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『拷問と医者――人間の心をもてあそぶ人々』

Thomas, Gorden 1988 Journey into Madness: Medical Torture and the Mind Controllers
=19910410 吉本 晋一郎 訳,朝日新聞社,538p.

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■Thomas, Gorden 1988 Journey into Madness: Medical Torture and the Mind Controllers =19910410 吉本 晋一郎 訳 『拷問と医者――人間の心をもてあそぶ人々』,朝日新聞社,538p. ISBN: 4022562447 ISBN-13: 978-4022562449 ¥3058 [amazon][kinokuniya] ※ p f02

■内容(「BOOK」データベースより)
 いま、ベイルートに人質を拷問し、その抵抗力を失わせる特殊技能を持つ医師が徘徊しているという。だが、この医師の先輩格としては、ナチスの医師たちの行動であるが、戦後の西側世界が、その面で手を汚していないとはいえないのだ。CIAの資金援助を受けて、カナダ・モントリオールで患者に対してなされたことの詳細は、まさに戦慄すべきレポートである。

■目次

第1部 きょうこのごろ
死をいざなう医師
職人
狂気のネットワーク
コネクション

第2部 これまで
種蒔き
疑いもせず
理性のかなたに
究極兵器
精神を曲折する者
ジレンマ
恐怖の部屋
騒ぐ心
暗黒の境目
狂気、狂気
誓いを破った者たち
悪魔を求める者たち

第3部 これから
前進、限りなき前進
未来の構築
全面戦争
いまのところ

取材にあたって

■引用

 こんにち、いわゆる「革命」には独裁体制を擁護する行為も含まれる。天井のフックから逆さにつるされた囚人の鼻に、胃洗浄用ポンプで水を強制的に注入するという、習慣化してしまった暴行をいまだに続けている、ソウルにある監禁司令センターで働く医師、南アフリカ特融の草原地帯の奥深いところにあるクローンスタート刑務所で、囚人に医薬を投与したり、電気ショックを与える医師、それに囚人の身体の一部を、舌が焼けるほどの熱湯や油で故意に火傷をさせ、そのあとソ連から供与されたいろいろな薬を注射し、皮膚組織が治るのにどの薬が効果的であるかを実験する、エチオピアのアジスアベバにある中央革命訊問部の医師がその例である。(p32-33)

 現代の歴史について執筆する人々にとり、入手できる資料が膨大を極めることから、調査の主要な側面が、どうしても資料とその評価のために、どこへ行けばわかるのか、という問題になってしまうものだ。私があとになって知ることになるのだが、その例外が医療技術悪用による拷問といった問題を取り扱うときで、それも特に謀報という秘密の政界に複雑に結びついてしまっているときについてとくに言える。(p514)

 いかなる医療技術うの悪用も禁止することを特別に考慮された、ニュルンベルク医療倫理網領を支持したキャメロン博士、そして医師になったとき、医師としての宣誓を行うことによって、網領に盛り込まれた信条を順守してゆくことに、事実上同意を示したことになるアル・アブーブ博士は、人権の基本的原則に違反していることで、二人とも等しく有罪であった。(p514-515)

 今世紀におけるその他の真に身の毛のよだつ極めて重要な事件の幾つかを、三十年以上にわたって、根こそぎするように徹底的に調べてきた――一九〇六年のサンフランシスコ地震や一九〇二年におけるフランス領マルティニ島のペレー火山の噴火といった、いくつかの今世紀に起きた大規模な自然災害の直後の人間の行動分析はいうまでもなく、史上初の空襲という戦争犯罪であったスペイン内乱中のゲルニカ市の破壊、そして破壊希望では疑問の余地もなく最大であった広島に対する原爆投下についても調べた――が、私は感傷に左右されてはならないと考えるようになっていた。(p517)


作成:櫻井浩子
UP:20080905 REV:
哲学/政治哲学(political  philosophy)/倫理学  ◇医療過誤、医療事故、犯罪…  ◇身体×世界:関連書籍 1980'  ◇BOOK
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