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『障害者だから不幸なのか』

生瀬 克己 19880531 三一書房,202p.


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■生瀬 克己 19880531 『障害者だから不幸なのか』,三一書房,202p. ISBN: 4380880044 ISBN-13:978-4380880049 \764 [amazon][kinokuniya] ※d000d
■目次

第1章 「生きる」ことと「学ぶ」こと
1.はじめに
2.わたしたちは、どんな現実のなかにいるのか
3.学んだこと
4.「人間」であるということ

第2章 障害者とは、どんな存在か
1.はじめに
2.最近の「反差別」の考え方
3.否定される障害者たち
4.戦後行政のなかの障害者像―「児童福祉法」の制定過程を素材として

第3章 結婚・仕事・障害者―その歴史的心象風景
1.はじめに
2.仕事と愛のあいだ
3.素姓と家の社会
4.差別の現実―「やっかいもの」のあつかい
5.障害者の生と愛
6.おわりに

■引用
 そういえば、当人にと「差別をしている」という自覚がなくどころか、むしろ、それとは反対に、わたしのような障害者に力をかしてくれようとしているような人でも、場合によれば、たがいに対等意識をもちあうことが、いかにむつかしいか、逆にいえば、人というものは、障害の有無ということにいかにこだわえるものであるか、いかに「五体満足ではない」ということにたいするコダワリが、すてにくいものであるかを痛感させられたことがあります。(p31-32)

 わが国の障害者や老人は、ある意味では、健常者の世界からは、一歩ゆずった生活をすることが要求されているのかもしれません。もし、社会の側の本音がどうであるとするならば、あらゆる「人間」の台頭を前提とし、そこから、あらゆる社会関係と権利関係を考えていこうとする現代世界の風潮からして、この国は、なみはずれて差別的な国といわなければならないでしょう。さらに、いうなら、歴史的につみあげてきた労働にたいする理解のあり方や意識の形態のみを前提として、それらにかなった生活の可能なもののみを仲間とみとめるというのであれば、それは、現代の世界の理論風潮からして、わたしたちは大いに反省しなければならないと思います。(p51-52)

*作成:櫻井 浩子 
UP:080903  
障害を肯定する  ◇身体×世界:関連書籍 1980'  ◇BOOK
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