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『近代家族とフェミニズム』

落合 恵美子 19891201 勁草書房,363p.

last update:20110808

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落合 恵美子 19891201 『近代家族とフェミニズム』,勁草書房,363p. ISBN-10: 4326651121 ISBN-13: 978-4326651122 3000+税 [amazon][kinokuniya] ※ f03, f04

■内容

◇内容(「BOOK」データベースより)
“私は「解放」を謳わない”―暮らしの中でフェミニズムを生きる著者が、しなやかに感じ、するどく迫る〈近代家族〉の核心。

■目次

はしがき
1 近代家族の誕生と終焉
〈近代家族〉の誕生と終焉―歴史社会学の眼
出産の社会史における2つの近代
江戸時代の出産革命―日本版『性の歴史』のために
近代家族における子どもの位置―妊娠・出産の意味を考える
現代家族の育児ネットワーク
家族社会学のパラダイム転換
出産の歴史社会学
2 フェミニズムの歴史社会学
フェミニズム理論における家内性と近代
フェミニズムの諸潮流
近代とフェミニズム―歴史社会学的考察
中国女性は家に帰るか―現代化路線と「婦女回家」論争のゆくえ
女と家族と現代哲学
女性学のセカンドステージ
なしくずしの「解放」論
ファシズムとポスト・モダン―書評 山下悦子著『高群逸枝論』
3 現代を読む
新人類女性はアグネスをめざすか
アグネス論争のもどかしさ
普通の家族も静かに変わる
松田聖子の妊娠・出産報道
家族は子どもを育てられるか
どうせするなら「明るい同居」
新人類の保守性とは
わたしの中国体験
現代化中国の女性と家族
ジャパゆきさんの選択
お産と社会学とわたし
あとがき

■引用


■書評・紹介

▼紹介:村上 潔
「女であること」、そして出産、「愛」・「子ども」・「家族」、これらすべてを「近代家族」という概念枠組みの中で捉え直した成果(エッセーも多く含む著作集)。冒頭の論文「〈近代家族〉の誕生と終焉」では、近代家族の特徴を、@家内領域と公共領域の分離、A家族成員相互の強い情緒的関係、B子ども中心主義、C男は公共領域・女は家内領域という性別分業、D家族の集団性の強化、E社交の衰退、F非親族の排除、G核家族、の八点にまとめている。そして、「〈近代家族〉は、近代市場にその参加者である近代的個人(「人間」)を供給する装置である。市場と家族の分離を保持し、それぞれの機能が十全に遂行されるように規制するのが、近代国家の役割だ。近代社会は、このように、市場、家族、国家の三者の連関として構成されている」として、その「「人間」供給のために必要なシャドウ・ワークを遂行する仕組みとして成立したのが、性別分業」なのだと論じる。

■言及



*作成:村上 潔
UP: 20110808 REV:
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