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『税制改革の潮流』

貝塚 啓明・野口 悠紀雄・本間 正明・石 弘光・宮島 洋 編 19901020 有斐閣,324p.


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■貝塚 啓明・野口 悠紀雄・本間 正明・石 弘光・宮島 洋 編 19901020 『税制改革の潮流』,有斐閣,324p. ISBN-10: 4641053529 ISBN-13: 978-4641053526 2060 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

■目次

第1章 課税ベースと課税方法の選択
第2章 税制改革の経済効果
第3章 税制改革の政治学
第4章 包括的所得税の展開
第5章 EC型付加価値税と日本型消費税
第6章 経済国際化の中の法人税改革
第7章 資産課税とキャピタル・ゲイン課税
第8章 土地税制の改革
第9章 年金課税改革の方向
第10章 諸外国の税制改革



◆岩井 奉信(いわい・ともあき) 19901020 「税制改革の政治学」,貝塚他編[1990:63-93]

◆堀場 勇夫(ほりば・いさお) 19901020 「経済国際化の中の法人税改革」,貝塚他編[1990:155-178]

 「世界的規模で活動している企業は、各国の租税負担の格差に配慮しつつその行動を決定する。すなわち、各国の法人税制を勘案しつつ、世界的規模で資金を調達し、製造し、販売し、利益の分配を選択している。法人税に対するこのような企業の対応は、主として二つあげられる。すなわち、法人税に対する裁定行動と、企業の立地国選択に関する行動である。
 第一の法人税に対する裁定行動とは、活動している国々によって法人税制に大きな格差が生じた場合、トランスファー・ブライシングやタックス・ヘイブンなどを利用することで、その課税所得を法人税負担の低い国に配分させる行動をいう。
 第二の立地国選択に関する行動とは、各国の法人税格差が特に大きくかつ継続する可能性が<0167<ある場合、また裁定行動では限界がある場合、工場、支店、本店の立地国についての選択をする行動を言う。この企業行動は、各国の法人税を論ずることきに、産業の空洞化の問題として、特に最近問題となっている点である。
 […]各国の税務当局は一種の競争市場原理の中で税制を考えなければならなくなるであろう。いわゆる、国際的なタックス・コンペティション(租税の競合)の発生である。」(堀場[1990:167-168])
 「各国が自由に国際的なタックス・テンペティションをする制度の下では、経済力の強いアメリカのような国がちょうど寡占理論におけるプライス・リーダーのように行動する可能性がある。その結果、タックス・テンペティションに任せた場合に、カナダの例にみられるように他の諸<0171<国はその税制に追随せざるをえないという問題が生じ、世界的な規模での各国の租税制度の統合をいかにすべきかという問題が新たに提起される。
 この統合問題は、従来EC統合と税制のハーモニゼーションとして取り扱われてきた問題であったが、今回のアメリカの税制改革はこの問題を世界的規模で考えなければならない問題であることを明確にした。第4節では、ECの問題を通じてこの問題を考えてみる。」(堀場[1990:172])
 「統合について考えるとき、経済学でのカルテル論の援用によって、イーコーライゼーションによる統合が必ずしも効率性の観点から好ましくないことが主張された。」(堀場[1990:172])
 4 統合の三つの考え方
 「税制のハーモニゼーションの問題については、わが国においてはまだ研究が始まったばかりであり、まとまった文献はない。わが国の文献としては、石教授の次の著作および本シリーズの第4巻が参考となろう。また、海外の文献として以下のものを挙げておく。
 石弘光『税制のリストラクチャリング』、東洋経済新報社、一九九〇年。
 S. Cnossen ed. Tax Coordination in the European Community, Kluwar Law and Taxation Publishers, 1987」(堀場[1990:178])


UP:20081107 REV:20081215, 20090412,0731
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