『特集
都市社会運動の可能性』(地域と自治体 第17集)
矢沢 修次郎・岩崎 信彦・自治体問題研究所編 19890405 自治体研究社,266p.
■矢沢 修次郎・岩崎 信彦・自治体問題研究所編 19890405 『特集
都市社会運動の可能性』(地域と自治体 第17集),自治体研究社,266p. ISBN-10: 4880371017 ISBN-13:
978-4880371016 1896 [amazon]
■目次
都市社会運動の日本的構図(矢沢修次郎)
現代都市におけるアクティビズムの所在――都市社会運動の新しい動向(町村敬志)
都市政策と「公共性」をめぐる住民諸活動(似田貝香門)
「サービス社会化」とアメリカの女性運動(渋谷敦司)
「サービス経済化」と労働者―新しい労働の世界(尾形隆彰)
都市自然運動の基盤(村橋克彦)
生活様式の創造と市民自治―生活協同組合の回路を通して(橋本和孝)
労働者協同組合運動の革新性(富沢賢治)
「住縁アソシエーション」としての町内会(岩崎信彦)
特別論文・日本近代における都市自然の形成(小路田泰直)
■目次
「一九六〇年代以前の特色は、家族・地域集団の活動が伝統的であり、それが地域において相互扶助の役割を果たしており、共的サービス領域もこれらの活動でまかなわれていた。
高度経済成長期の特色は、コミュニティの解体と地域問題の激化にともない、家族・地域集団の活動が私的活動領域へ縮小してゆき、かわって、行政と民間がこれをカバーするかたちとなる。
一九八〇年代に特色は、家族・地域集団の社会的活動はいっそう縮小し、民間もまた採算性を高めようとして共的サービス領域から手を引き、他方、行政は「財政悪化」によって公的領域へとその活動を縮小していく。図3−(3)でみられるように共的サービス領域にはそのサービスを担う供給主体が不在である(「すき間」の存在)。この共的サービス領域における課題解決の主体に、地域集団の再活性化が課題化されてきているのである。
伝統的地域集団の「社会的活動の組織化」の背景はこうした事態の中から展開されてきたといえる。このイニシアティブは誰にあるのか、という課題がここでは問われるだろう。市民の主体形成と地域集団の再編というテーマは、「福祉国家の危機」が地域問題として集約的にあらわれた課題群解決の、権力と市民の競合・対立の中で提起されてきたのである。」(pp.92-93)
*作成:橋口 昌治
UP:20080128 REV:20090128
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