HOME
>
BOOK
『わしらの街じゃあ!――「精神病」者が立ちあがりはじめた 増補改訂版』
「精神病」者グループごかい 編 19900900 社会評論社 254p. 1733
このHP経由で購入すると寄付されます。
■「精神病」者グループごかい編 19900900 『わしらの街じゃあ!――「精神病」者が立ちあがりはじめた 増補改訂版』,社会評論社,254p. ISBN13:0030-90124-3351 ISBN10:990056751X
[amazon]
/
[kinokuniya]
/
[kinokuniya]
※ m.(200206品切)
■「薬の使用」に該当する箇所の抜き書き
p29
「寝られへんのや」「とんぷく飲めや」「薬がこわい」
私は何もすることもできず、薬をすすめることだけだ。えり子の飲む薬はだいたいわかるが、薬はぼかして眠らすだけだ。私の薬とよく似ていて、私より三倍ぐらい重い薬を飲んでいる。
p30
「とんぷく飲め言いよった」「それみいや。わしの言うたとおりやろが」「セレネースだけ飲む」「全部飲めえ」
しぶりながら、全部飲んだ。「全然効かせん」「すぐ効くわけなかろが。寝いや」
p39
「私、薬のんどるけん、奇形児ができたらどないしょ」「薬のまなぁしょうがないんじゃけん、奇形児ができてもしょうがなかろか。たとえできたとしても育て ないかんぜ」
p102
薬の関係からか、いつも頭がボーっとなって、大事なことも考えられなくなり、従順になり、言われるまま従わされるようになっていったように思います。
p103
入院中の生活は、三度の食事をして、食後に薬を朝昼晩と三回のみ、寝る前にも飲んでいました。まさに薬づけの日々です。
p109
入院した時は、六十キログラム前後の体重が、四ヵ月後には八十キログラムにもなり、精神安定剤の副作用が私の身体をめちゃめちゃにしてしまいました。
p153
朝夕二回、筋肉注射を射ち、薬も一日三回のみ、身体の自由がきかないぐらい、薬漬けで、非常に苦しい毎日でした。
p201
主に自分の事前の行動を指摘されるものや、日々の行動の反省を迫るもので、それ以来ずっと続いていますが、現在は投薬などによって押さえられつつありま す。やはり薬をやめると、やや幻聴は増加するようです。
p228
そのうち薬が合うようになり、だんだんと被害妄想がとれてきだした。
p230
その薬はピッタリと合っていたので、薬を飲んで眠ることに生きがいと喜びを感じるようになっていった。
p231
薬を飲んで眠り続けることは、確かに一般の眠りとは質が違っている。
実質上薬を飲んでいたら、よく眠れて妄想も消えた。
◆「精神障害者がグループを形成する時の困難な点」に該当する箇所の引用
p17
憩いの場として機能していた頃の“ごかい”は、会員が急増して、狭くて困るほどだったが、その後、保安処分や精神衛生実態調査反対運動に取り組み、「病」 者としての主体的な生き方を模索するにつれ、脱落者が増加した。そして、松山精神病院の「通信・面会の自由」に関する闘争が始まり、松山精神病院通院者も ほとんど退会した。
どうしても、個々の医療施設のもつ“思想性”が「病」者に与える影響は大きく、「社会復帰」の堀江病院や、「デイケア」の精神衛生センターともおのずか ら考え方の分岐が明確になり、味酒精神科通院者以外の参加は、ほとんどなくなりつつある。
p52
その後も、アパート生活をさせる(「させる」に傍点)場合には、複数が原則、ペアの組み方は、本人らの意見を聞いて、私たちがバランスを考えて決める (「バランスを考えて決める」に傍点)といった具合でしばらくやっていたが、そんな同居人同志が、うまくいくわけがない。「△△の方が気が合うから、変わ りたい」「○くんとは合わんのです。部屋を変わりたい」など、不満が出てくるのも、今から思えば当然のことだった。
p61
いつもみんなに管理されてて、とても自由をうばわれているような気がした。だから、私なんか“ごかい”にとっては、いなくてもいい人間だとか、私なんか 人間のクズだからなどというコンプレックスを持っていた。
それから、“ごかい”に反発して、タクシーをただで乗りまわしたり、レコード店へ行ってカセットテープを予約したりして、わけのわからないことをしてた んだと思う。ミーティングにも、毎日のように私のことが出た。とても私には、そういうことが腹だたしかった。だけど、私も相当なわがままをしてたんだと反 省しています。
p183
「病」者差別の上にか下にか、もうひとかさね女性差別をされている女たちが、「男も皿洗うの、あたりまえじゃ」と感じはじめたからです。
p232
“ごかい”の中で一つのトラブルとして異性問題がある。それも病状の悪い時、不安定な時の女性をねらって、男性が言い寄ってくるのだ。
「病」者として差別されている仲間同志、その仲間がまた女を差別する。
トラブルの結果、去っていった女たちがいる。そして、自責で
p233
再発する人もいる。
女の身体や社会的地位は、甘いものではないだけに、女性差別を克服しなければ「病」者差別を克服することはできないと思う。
■紹介・言及
◆立岩 真也 2013
『造反有理――身体の現代・1:精神医療改革/批判』
(仮),青土社 ※
◆立岩 真也 2003/01/25
「サバイバーの本の続き・3」
(医療と社会ブックガイド・23),『看護教育』44-01(2003-01):48-49
UP:20070717 REV:20081101, 20090712, 20130927
◇
「精神病」者グループごかい
◇
精神障害/精神障害者文献
◇
BOOK
TOP
HOME (http://www.arsvi.com)
◇