『エイズとその隠喩』
Sontag, Susan 1989 Aids and Its Metaphor,Farrar, Straus and Giroux
=199005 富山 太佳夫 訳,みすず書房,152p.
■Sontag, Susan 1989 Aids and Its Metaphor,Farrar, Straus and Giroux
=199005 富山 太佳夫 訳 『エイズとその隠喩』,みすず書房,152p. ISBN-10: 4622030446 ISBN-13: 978-4622030447
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内容(「BOOK」データベースより)
エイズ、その隠喩もまた〈ひと〉を殺す。現代における最大の脅威=エイズをめぐる神話とイデオロギーを解体し、その本質に迫ったブリリアントな長篇エッセー。
■言及
◆宮坂道夫, 20050315, 『医療倫理学の方法――原則・手順・ナラティヴ』医学書院.
(pp.x-x)
(「第9講 性(セクシュアリティ)について」、「●女性と性的マイノリティの権利確立と反動」)
中絶問題とともに「性の解放」を抑制したものとして,エイズ(AIDS,後天性免疫不全症候群)をあげることができる。1980〜1990年代は「エイズの時代」とも呼ばれたが,エイズは,今日までに人類が出合った史上最悪の性感染症であろう。性交渉によって感染し,死をもたらす可能性もある性感染症としてかつては梅毒が恐れられたが,エイズの脅威はそれよりもはるかに大きかった。1981年の最初の報告から現在までに2000万人以上の人の生命が失われている(「感染症発生動向調査報告」による)。2003年の1年間だけで,世界全体で約300万人がエイズで死んでいる。またこの1年間で新たにヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した人の数も,約500万人にのぼる。世界各国で,不特定多数の人との性交渉をやめ,コンドームを使った安全な性交渉を呼びかける予防キャンペーンが行われている。この病気は,それ以前の10〜20年間の急速な「性の解放」を抑制する役割を果たしているといわれている(Sontag 1989)。
◆美馬達哉, 20070530, 『〈病〉のスペクタクル――生権力の政治学』人文書院.
(pp.x-x)
(1章、「政治的ウィルス」)
本章では、「二一世紀で最初に発生した、重症で感染性の強い新しい病気(2)」であるSARSについて、コロナウィルスによって生じた身体疾患であるとして理解した上でその社会的影響(あるいは「隠喩としての病い(3)」)を見極めようとする生物医学的視点を採用することはしない。むしろ、生政治学的分析は、生物医学とは正反対の方向から進むことによって、こう問いかける。飛行機にのって素早く移動し世界のあらゆる場所に出没することでグローバル経済をも混乱させるこのスペクタクルの「政治的ウィルス」は、どのような突然変異によって、生物医学的言説のなかにコロナウィルスなるものを生産したのだろうか。
(3) スーザン・ソンタグ著、富山太佳夫訳『エイズとその隠喩』みすず書房、一九九〇年(原著一九八八年)および、スーザン・ソンタグ著、富山太佳夫訳『隠喩としての病い』みすず書房、一九八二年(原著一九七八年)。
◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon]/[kinokuniya] ※
*作成:植村要 追加者: