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『自由論』

Berlin, Isaih 1969 Four Essays on Liberty, Oxford Univ. Press
=1971 小川晃一他・小川圭・福田歓一・生松敬三訳,みすず書房

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last update:20151226

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■Berlin, Isaih 1969 Four Essays on Liberty, Oxford Univ. Press=1971 小川晃一他・小川圭・福田歓一・生松敬三訳,『自由論』,みすず書房

■引用

 「もっとも自由主義的な社会においてさえ、個人的自由が、社会的行動の唯一の基準であるとか、さらに支配的な基準であるとかいうつもりはわたくしには毛頭ない。われわれは子供たちが教育を受け(p.385)るように強いるし、また公開の死刑を禁止する。それはおそらく、自由に対する抑制であるだろう。われわれがそれを正当化するのは、無知、あるいは野蛮な養育、あるいは残酷な娯じはや刺激は、それを抑止するに必要な制限の総計よりもわれわれにとってより悪いものだという理由によっている。ところでこの判断は、われわれが善悪をいかにして決定するか、つまり、われわれの道徳的・宗教的・経済的・美的な価値にもとづくものである。そうしてこういう諸価値は、われわれの人間観、人間本性の基礎的な諸要求についての考えと結びついている。」(385-386)

 「かれら〔事実を尊重するひとびと〕がその実現につとめている「消極的」自由は、訓練のよく行届いた大きな権威主義的構造のうちに、階級・民衆・全人類による「消極的」な自己支配の理想を追求(p.388)しているひとびとの目標よりも、わたくしにはより真実で、より人間味のある理想であるように思われる。より真実であるというのは、それが、人間の目標は多数であり、そのすべてが同一単位で測りうるものでなく、相互にたえず競いあっているという事実を認めているからである。一切の価値が一つの尺度の上の目盛としてあらわされうる、したがってただ最高の価値を決定ずくための検査が問題なのだと想定することは、自由な行為者としての人間に関するわれわれの知識を誤謬に導き、道徳的な決断を、原理的には計算尺でできるような運算と考えることである。まだ実現されてはいないが、究極において万事を調停・和解させてしまう綜合の状態にあっては、義務はそのまま利益であり(「あり」に傍点)、個人的自由は純粋なデモクラシーあるいは権威主義的国家である、というようなことを口にするのは、自己欺瞞か故意の偽善か、そのいずれかに形而上学的ヴェールをかぶせることである。」(388-389)

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也 2013/05/20 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版,973p. ISBN-10: 4865000062 ISBN-13: 978-4865000061 1800+ [amazon][kinokuniya] ※

◆立岩 真也 2012/02/01 「二〇一一年読書アンケート」,『みすず』54-1(2012-1・2 no.): http://www.msz.co.jp

◆立岩 真也 1997/09/05 『私的所有論』,勁草書房,445+66p. ISBN-10: 4326601175 ISBN-13: 978-4326601172 6300 [amazon][kinokuniya] ※

 「In addition to these sorts of objections and qualifications, the claim that attempting to have a child should only be thought of as a negative right can also itself be questioned. If having a child can be assumed to be something which most people think of as fundamental and important, is it not then possible to claim that it is wrong for there to be some people who cannot have children because of their relative lack of resources? In other words, it ought to be possible to assert that having a child is a positive right. My own opinion on this is stated in chapter 9 note 13 (for relavant discussions of "positive" and "negative" freedom see Berlin [1969], Gray [1980] and Hashimoto [1994:225ff]).」(Chap.3 n.25)

UP:20151226 REV:
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