 17
第三節 〈出口〉を塞ぐエヴァンズ 23

第二章 視線の掃討――一八九二・コレラ・ハンブルク 35
第一節 〈穴蔵〉地区の問題化 36
第二節 コレラ菌の〈持ち込み〉および伝染の〈犯人〉捜し 41
第三節 コレラ流行地区へのまなざし 44
第四節 掃討を受ける「コレラの巣窟」 51
第五節 コレラ流行時のハンブルク当局と社会民主主義者 57
第六節 社会民主主義者による〈報告-摘発〉行動 60
第七節 シンクロナイズしない身体と〈能力〉 66
第八節 〈有能〉化する〈遊牧民〉 71

第三章 知覚の変換――十九世紀日本の場合 89
第一節 コレラ流行を見る眼 90
第二節 もう一つの知覚-経験 94
 〈存在〉としてのコレラ流行 94
 つきもの 96
 〈仕切り〉 101
 〈追放〉 104
 〈追放〉 行為の摘発 106
 避病院 110
 沼野事件 114
第三節 治安―平定された知覚 117
 〈撲滅〉 117
 〈消毒〉に対する民衆の態度 121
 種差化 125
 生物―機械としての都市 129
 〈貧民〉 131
 「生活の戦争」 135
 〈屈伏―主体〉化 138

第二部
第四章 知・富・健康のトリアーデ 153
第一節 社会史と十九世紀コレラ流行 154
第二節 バイオの権力としてのポリスあるいはポリツァイ 159
第三節 ミアスマとコンタギオンの系譜学 165
第四節 〈風土〉病化されるコレラ流行 175
第五節 〈衛生の経済〉 175

第五章 〈追放〉から〈絶滅〉へ――コレラ流行とオゾン説 195
第一節 オゾンの現在 196
第二節 コレラ流行と〈消毒〉 200
第三節 〈絶滅〉の様式 206
第四節 J・ヘンレによる切断 215

第六章 われら十九世紀の子――歴史学とテロス 229
第一節 マゾヒズムと〈主体〉の袋小路 230
第二節 社会史と見えない〈起源〉 234
第三節 歴史家の時間 243
第四節 回収されるフーコー 250

文献一覧
人名索引・事項索引


■著者紹介(「奥付」より)
柿本昭人(かきもと・あきひと)
1961年岡山県生まれ。
1986年京都大学文学部卒業。
1988年京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。
現在 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程在学中。
著書 『青い恐怖白い街コレラ流行と近代ヨーロッパ』(共著)平凡社, 1990年。
論文 「コレラと排除の構造――1892年のハンブルクを例に――」『西洋史学』第148号, 1988年。
「コレラの社会史――R. J. エヴァンズ『ハンブルクに死す』を読む――」『経済評論』1989年, 5月号。


■初出一覧
 *本書の各章は記載の拙稿を、大幅に加筆修正したものである。

第一章 〈報告―摘発〉するコレラの社会史
 原題「コレラの社会史――R・J・エヴァンズ『ハンブルクに死す』を読む――」『経済評論』一九八九年五月号、九六〜一一四頁。
第二章 視線の掃討――一八九二・コレラ・ハンブルク
 原題「コレラと排除の構造――一八九二年のハンブルクを例に――」『西洋史学』第一四八号、一九八八年、一六〜三〇頁。
第三章 知覚の変換――十九世紀日本の場合 書きおろし
第四章 知・富・健康のトリアーデ
 原題「コレラ流行とバイオの権力」見市雅俊・高木勇夫・柿本昭人・南直人・川越修『青い恐怖白い街――コレラ流行と近代ヨーロッパ――』平凡社、一九九〇年、八一〜九五頁。
第五章 〈追放〉から〈絶滅〉へ――コレラ流行とオゾン説
 原題「ならされた空間――コレラ流行とオゾン説――」同右、一八三〜二一〇頁。
第六章 われら十九世紀の子――歴史学とテロス 書きおろし


*作成:植村 要
UP:20090422 REV:20100922
医療/病・障害と社会  ◇身体×世界:関連書籍 1990  ◇BOOK
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