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『早わかり 税制改革一問一答』

自由民主党税制調査会 編 19880811 東洋経済新報社,236p.


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■自由民主党税制調査会 編 19880811 『早わかり 税制改革一問一答』,東洋経済新報社,236p. ISBN-10: 4492610154 ISBN-13: 978-4492610152 980 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

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内容(「BOOK」データベースより)
目下、国民最大の関心事“新税制・消費税”はどういうものか。一問一答で、ずばりポイントを説明します。自民党税調による唯一の正式解説書。

■目次

第1部 総論
 所得税・住民税関係
 税負担の公平の確保
 法人税関係
 相続税関係
第2部 消費税等
 消費税総論
 課税対象
 納税義務者
 納税義務の免除
 非課税の範囲
 売上げ、仕入れの計上時期等
 課税標準
 税率
 納付税額の計算
 簡易課税制度
 申告納付
 納税地等
 他の税との調整
 景気、物価等への影響

■引用

 「問18 所得税の最高税率の引き下げは、金持ち優遇になるのではないですか。むしろこれを引き上げて、もっと金持ちから税金をとるべきではないですか。
 答 1.現在、所得税・住民税を合わせた最高税率は76%(国60%、地方16%)に達しています。その水準が高すぎる場合には、
 @勤労意欲や事業意欲を阻害する、
 A脱税などの誘因となり結果的に課税の公平を損なう
 B優秀な人材の海外流出を招く、
などの弊害を生ずることになります。このような観点から、社会の活力を維持増大する見地に立ち、今回の改革では、全体の累進構造をなだらかにしていくのと合わせて、この最高税率を引き下げることにしました。
 2.つまり現在では、最高税率が適用される人たちは、所得が100万円増加すれば、その増加した所得のうち76万円を税金として納めなければならないことになってしまいますが、こうした高い最高税率は事業意欲などに好ましくない影響を与えるばかりでなく、仮に、この人がアメリカのニューヨークに移住してしまえば同じ100万円のうち税金として納めるのは37万円と半分以下になってしまいます。そうすると我が国には1円の税金も入らないばかりか、我が国の<0029<経済活動の沈滞化を招く恐れもあります。こういう点も考えて、100万円のうちの税金をせめて65万円にまで引き下げて、35万円程度は手元に残してあげようというのが今回の最高税率を引き下げる趣旨です。
 3.(1) 引下げ後でも、所得税・住民税を合わせた最高税率65%(国50%、地方15%)は、先進諸国の中にあっては最も高い水準にあります。
 (2) また、我が国の所得税の課税最低限は、先進諸国の中で最高水準にあります(問9の表参照)
 (3) 今回の税制改革においては、キャピタル・ゲイン(有価証券譲渡益)の原則課税化、医師税制(社会保険診療報酬課税の特例)の見直しも行い、高額所得者に負担を求めることとしています。
 (4) したがって、改革後の我が国の個人所得税は、国際的にみて、以前として下に軽く上に重いものとなっており、今回の最高税率の引下げをもって「金持ち優遇」であるという批判は当たりません。」(自由民主党税制調査会編[1988:29-30])

 「法人税については、昭和40年代後半以降、所得税減税財源やその他の財政需要に充てるため、毎年のように負担の引上げが行われてきました。また、一方で、我が国の経済、社会の国際化が進むと、法人税の負担が国際水準よりも高いことが企業の海外逃避の誘因になるなどの問題が生じることも考えられます。
 こうした点から、今回の税制改革では、産業経済の持続的な活力の発揮、国民経済の全体としてのバランスのとれた発展を通じて、雇用の確保などにもつながり、ひいては国民生活の安定をもたらすものと考えられます。」(自由民主党税制調査会編[1988:46])

■言及

◆立岩 真也 編 200908 『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社 ※


UP:20081122 REV:20081211, 20090503
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