『家で死ぬ――柳原病院における在宅老人看護の10年』
大沼 和加子・佐藤 陽子 19890630 勁草書房,278p. 2314
■大沼 和加子・佐藤 陽子 19890630 『家で死ぬ――柳原病院における在宅老人看護の10年』,勁草書房,278p. ASIN: 4326798645 2314 [amazon]/[kinokuniya] ※ b 0fm/a01
内容(「BOOK」データベースより)
在宅で療養生活を幸せに送り、死を迎えるためには、どのような条件整備が必要か。訪問看護の現場から感動的な事例、胸痛む悲しい事例等をサポートし、高齢化社会の医療・看護・福祉は如何にあるべきかを考える。
目次
T 家で死ぬ
1 印象深い在宅での死
2 在宅での死と家族
3 医療者側からみた在宅での死
4 老人病院に入院し死亡した老人
5 一般病院に入院し死亡した老人
6 在宅での幸福な死を可能にするために
U 地域看護課10年の歩みと現状
1 地域看護課10年の歩み
2 数字でみる地域看護課の10年
3 訪問看護の現状
4 今後について
6 在宅での幸福な死を可能にするために
「私たちが在宅医療・訪問看護を始めた頃は在宅医療という言葉すらないに等しく、説明をしてもイメージとしてなかなか理解してもちらえなかった。ところが十数年後の家、様相は変わった。一九八七年四月の診療報酬の改定でもわかるように、はっきり在宅医療を推進すると明記し、訪問看護・指導<0219<もはじめて認められた。その必要性を主張してきたものとしては、一面ではうれしいが、不安のほうが大きいというのが本音である。
というのは、その理由が患者の要求に沿ってというよりは、医療費削減の目的で推進しているのが誰の目にも明らかであるからである。[…]入院医療よりは在宅医療がぐっと安上がりになるから在宅医療を推進しているのである。そして、老人の長期入院患者を早く退院させる一つの手段として訪問看護を位置付けたのである。」(大沼・佐藤[1989:219-220])