HOME > BOOK >


『ラストチャンスを私に――神経難病との闘い』

山田 徳子 19890915 静山社,157p.

last update: 20100922

このHP経由で購入すると寄付されます

■山田 徳子 19890915 『ラストチャンスを私に――神経難病との闘い』,静山社,157p. ISBN-10: 4915512223 ISBN-13: 978-4915512223 \1050 [amazon][kinokuniya] ※ als n02

■内容

・本書の帯より
不治の難病「筋萎縮性側索硬化症」に侵され,身体の自由と言葉を奪われてゆく中で,迫り来る死の影を冷徹に見すえ,一人の人間として,今,この時を懸命に生きる感動の記録!!

■目次

序文にかえて(佐藤一英) 1
はじめに 4
I  昭和六二年度 7
II 昭和六三年度 55
III 平成元年度 133

■引用

・198607 症状を自覚

・19870605
 「川口武久氏著『しんぼう』を読みふけった.筆者は私と同じアミトロ患者.読んでいるうちに,涙と共に戦慄さえ覚えた.明日はわが身よりも,川口さんの生き方,考え方に魂を奪われてしまい,しばらく茫然としていた.」(17)

・19870609
 「『続しんぼう』に没頭する.信仰によって心が穏やかに,ただ奉仕することに心の平安と喜びと感謝を覚え,私たち同病者や身障者のために働き続ける作者に,感動のあまり涙が流れる.」(18)

・1987

・1988
 『奇跡のがん療法』という本を読み横浜サトウクリニックの院長・佐藤一英に手紙を出す.

・19880309
 「今夕,先生自らお電話をいただいた.「効くから,できるだけ早く来るように」とのこと./私にとってのラストチャンスに賭けてみたい.[…]「寝たきり」でなく,二本の脚で立ち,「人」として生きるためのラストチャンスなのだ.」(58)

 名古屋から横浜に通って,「免疫療法」を受け始める.

・19880323
 「精製されたリンパ球が一〇〇ccほど注射された」(59)

・19880601
 「二回目のリンパ球を受けてから,体調があまりよくない.かえって病気を進めたようにさえ感じる.暗中模索,未踏の第一歩を踏みこんだから,いろいろなことが起こって当たり前だろう.」(75)

・19880713
 「第三回目のリンパ球を受けに,横浜へ.今回はすみちゃんが付き添ってくれた.
 第二回目の苦しかった脱力も,「免疫療法の通る途だから」と先生に言われた.この療法がどこまで効果があるのか,今のところ誰にもわからない未知の世界だと思う.初めから,駄目でもともとと思って,自分のALSに対する考え方を試してみたかったのだ.たとえこの療法を手がけたことにより,生きる時間が短縮したとしても,消極的に死を待つよりはるかに意義深いことであり,充実している.」(84)

・19880916
 「横浜へ行く.今回は連絡が思わなくなく,リンパ球体が間に合わなかった.代わりにグロブリン製剤を注射していただいた.先生の自信に満ちたお話は勇気づけられた.」(99)

・19881005
 「四回目の免疫療法の後,脱力の度合いはいつものように軽くなった.機能の方は容赦なく減退していく.」(102)

・19881130
 五回目(121)

・九十年一月三〇日,六回目(141)

・三月三十日,七回目.「今日は記念すべき日である.免疫療法で,学問的には治療の効果が実証された,と先生が言われた.自分の体が今一つはっきりせず,明らかな進行の停止が認めらないため,両手をあげて”万歳三唱”と喜ぶわけにはいかないが,朗報には違いない.何年も不治という名の下に甘んじてきたのだから.変性した神経細胞は再生が困難というより,不可能とされている。だが,生体の限りない神秘を経験している今,これも可能な範囲だと考えられる.」(山田[1989:156-157])

■書評・紹介


■言及

立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』医学書院.ISBN-10: 4260333771 ISBN-13: ISBN-13: 978-4260333771 \2940 [amazon][kinokuniya]


*作成:立岩 真也
UP: 20040524 REV: 20040526, 20100922(藤原 信行
ALS=筋萎縮性側索硬化症  ◇難病/神経難病/特定疾患  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK

TOP HOME (http://www.arsvi.com)