『老いの歴史――古代からルネサンスまで』
Minois, Georges, 1987, Histoire de la Vieillesse En Occident, de l' Antiquite a la Renaissance: Librairie Artheme Fayard
=19960625,大野朗子・菅原恵美子訳,筑摩書房,407+XXIVp.
last update:20100612
■Minois, Georges, 1987, Histoire de la Vieillesse En Occident, de l' Antiquite a la Renaissance: Librairie Artheme Fayard
=19960625,大野朗子・菅原恵美子訳,『老いの歴史――古代からルネサンスまで』,筑摩書房,407+XXIVp. \5700+税
ISBN-10: 4480861009 ISBN-13: 978-4480861009 \5700+税
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■内容(「BOOK」データベースより)
“長老”として敬われることと、“厄介者”として軽んじられること―老いに対する両極端な二つの態度は、いったい社会のどのような条件によって左右されるのか。
古来人々は老いに対してどのような態度でのぞんできたのだろうか?「老いの歴史を書くことは不可能である」と言ったボーヴォワールへの果敢な挑戦。
■目次
まえがき ジャン・ドリュモー
凡例
序
第一章 古代オリエント――神話と歴史の間に位置する老人
先史原始社会/全体主義国家における老人――インカ帝国/歴史への老人の登場――肥沃な三日月地帯における老いの多義性/人間の寿命の最初の測定
/神の恵みとしての老い/肥沃な三日月地帯における老人と若者の関係
第二章 ヘブライの世界――族長からただの老人へ
老いの黄金時代――バビロン捕囚以前の族長と長老/凋落のはじまり/捕囚以後――長老の役割の弱体化/知恵文学――老いの問い直し
/ユダヤ社会――なお残る族長たちの記憶と非神聖化のはざまで
第三章 ギリシア世界――「哀しき老い」
ギリシア神話――神々は老いを好まず/ホメロスが描くギリシアの長老たち/詩人と悲劇作家――老いの呪い/喜劇――老いの滑稽さ
/哲学者の見方――老いの不幸と多義性/プラトンにおける理想の老人/老人を敵視するアリストテレス/ギリシアの諸制度の中の老人――消えた役割
/ヘレニズム世界における老人――一定の名誉回復/ギリシアにおける死亡年齢と寿命/ギリシア医学と老い――老化の原因の探究/プルタルコスと老人政治
第四章 ローマ世界――老人の偉大さと退廃
人口全体にかかる老人層の重圧/家長の権力――その帰結と変化/共和国における老人の政治的役割/ローマ帝政と老い/ストア哲学とエピクロス主義のはざまで
/老人を風刺するローマ演劇――共和政時代/詩人と哲学者・老いの心理の探求――内戦と帝政時代/ローマ医学と老い/疑わしい弁明――キケロの『老境について』
第五章 中世初期I――キリスト教文学における象徴としての老人
人生と世界の年齢――数字が象徴するもの/真の老いとは賢さである/罪のイメージを背負う老人/老い、呪い、罰/老人の罪深さには弁解の余地がない
/老人の友――グレコリウス一世/親への服従か、それとも神への服従か/老いた修道士たち
第六章 中世初期II――年齢への無関心
老戦士の置かれた多義的な状況/最初の隠遁者たち/貧しい老人たちの不幸/不安定な家族の状況/中世初期に老人はいたのか? 人口統計学上の問題
/聖職者には老人が多い/老人の政治的な役割/芸術――老人のステレオタイプ
第七章 一一 ― 一三世紀――老いの社会的、文化的多様化
世界の老化と人生の年齢――知識人の遊び/空想世界における老い――好意的でない見方/時間と老いに対する無関心――聖職者の特性/中世人の年齢認識
/老いの治療法/老人の数と寿命/聖職者――高い老人の割合/老いた戦士――現役である限り尊敬される/老いた農夫――家族の意のまま
/商業――老人にとっての新しいチャンス
第八章 一四 ― 一五世紀――老人という社会層の確立
ペストを生き延びた老人/一三五〇―一四五〇年における老人の割合の急増/結果としての家族共同体の拡大/世代間の対立の悪化
/夫婦の年歳差の拡大――老いた夫というテーマ/チョーサーの証言/低下する老女の評価/富と権力が老人の手に集中する/詩のなかの老い――悲観的なイメージ
/年老いた政治家・聖職者・芸術家/引退の概念の発達/老いの個性化
第九章 一六世紀I――老いを攻撃する人文主義者と宮廷人
文学と芸術――若さを崇拝し、老いを呪う/糾弾される老女/老いを排斥する宮廷人と人文主義者/老いの相対性/老人の役割とは何か――モンテーニュの意見
/老いを敵視する政治思想家たち/老いの原因とその治療法の探究/老い――ユートピア主義者にとっての難題/シェークスピアの世界にみる老い
第十章 一六世紀II――老人の本当の重み
人口統計上の老人――まだまだ不正確な結果/貴族階級の老人――目立つ女性の増加/老いは軽蔑され、老人は賛美される/老いと政治権力
/世代間の対立は幻想か、それとも現実か
結び
訳者あとがき
原注
参考文献
■引用
■書評・紹介
■言及
◆天田城介 20030228 『〈老い衰えゆくこと〉の社会学』,多賀出版,595p.
ISBN-10: 4811563611 ISBN-13: 978-4811563619 \8925
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↓
◆天田城介 20100310 『〈老い衰えゆくこと〉の社会学(増補改訂版)』,多賀出版,vi+683p.
ISBN-10: 4811575717 ISBN-13: 978-4811575711 \4,200
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*作成:北村 健太郎